スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

天下三分の計博多2013~DDT~観戦記 (2013年12月15日(日)福岡 博多スターレーン)

天下三分の計博多2013~DDT~観戦記
(2013年12月15日(日)福岡 博多スターレーン)

写真はこちらから


だいたい毎年の定番として年初めが九プロの北九州大会、トリがDDTの三分の計というのがここ数年の観戦スケジュールになっている。いつかもう少し体が万全になったら三団体フル観戦したいところだが、今はまだ無理。
ということでこの日も朝一で鍼行って万全の態勢で博多行き。あらためて思うが駅から徒歩でいけるスターレーンは本当にありがたい。やっぱ天神やさいとぴあとか博多ついてさらに移動だと本当にしんどいし。

会場についたらちょうど大日が終わったばかりで大量のお客が階段を下りてきていた。最近興業順も固定されて、各団体とも集客ではかなり善戦してるようだ。以前のようにDDT一人勝ちではなく3団体を見て帰ろうというお客が増えたのは喜ばしい。

本音を言えばヤンキー2丁拳銃が3団体出場するので全部みたかったんだけど、特にユニオンがこないこっちの地方にとって、特にレア度が高いDDTでの二丁拳銃(あくまでこちらの地方基準)が観戦の大きな目玉だった。

第1試合:●彰人 vs ○高尾蒼馬

彰人vs高尾のフレッシュなシングルがオープニングマッチになった。DDTだから第一試合は別に誰がつとめてもいいんだけど、やっぱ若くて活きのいい選手がもっと出てきてほしい。結局いろいろ若手は入門してきたけど、竹下と遠藤以下の若手がなかなか育たないという現状はやっぱ将来のDDTを担う逸材を欲する我々ファンからすると食い足りない。確かに他団体でどん底をみてそこから這い上がる二丁拳銃のような存在は、DDTにはふさわしいいとは思うんだけど、移籍組だけがイキイキしてたんじゃやっぱ未来に希望が持てない。とはいえ、高尾も彰人も若いんだけど・・・・
試合は空中戦を高尾が制し、グラウンドを彰人が制す展開。なかなか見応えがあった。彰人はジャーマンで投げるとニークラッシャー。お互いの技の読みあいのレベルがとても高い。彰人の足4の字狙いを跳ね返した高尾は延髄斬りで逆転。トラースキックからジントニックを狙うも、彰人が丸め込みに切り返すと、高尾も切り返していく。やっぱドリフが頭一つ出てる分、彰人もここでおいていかれるわけにはいかないだろう。しかし、最後は彰人の俵返しを高尾がソラリーナに切り返して勝利。いいんだけど彰人にはやっぱもう少し何かが足りない。素材はぴか一なんだけどねえ。


第二試合:
九州選抜軍、DDT正規軍全面戦争
<DDT正規軍>マサ高梨&松永智充&●中澤マイケル vs 飯伏幸太&○相島勇人&アズール・ドラゴン<九州選抜軍>

第2試合は九州選抜軍vsDDT正規軍全面戦争としてマサ高梨&松永智充&中澤マイケルvs飯伏幸太&相島勇人&アズール・ドラゴンの6人タッグマッチ。え?九州選抜軍?九州討伐団の間違いはないのか?普段討伐してる相島が選抜軍っていうのもおかしいんだけど、字面ほど矛盾や違和感は感じないのだ。

そしてDDT正規軍・・・ある意味団体の功労者でもある彼らは確かに功績からすると正規軍なんだけど、これほど正規軍という冠が似合わない三人もまたいない。まあ逆手にとってるんだけど、よくこんなくくりを考え出すよなあ。

さて、試合前にマイクを取った高梨は「九州選抜軍? あんな豚骨臭くてどうでもいいクソレスラーとの勝敗なんて火を見るより明らかだよな。俺らが勝ってオマエら間抜けら連中に東京で流行っているクールな締めを見せてやる!」と豪語。この三下感たっぷりなマイクにブーイングの嵐。でそんな中マイクを渡されたマイケルは「試合が終わるのを待つまでもなく、東京で一番クールな締めを見せてやるよ!」と言うとそのクールな締めを披露したのだが…・「1、2、3、4、5、6、7、8、九州! 九州!」え?これ、東京でやってるの?というかこれ、ダイナマイトな九州さんのぱくりだよね?確かにがむしゃらプロレスとしてダイナマイト九州はDDTスターレーン大会で試合してるけど、結構前の話だしなあ^^もうこうなったらいっそ本家も「今これが東京で一番クールな締めを見せてやるよ!」とかいって使えばいいのに^^

先発した飯伏はマイケルに鋭いミドルキックを突き刺し、のっけからあわや3カウントになりかかるが、替わった松永が「このブサイクが!」とサミング。なぜかこのあとやたら各選手が「ブサイク」を連呼し始める^^なんでだ?

さらにロープにこすりつけ顔面を攻撃していくと会場大ブーイング。窮地を脱した飯伏が相島に代わると、お得意の鋼鉄殺法で松永にバックドロップを決め、アズールも高梨にトップロープ越えのスワントーンボムを投下して一気に畳み掛けていく九州軍。なんかこの日初結成とは思えない阿吽の呼吸ぶり。再び出番が回ってきた飯伏のエルボーに熱くなって火照ってしまったマイケルが「ほてってきたバイ!」となぜか博多弁でいつものやつをやりだす^^が飯伏がこれを堪えてタイツのかかった腕をマイケルの顔面へと近づける。マイケルはこれを巨匠スラムに切り返し、松永と高梨が飯伏に扇を決めるなどやりたい放題。調子に乗ったマイケルが出したベノムメーカーを飯伏がかわしてオーバーヘッドキック。ハーフネルソンから討伐団・・・じゃない選抜軍のアシストでシットダウン式ラストライドを決めて見事九州選抜軍大勝利。第二試合でこういうのを惜しげもなくやっちゃうところがまたDDTらしいよなという一戦だった。新日もそうだけど、スーパースターがメインでなくても興業が成立するというのはもうメジャーの証といっていいと思う。

第三試合:
○アントーニオ本多 vs ●ばってん多摩川

もうおなじみになったばってんのシングル、今度はアントン。考えてみれば、ばってんが勝ったのは二戦目に登場したマイケル戦のみであとは全敗。最初のうちは博多愛を語りウザがられていたばってんも最近は開き直って「豚骨クセー、もつ鍋みたいなオマエらウルセーんだよ! こんな田舎に来たくなかったんだよ」と毒づき「俺は故郷・博多を捨てた男、心も顔もアメリカンなのさ」と言う始末で会場からもリアル帰れコールがおきはじめる。いや、ばってん確かこっちに帰ってきたんだよな。大丈夫か?

対するアントンは諭すように「強がってんじゃない。アメリカにかぶれようとオマエの心には一人の博多っ子が住んでいる。俺は知ってるんだよ、オマエの寝言を。『親父さん、替え玉バリ硬で』。俺はオマエの骨が豚骨でできていることを知っているんだよ! 実家での朝ごはん、何食べた?」と問いかけてきた。白ご飯とみそ汁だけと言い張るばってんにアントンは「ウソつけ! 食卓にあの赤いものが乗ってただろ!」と詰め寄る。こうして試合はなんとかばってんに「め」から先の言葉を言わせる闘いにシフトチェンジ。だが、ばってんは「め…めん…メンマ!」「め…めん…麺づくり!」となかなか正直にならない。しかしアントンの「言ってみろ!」のナックルパンチ連打にばってんはついに「め…めん…明太子!」と「赤いもの」の名を口走ると「俺は博多ば、すいとうば~い!」と郷土愛をさらけ出したばってんは「博多」コールを起こしてもつ鍋・明太子・山本華世エルボーを決めると初めて歓声が起こる。調子に乗ったばってんはなんと筑前の「飛ぶば~い!」をぱくってコーナーへ。しかしこれは当然読まれていた。ばってんの腹部にパンチを決めたアントンがバイオニックエルボーからダイビング・フィストドロップで勝利した。試合後、ばってんは「俺は本当は博多が好いとうです。今までアメリカ人キャラやっててすいませんでした。来年から地元・福岡に拠点を移します。ばってん多摩川、DDT、そして博多ば、よろしくお願いします!」とアピール。まさか「リアルアメリカンかぶれ」を卒業?まあ、本当はなんでかえってきたかはみんなだいたい知ってるんだけどね。だからこのキャラ卒業宣言にはちょっとばってんの本音が見え隠れした。そういう意味では「壮行試合」でもあり、凱旋試合であったのかもしれない。

まあプライベートでどんなに苦しいことがあっても、ばってんはばってんだから^^これからもんばってんで居続けてほしい。余談だが、このちょっとうるっと来たマイクのあと、ばってんが退場していくときに花道から多くの観客が握手を求めて手を差し出してきた。ばってんでこういう光景がみられるとは・・・ばってんは一人一人に握手しかえしていく。しかし感動もつかの間、とある女性客がせっかく伸ばした手は、ガチでスルーされていた!しかも一人だけ!ネタでなくてガチでスルー!近くにいたがむしゃら常連は大爆笑。これでKのみさんには「ばってんに握手をガチスル―された女」という新しい伝説がくっついてくることになった^^
ああ、面白かった^^ハラいてえ・・・・

第4試合:
男色ディーノ&○大石真翔&伊藤麻希(LinQ) vs ●高木三四郎&大鷲透

地方に住んでると損だなと思うのは大概こうした地方大会というのは東京や大阪などのビッグマッチの前哨戦が組まれることが多い。要するにひとつの抗争の終着は都会に行かないと肉眼では見ることはできないようになっている。それは世の中が昭和から平成になっても変わらず続いてきた慣習だったが、今回DDTは大きな賭けに出た。それは素人アイドルをリングにあげて試合させるというところではない。両国で起こった出来事を博多で完結させる手を打ってきたのだ。博多スターレーン大会が両国国技館大会の前ふりになることは珍しくもないが、その逆はおそらくプロレス史上初ではないだろうか?それはしかし博多発のご当地アイドルにして、全国区にまでのし上がったLinQという存在が無かったらありえなかったこと。ここらへんを上手にからめていくのが、DDTのうまいところである。しかし、話題作りだけならそこまででいい。問題は試合なのだ。デビュー戦ではあるが、ホーム凱旋という意味でも伊藤には入場時にのぼりがたつ盛況ぶり。もっとものぼりには「歩く放送事故」と書かれていたのだが(笑)大社長は最初から敵意むき出し。というかのぼりもってるLinQファンって、普段からアイドル研究に余念がない大社長と同類だと思うんだけど、同類であるがゆえに憎いのか?やたら挑発を繰り返す。

で、一応この試合はやっぱ6人タッグタイトルマッチの前哨戦という扱いなんだが、男色先生いわく「いつもに比べてガタガタ震えているわね。次の後楽園で私と大石さんとアジャ・コングが組んでアンタたちのベルトに挑戦するんだけれど、そのアジャ・コングは今日いないけど、九州発アイドルグループ、LinQの伊藤麻希をアジャ・コングとして投入して、本番を占う闘いをしようというのが、この闘いなわけですけど、それとは別に両国大会で遺恨があったんですよね?」と確認したうえで「今日が決着戦ということね。大丈夫ですか? 一筋縄ではいかないですよ。いいでしょう。じゃあここに来てもらいましょうか。Love in 九州、伊藤“アジャ・コング”麻希、カモン!」伊藤の応援旗が通路にはためく中、大石とともに伊藤がアジャのテーマ曲で登場。ディーノは、でも伊藤が入ってくるなり「見てみなさい、この意外に金のかかってない衣装! これがLove in 九州、伊藤ちゃんの意気込みですよ!」伊藤は高木に睨みつけ、さらに鼻クソを飛ばすアイドルらしからぬ暴挙に出る。気の強い伊藤は相手が6人タッグチャンピオンだろうがもと力士だろうがおかまいなしに挑発をする。あげく「(男色先生の)ケツを食らえ!」と大声で「ケツ」を連呼。これには男色先生も「あなた、そんな言葉使っていいの?(正統派アイドルの道に)帰れなくなるわよ」と一応心配する体で、しっかり自分たちの戦力として伊藤を使う気満々。まあしかしこの伊藤も舞台度胸が半端ないというか、両国の大舞台でケンカ売っただけあっていい根性はしてるなと思った。

伊藤に挑発された高木がリングインして対峙する。伊藤はこれになんとフィンガーロックを要求。いったんやられたふりした大社長が大人げなくパワーで押し返し、場内は大ブーイングに包まれる。その後ピンチになった伊藤は大石とディーノのカットの間、髪をワシ掴みされたまま張り手を見舞って脱出。タッチを受けた大石に高木はゆずポンキック。大鷲のチョップから高木はコブラツイストを決めてコーナーの伊藤を挑発。怒った伊藤がリングインし、頭突きを見舞ってまこりんを救出した。大社長はさらに大人げなく頭を叩き、さらにストンピングから踏みつけ。その上ジャイアントスイングで伊藤を回すと「爆裂お父さん」よろしくLinQの新曲『カラフルデイズ』が場内に流れる。大石がカットに入るも高木にジャイアントスイングで回されるとなぜか『仮面舞踏会』が流れ、ディーノがカットに入ってジャイアントスイングで回されると『どんなときも。』が場内に流れたが、高木の疲労度合が濃いために回りきれない。ディーノと大石は3Dで挽回すると2人で鼓舞。なんとこの輪に伊藤も入りあろうことか男色先生に「ケツを出せぃ!」と要求。ディーノは伊藤に「アイドルとしてもう後には戻れんぞ!」と告げ、コーナーで尻を出す。こうなるともう自爆フラグがたったようなものだが、なんと伊藤はDDTの高き壁、男色先生の地獄門に顔を二度もつっこむことに!さすが歩く放送事故!現役アイドルで女子高生でこの振り切り方は半端ない!伊藤もすげええ!しかも二度目の地獄門はまこりんが事故のふりして伊藤の頭をおしていたし!(もっとも後で張り手をお返しされていたけど)

そのまこりんが高木のシットダウンひまわりボムをフランケンシュタイナーで切り返し、伊藤が高木に強烈な頭突き!それだけではない。伊藤がリング下で潜って何をしてるのかと思いきや、突然リングイン(試合権利はまこりんと大社長にあった)してムタばりに首をかっきるポーズをしたかと思いきや、なんと緑の毒霧!しかし、やっぱ慣れてない分、毒霧の塊が大社長の顔にあたる形で結果的には目つぶしにはなったんだけど、まおりんがすかさず丸め込んで勝利した。試合後、男色先生がマイクを取る。ディーノ「伊藤ちゃん、いい顔するね。まさかアイドルが緑の液体を吐きだすとは思わなかったわ」と苦笑い。伊藤は「まっずい!」と一言。「青汁のように言うのやめてもらえる?」と男色先生も苦笑い。


そして最近DDT各選手がやたら気に入っている「九州ば元気にするバイ!」を三人でやってのけた。いやあすげえよ。LinQ!すげえよ!伊藤!ここまで身を捨ててくるとは予想外だった。でも男色先生もまこりんももちろん大社長も大鷲も全然素人扱いしてなかったんだけど、対応できる素材だったんだなというにがあらためてわかった。ぜひ一度といわずまた挑戦してもらいたいものだが^^試合後大社長はツイートで「スカウトしようか」といっていたくらい素材は本物だったし^^

またまた余談だが、がむしゃらでプロレスデビューした声優・清水愛さんがこの三分の計大会3つとも会場で観戦していたらしい。わざわざ東京からこの大会見に来なくても・・・・^^プライベートだったらしいんだけど、もうこの時点で東京03の豊本さんレベルになってる!すごい熱心だなあ。びっくり!間近にみた「ライバル」の試合は彼女にはどううつっていただろうか^^感想を聞いてみかかったなあ^^


第五試合:
●HARASHIMA&KUDO&ヤス・ウラノ vs ○坂口征夫&MIKAMI&遠藤哲哉
(レフェリーストップ→新・アイアンマン王者は坂口に!)

この試合、HARASHIMAと坂口は12・23後楽園でのKO-D無差別級戦に向けた最後の前哨戦となる。まあ前哨戦があるのが地方大会といえば、もとのさやに戻ったということか。HARASHIMAは先発した遠藤を相手コーナーに投げて坂口を挑発。格闘スタイルもこなすHARASHIMAにとっては意識せざるを得ない相手がやっぱ坂口なんだろう。一転試合はグラウンドでの探り合いで格闘っぽい空気に。こういう緊張感を醸し出せる選手は今なかなかいない。ひかるんにもその要素はあるんだけど、坂口はそのテーマ曲通り存在が「刃」なのだ。試合はHARASHIMAと坂口を軸に一進一退の攻防。おしいのはこういう流れになるとKUDOがわきにまわってしまうこと。彼も名うての蹴撃手なんで、坂口との攻防はもっとみてみたかった。逆にいうとHARASHIMAメインでKUDOとヤスがサポートに回るであろうウラシマクドウのチームワークをMIKAMIも坂口も読んでいた感じだった。一進一退を展開させながら。

HARASHIMAがファルコンアローを決めると、ヤスのフランケンからKUDOのダイビング・ダブルニー、HARASHIMAのスワンダイブ式ボディープレスの猛攻撃。これをMIKAMIがスワンダイブで飛び込んでカット。ヤスのツームストーン・パイルからKUDOがコーナーに登る。これを阻止せんとした遠藤をHARASHIMAが宙吊りにさせると、KUDOはダブルニーを投下。孤立した坂口にHARASHIMAが山折り。蒼魔刀を狙ったHARASHIMAを坂口が瞬時にかわして背後に飛びつきスリーパー。胴絞め式でグイグイ決めていくと、HARASHIMAは悶絶。なんと前哨戦で落とされてしまった!松井レフェリーも確認して試合を止めた!これでHARASHIMAはアイアンマンヘビーメタル級王座を坂口に明け渡すことになってしまった。そう、いつでもどこでも防衛が義務付けられるアイアンマンのベルトはこれにて陥落。新王者誕生である!息を吹き返したHARASHIMAは悔しがるどころか、何が起こったのかさえ冷静にふりかえられないほど混乱していた。いや~、現KO-D王者が落とされるとは・・・・これは超意外ではあった。しばらく三冠王者で売るのかなとおもっていたんで・・・・

メインイベント:KO-Dタッグ選手権試合
<王者組>木高イサミ&○宮本裕向 vs  <挑戦者組>●石井慧介&入江茂弘

正直これだけDDTが博多や九州にくるようになってもいっこうに木高イサミが博多大会に登場することはなかった。福田や石川も出たのにイサミの出番はない。これはかなり個人的にフラストレーションがたまっていた。今一番みたい選手、木高イサミがみられないなんて。いや、正確にいうと大日とか他団体ではみられるのだ。でも個人的にはデスマッチをやるイサミはもういいと思っていた。もういいというのは語弊があるんだけど、デスマッチだけがイサミではない。もっと違う魅力をみたい。ましてや、三分の計である。今は分社化され独立状態のユニオンだけど、もとはDDTである。そのDDTには出ず、大日のブースにいるイサミには何かずっと違和感を感じていた。

今回ヤンキー二丁拳銃は3大会制覇という偉業をなしとげていたが、正直DDTだけでも良かったかなと思う。でもとめてもやっただろうしね。3つ見られないのをこれほど残念に思ったことはない。でも相手は今が旬のチームドリフ。これが面白くないわけがない!

入江がイサミに鋭いエルボー。イサミもエルボーで襲い掛かるが、入江はさらに重いエルボーでなぎ倒す。互いに片腕を取りあってのエルボーのラリーが続く。これが壮絶!これに打ち勝った入江が雄たけびをあげる。そうそう!こういうハードヒットなファイトもまたイサミの魅力なのだ。アイテムがなくても観客の心を鷲づかみにする。素晴らしい!しかしイサミのダイビング・ダブルニーはかわされて自爆。直後に入江がフライング・ソーセージへ移行。受けっぷりの良さが売りのイサミも大ピンチだが、宮本がカット!こらえたイサミもダブルアームの体勢を切り返し垂直落下式ブレーンバスターで逆転。タッチを受けた宮本がアブ小に捧げる「愛してま~す!」のダイビング・ブレーンチョップを狙ったが、これが石井に迎撃されてしまう。宮本はそれでもコブラツイストから卍コブラまで繰り出したが入江がこれをカット。睨み合いから宮本も頭突きでやり返したが、入江がエルボーでフッ飛ばす。やっぱ肉弾戦というのは見ていて気持ちがいい。入江のかげにかくれてるけど、実は石井のあたりも格段に強くなっていた。でなければヤンキーもここまで追い詰められるkとはなかっただろう。その入江にイサミがダイビング・ボディーアタック。イサミに石井がエルボー。もう意地と意地の激突である。イサミが胸板にパンチすると、石井はピッチング式チョップを見舞っていく。この辺の気持ちで負けない強さも今の石井はもっている。これで押された宮本だが石井に向かうと見せかけて場外の入江にトペ・スイシーダを放つ。さらにハンドスプリング・オーバーヘッドキック!イサミがリングに急行して勇脚を決めると宮本がスパイラル・ファイアーサンダーで脳天から突き刺し勝利をもぎとった。薄氷の防衛ともとれるけど、肝心なところで場数の差がでたかな?

試合後、宮本が「入江もそうですけど石井も当たりが強かった。でもね、僕たちは大切な由緒ある某新聞の大賞を逃しましたけど、しっかりベルトは防衛しました!」と痛烈な皮肉。会場大声援。しばらくグタっていたイサミも「チームドリフと何回でもやりましょう。何回でも来てください。何回でも真正面から倒してやりますから。立ち向かうよ!」と入江の決め文句でドリフに呼びかけたが、帰った後だった^^ちょっと間が悪かったけど・・・^^
でも激闘の満足感もあって「博多で天下三分の計がおこなわれたら、またこのベルトを持ってきますよ。皆さんに約束します! なぜなら俺たちは・・・・強い!」でしっかり大会は締められた。

いや~今回も内容が濃かったなあ。
本当DDTがこの三分の計を冬のビッグマッチ扱いしているのが本当に伝わってくる内容だった。帰りのフロアは大混雑。伊藤のところにも結構な人がきていた。そしてなぜか入口では半袖の相島先輩が気軽に「女性限定?」で記念撮影に応じていた。外10度きってるのに半袖・・・さすが鋼鉄である。しかし女性ファンに囲まれてにやけていたあの顔を同じ会場にいたはずの筑前とかめんたいにはみられたくなかったろうなあ^^

この後選手を囲んでの食事会は前売り時点でソールドアウトだったらしい。各選手もすばやく着替えて次の会場に移動していたが、面白いのはみなレスラーオーラを消しまくっているところだった。特に幽霊みたいにすりぬけていったマサ高梨には相島先輩も気づいてなかったし^^

で、MIKAMIさんが通っていかれたので挨拶して、スターレーンをあとにした。帰りの新幹線でパンフ読んでいたらイサミが長瀬館長の名前を出していたので「面白そう・・・みたい!」とつい思ってしまった。ぜひウィンガーとのタッグで長瀬館長には二丁拳銃のどっちかのベルトに挑戦してほしい^^いや~イサミがDDTの博多大会に登場した今となっては、東京近郊ではなく、こっちで長瀬館長の試合をみるのが次の目標になったな!来年ももっと素晴らしい試合がたくさんみられますように!
スポンサーサイト

新日本プロレスWORLD TAG LEAGUE 2013博多大会観戦記

新日本プロレスWORLD TAG LEAGUE 2013博多大会観戦記(2013/12/03(火)19:00福岡・博多スターレーン)(観衆1,850人(超満員札止め)

写真はこちらから

12月1日にがむしゃらで満員札止め状態の会場を経験して、まああれ以上の盛り上がりはもうないだろうとタカをくくっていたら、こちらの大会もすでにソールドアウトという。チケットを頼むのが遅かったけど、がむしゃらのマスターになんとか席を確保してもらった。代金が万単位でなければ、やはり満員のスターレーンというのを、久々に味わっておきたいというのもあったし、今の新日の勢いはもはやカードで左右されないほど強固なものになっているんだということをこの目で確認したかったし。あ、そうそう22日の小倉競馬でのレインメーカートークショーにいけなくなったというのも観戦を決めた理由の一つではあったが。

あらかじめ満員というのはわかってはいたんだけど、いかんせん係員(バイト、社員問わず)も満員のスターレーンに対応しきれてないのが如実にわかった。まず当日予約引き換え窓口(エスカレーター最上部、予定では当日券発売所だったんだろう)に人がいない。何回か呼んであわてて新日の社員がでてきた。でも、日本一の団体がこれでは・・・というつもりはない。なぜならこれだけ大入りになった大会というのは菅林社長が営業で入社した時以来だろうと思うからだ。若い社員が予想もしてない人数にテンパっているのは仕方ないことではあった。
とはいうものの、業界最大手ということでいえば、やはり不備は指摘はしておかなければなるまい。まず売店を1Fの別フロアを借りて作ったのはいいが、1Fにもたくさんいたバイトの係員は案内誘導もしてなかったし、売店を指すPOPも階段に一枚はってあっただけ。入り口入ってすぐにでもわかるような案内掲示は必要だったのでは?かなりわかりにくかった。自分だけではなく、障害を持っておられた方が何度も会場で係員に聞いていたんだが、バイトも不慣れなせいか、十分な案内もできていなかったし。2Fの会場は確かにこれまでみたことがないほどの人が入っていたけど、正直万が一何かの災害があった場合、入り口と搬入口しか外に出る手段がないスターレーンを会場としてセレクトしたのは正直まずかったのではないだろうか?あの入りだとやはり弱者は出遅れてしまうし、脱出口に人が押し寄せて二次災害を広げたたらどう責任をとるつもりだったのか?やはりG1の時のトラウマがあったのかもしれないけど、安全性を考えたら国際センター開催でもよかったと思う。

どうしてもスターレーンクラスの会場でというのであれば九州地区の、たとえば北九州とかで開催するなど手はあったはず。過去の営業成績だけで判断して博多のみで開催するのは確かに理には適っているかもしれないが、今の新日には満員になるが故のリスクも計算しておかないといけない。その辺の危機管理不足は否めなかった。今の新日がWWEを目指しているのは、誰が見てもあきらかだけど、あちらはそうした目の届きにくい細部まで気を配っている。内容だけ追いついてもだめなんだということを今後は考えてほしい。

試合開始前に博多在住の獣神サンダー・ライガーに新応援幕の授与があった。この時はじめて気が付いたんだが、TV中継の関係でいつもなら南側を正面にするところを北側を正面にしていた。まあでもあの入りだとカメラ設営できるのが北側しかないし、北側正面で試合をする団体も珍しくはないんだけど、ちょっと違和感があった。単に慣れの問題だと思うけど。

第一試合:
×小松 洋平&田中 翔&永田 裕志 [08分24秒]
グリーンキラー→片エビ固め
○邪道&飯塚 高史&矢野 通

試合開始前にCMLLシリーズのツアー化が発表されて、でもそれが大阪と東京のみということでちょっとがっかりはしたんだけど、なんとなくこの日のスターレーンにはルチャの風が吹いているような気がした。熱さということでいえば、かつてはユニバですらフルスペースで満員にして熱い試合を繰り広げていた時代もあったのだ。そのユニバで浅井が抜けた後に急場しのぎのエースをやらされてたのがパニッシュ&クラッシュだった。やっぱ今の邪道をみてるとクーリーSZの顔は到底想像できない。ただこの若い客層だとユニバはおろか、冬木軍時代のこともしらないのかもしれないなあ。一方の永田。実は彼の全盛期、私は病で動けず、彼が生でメインをはるところをみていない。若手のころ、毎日のように斉藤彰俊とシングルをやっていた時代からすっとんで、今また第一試合にでてる永田をみてるわけだ。浦島太郎になった心もちである。
個人的にはスターレーンで藤原組に単身乗り込んで、セミファイナルで石川雄規と闘ったころが全盛期のような気がしている。こんな風に老舗だけあって思い出話だけで観戦記が書けてしまうのはいいのか悪いのかはよくわからない・・・・

さてその永田組はのっけからCHAOS軍の奇襲にあって、ゴングを待たずに試合開始。といっても飯塚がいるんでこうなるだろうなとは思っていたけど^^;ここは田中が捕まりローンバトルを強いられる展開に。正直言うとレスリングどんたくはビッグマッチバージョンの興業なんで、第一試合くらいは新日のヤングライオン同士の攻防がみたかったのだが、今の大所帯ではそれもなかなかかなわないことかもしれない。まあ飯塚出しておけばつかみはOKだしね。田中はこの日見せたドロップキックがとてもよかったと思う。
もう一人の若手、小松はハーフハッチスープレックスが見ごたえあった。まあ見せ場は作ってもらえたのでよしとしよう。最後はレフェリーの隙を突いた矢野のイス攻撃に小松が悶絶。邪道のグリーンキラーの前に涙を飲んだが、まあ永田も邪道も苦い道を歩んで今があるんで小松や田中が将来どう化けるかはこれからのお楽しみだろう。

第二試合:
BUSHI&KUSHIDA
[07分49秒]
エゴトリップ→片エビ固め
ジャックス・ダン&○ ロブ・コンウェイ

NWAって何度か復活してるけど、当然往年のNWAとは縁もゆかりもない。どうせ新日が復活させるんならNWFにしてほしかったんだけど、ダン・スバーンならまだしも、というか新日の会場に「ギャラクシーエキスプレス」が流れると物凄い違和感がある。年末だし、タッグリーグだし、やっぱどれだけスケールダウンしても、年末のタッグの祭典は「最強タッグ」だし、「ギャラクシーエキスプレス」は新日には似合わない。これで「オリンピア」まで流れたら、本当ゼロワン以下だよなと思ってしまった。とはいうものの、この現NWAタッグ王者組、まあ未知の強豪とまではいわないにしてもそこそこできる選手だったのでちょっと救いがあった。

序盤からダンのパワーに苦しむKUSHIDA組はもともと正パ-トナー同士でもないし、そもそもジュニアである。BUSHIが捕獲され、コンウェイ&ダンのパワフルな連系プレーの前に手も足も出ない展開になると、さすがにスピードで攪乱という手も使えない。なんとかコンウェイにチンクラッシャーを食らわせると、代わったKUSHIDAがハンドスプリング式のエルボードロップを食らわせ、スワンダイブ式のボディシザース、その場飛び式のムーンサルトで畳みかけると解除が大歓声。いつの間にかKUSHIDA人気が高まっていたのはびっくり。でも内容は以前見た時よりぐっとよくなっている。若手や出自を問わず能力のあるものにはチャンスを与える新日の今の姿勢はそれほど嫌いではない。
 
BUSHIもコンウェイにもダイヤル固めで見せ場を作ったが、コンウェイに放り投げられて動きがストップし、ダンのスピアーを被弾すると、最後はコンウェイのエゴ・トリップで3カウントを奪われた。この締めへの持っていきかたは、かなり手馴れてるなあという感じがした。この二人には一足飛びでWWEいくより新日で経験積んでそこからまた大きくなっていってほしい。

第三試合:
タイガーマスク&獣神サンダー・ライガー&ストロングマン&○中西 学
[08分12秒]
アルゼンチンバックブリーカー
タイチ&×TAKAみちのく&デイビーボーイ・スミスJr.&ランス・アーチャー

中西学&ストロングマンの日墨マッスルオーケストラと、獣神サンダー・ライガータイガーマスクのGHCジュニアタッグ王者(大会当時)がカルテット結成。現IWGPタッグ王者のK.E.S、TAKAみちのく&タイチの鈴木軍と激突するというまあ地方にありがちなカード。

そういえばデイビーボーイのジュニアを生でみるのは二回目か。親父さんの試合もここで数限りなくみてるけど、やっぱ背でかい。そして体がナチュラル。この辺で妙な安心感を抱いてしまう。伯父さん(ハートファミリー)の血を受け継いでよかったねえ。と同時にこの体が親父さんにあったら無敵だったろうなとも思ってしまう。クスリだっていらなかっただろうし。パートナーのランス・アーチャーとのバランスも実にいい。TAKA&タイチの小物感もまた実にいい。ナチュラルに嫌われるタイチは今や新日には欠かせない選手の一人になっている。まあでも全日時代にこういう化け方するとは想像もしてなかったなあ。

先発は、タイガーマスクとTAKAみちのく。おお、もとみちのく同士の対決。しかし相変わらず格闘系の容赦ない蹴りを見舞うタイガーに、TAKAはサミングで応戦する。あくまでプロレスの流儀で対抗。そしてかわったタイチにストロングマン登場。しぶしぶ力比べを決行したが、タイチは片手で押し潰されてしまう。このあたりはよく自分の仕事をわかっているなあ^^こういう試合はでも前座には必要だと思う。

横断幕を贈られたライガーは登場するなりTAKA&タイチに捕獲され、マスクを剥がされる寸前まで痛めつけられる。ライガーほどのリビングレジェンドがここまで体はる必要はないんだけど、でもやっちゃうんだよねえ。この人は。それをわかっているからこそ、内心ではライガーを尊敬し続けているTAKAも容赦なく打って出てくる。
 
試合は中西がストロングマンとの野人ダンスからWラリアットの鉄板コンビネーションで博多を爆発させる。しかし、鈴木軍も負けてはいない。ランスのボディアタックなど、串刺し式のコーナーアタックで、次々と中西を攻め込んでいくが、野人ダンスを披露したTAKAが中西の怒りを買って、野人ハンマーでかえりうち。 さらにアルゼンチンバックブリーカーに繋いで決めた。

第4試合:
×キャプテン・ニュージャパン&棚橋 弘至
[12分37秒]
レインメーカー→片エビ固め
YOSHI-HASHI&○オカダ・カズチカ

Aブロックにエントリーされている棚橋組とBブロックのオカダ&YOSHI-HASHI組が非公式戦で対戦。これを休憩前のとりにもってくるとはどんだけ新日強心臓なんだ?と思ってしまう。入場時、キャプテンマスクをかぶった棚橋は脱IWGP宣言をして、はじめてオカダとあたるのがこの試合だったしい。その棚橋とオカダが先発を買って出て、場内は大歓声。いや、地熱が物凄い!こんなスターレーンは本当20年ぶりくらい。序盤でオカダがレインメーカーポーズをとれば、棚橋も負けじとエアギターをかき鳴らして、一歩も引かない。もう会場はこれで終わってもいいくらいの最高潮になっている。
 
しかし、オカダから代わったYOSHI-HASHIが、棚橋からタッチを受けたキャプテンを場外に連行。YOSHI-HASHIも棒取ったら何もないって先輩に言われてるようじゃだめでしょ。このとほほキャラで売り出したキャプテンですらも今や変な人気が出てしまい、いい味すら出してきていたのにいつまで中途半端なヒールやってんだか。そのキャプテンも当初は新日の迷走の象徴みたいな扱いだったけど意外とタッグはうまくないという棚橋の正パートナーについてから、俄然人気がでたよなあ。まあでもキャプテンが汚れ役で棚橋においしいところをもっていく役目を引き受けてるからこのタッグは成り立つんで、オカダ、YOSHI-HASHIに代わる代わるいたぶられててもそれはそれでOK^^大キャプテンコールを背に延髄斬りをYOSHI-HASHIに食らわせ、棚橋にタッチするとさらに会場のボルテージは上がる。勢いよく乗り込んできた棚橋はいったんは攻勢にでるが、YOSHI-HASHIのカウンターのラリアットで動きを止められると、続くオカダからはフラップジャックを被弾。レッドインクで絞め上げられる。さらに窮地を脱したもののオカダのドロップキックをらって棚橋も動きが止まる。しかしレインメーカーは読んで、フロントキックにきたオカダにドラゴンスクリュー!キャプテンは棚橋とのトレイン攻撃をオカダに炸裂させるが、一人になった途端、またピンチ。確かに棚橋の名勝負ってシングルが多くてタッグといわれても記憶がない。で、やっぱこのタッグもチームとしては機能してないよなあ。それでもオカダのツームストンに捕獲されたところを棚橋が必死に救出。棚橋がプランチャーでYOSHI-HASHIを場外に釘付けにしてキャプテンに勝負を託す。まあこれで負けフラグ立ったなと思ったらヘビーレイン、ダイビングエルボードロップを立て続けにくらってレインメーカーであわれキャプテンはトドメを刺されてしまった。

でもまあお客からしたら棚橋とオカダのからみが見られたからいいのかもしれない。公式戦でもないし。しかし新日のタッグリーグって毎回思うけどリーグ戦の星トリ勘定が全く気にならない。特に年初に1.4をやるようになってか年末のシリーズは本当捨てシリーズみたいになってるし。でもその捨てシリーズでチケットソールドアウトにできる実力があるのは大したものだと思う。

休憩中に1Fにおりて売店を物色したが、やっぱアナウンスが周知徹底してないせいか、あるいは移動を面倒くさがったか、意外と人がいなかった。パンフ売場で本間が暇そうにしてたし、永田のサイン会もそんなに並んでなかった。まあ試合前に棚橋のサイン会やっちゃったからかもしれないけど。

第5試合:
本間 朋晃&○真壁 刀義
[10分52秒]
キングコングニードロップ→片エビ固め
×高橋 裕二郎&田中 将斗

誰かが言ってたんだけど「今更G・B・H復活」といわれても意味がわからんというか、一回解雇されたはずの本間がしれっと戻ってきて何事もなかったかのようにいるのは正直どうなんだろうと思うけど、もともと新日は出戻りには甘いからなあ。コンプリートプレイヤーズ対GBH。まあ悪くはない顔合わせだな。でもそれほど興味もわかないかなという感じ。
序盤で田中と本間が激しいチョップラリーを繰り広げたが、もともとの出自を考えればもっとハードコアでもいいんだよな。と思っていたら田中は場外で本間に竹刀をクリーンヒットさせ、リング上に戻ってからは、強烈な串刺し式エルボードロップで会場をどよめかせる。裕二郎のスパインバスター、田中の弾丸エルボー、ラリアットと劣勢が続く本間だが、田中のブレーンバスターを引っこ抜きでかえして、真壁にタッチ。代わった真壁は、田中に串刺しラリアットからパンチの連射、ノーザンライトと畳み掛けた。

試合はまあ一進一退しながら本間のこけしから真壁の必殺のキングコングニードロップを決めて、GBHここにありをたからかに宣言。でもねえGBHっていまいちピンとこない。

第6試合:
○ ラ・ソンブラ&内藤 哲也
(3勝2敗=6点)
[07分02秒]
変型首固め
×シェルトン・X・ベンジャミン&鈴木 みのる

冒頭に無理やりルチャの風が吹くと書いたのは正直この大会のお目当てがソンブラだったから^^しかし先に風になって入場してきたのは鈴木みのる。スターレーンでみのる見るのはパンクラス以来か?えらい変わりようだけど^^でも会場はおなじみの「か・ぜ・に・な・れ!だけでなくちゃんとみんなが歌詞を大合唱。みのるものりのりで入ってきた。
で、先発はソンブラとベンジャミンという外国人同士の対決。昔でいうなら絶対大型ルチャドールはアメリカンのかませ犬扱いだったのに、今やシリーズの添え物どころかG1にまで出しちゃうほど待遇のよくなったメキシカン。ソンブラがカネックと同じ時代に生まれてなくて本当に良かったと思う。パワーだけでなくここぞという時にはなんでもできるベンジャミンもまた昔の新日ではちょっといなかったタイプ。ソンブラはハリケーン・ラナなどスピーディーな技で果敢に対抗するが、ベンジャミンはなにげにしれっと受け流していく。内藤とソンブラはどうしても急造チームの欠点でやっぱタッグではなく1対1で戦ってる感じ。連携も出すけど、線になってない。一方鈴木は内藤をスリーパーに捕らえると、ベンジャミンはソンブラにアンクルホールドとこちらは鈴木軍らしい連携を披露。一度はロープに近づいたソンブラだったが、ベンジャミンに無理やりリング中央に引きずり戻されてしまう。一度は内藤がカットしたもののベンジャミンにスーパーキックからジャーマンスプレックスを食らってしまって大ピンチ。しかし、突っ込んできたベンジャミンを人工衛星式のコルバタで形勢逆転。続けてベンジャミンの片腕を取りながら丸め込むソラリーナがずばっと決まって、大逆転に成功!鈴木軍に吹いていた風をメヒコの風に変えてみせた。お見事!まあ結果がよかったからいいや^^

第7試合:
×小島 聡&天山 広吉
(3勝2敗=6点)
[09分45秒]
マジックキラー→片エビ固め
○ ドク・ギャローズ&“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン

アンダーソンはともかくギャローズってどんな選手なのかが気にはなっていた。まあ、最近ははずれも少ないかわりに荒削りな魅力にあふれた強豪も少ないのが特徴だけど、アンダーソンのパートナーとしてはもうしぶんない。一応バレットクラブはテンコジあたりと抗争を続けていくことになりそうだし、最初からテンコジを攻めまくってブーイングをもらうあたりは古来の外国人ヒールのにおいも醸し出している。小島も天山の危機を救い、コーナーでチョップ連射から串刺しジャンピングエルボー→「いっちゃうぞ」エルボーのコンボで場内を盛り上げていくが、肩のけががいまいちよくない様子。

逆にバレットクラブはギャローズがサイドウォークスラム、背面アタックからラリアット、アンダーソンがセントーン、ギャローズのボディプレスと次々と畳み掛けていく。いや、ファレあたりが介入していくのかと思ったら意外と試合で圧倒してるからすごいなとは思った。
いったんは自力で勝利を手繰り寄せたかに見えたが、やはり威力がけがで半減していたのかいつもの小島らしさがみえてこない。
逆にギャローズは、肩に担ぎあげた小島を叩き落とし さらに、アンダーソンとの死の連携マジックキラーで、小島から3つとって、勝ち点をのばした。

第8試合:
石井 智宏&○中邑 真輔
(3勝1敗=6点)
[10分47秒]
ボマイェ→体固め
バッドラック・ファレ&×プリンス・デヴィット

だいたいヒール同士の対決なんだけど、今や会場人気ではレインメーカーに迫る勢いの石井と真輔。入場前から大真輔コールがおきると、例によって世界一くねくねした中邑真輔とごつい石井が花道に登場。会場大盛り上がり。いやあ、格闘系の方向にいってるときは本当に迷走してた中邑がこんな形で大ブレークするとは。鈴木みのるは気に入らないようだけど、中邑にしてみたらアメトークさまさまだろう。上背ではどうしてもどの選手より低い石井だが、魂のこもったファイトぶりはすっかり新日ファンのハートを鷲づかみ。
どっちかというとベビー人気がでてしまった中邑組を新興悪役軍団としてバレットがどうあくどい事をしてくれるのかが興味深かったが、あまり小汚い手も使わず、いたってまっとうな試合運び。ところどころで思い出したように反則をするあたりを中邑が評して「青臭いヒール」と言われてる所以なんだろう。ファレとのコンビは確かに力とスピードのかみ合ったタッグではあるんだけど、もう少し成長してもらわないとまだ多くある軍団の中のいちユニットとしかみえない。

スピードでなんとか撹乱したいデヴィットだが、中邑も重量級の選手ではないから、読みあい、透かしあいには楽々おうじていける。ここに石井の突貫ファイトがかみ合っているので正直バレットには勝ち目ないなと思っていたら。中邑がデヴィットを担ぎ上げると、リングに戻ってきた石井はそのまま受け取ってブレーンバスター。この機を逃さない中邑はボマイェを2発叩き込み、デヴィットから3カウントを奪って大勝利。ちょっと手を焼いたけど最後はしめられたからいいだろ的な感じの試合だった。まあ以前の中邑では到底できない芸当だろう。

これでトップに並ぶ勝ち点6となった中邑は、マイクを握ると、「またやっちゃう? ど~しよっかな~! 俺と石井・ウォリアーの勢いは止まらんねぇ。1回しか言わねえぞ、特別だ。イヤァオ!」とごきげんに絶叫。まあ棚橋がエアギターで締めをやり始めた時はずいぶん新日も変わったなと思ったけど、これでオカダと棚橋と中邑・・・・(まあほかにもいるけど)と確実に締めを任せられる選手が増えたというのは本当ほかの団体に無い大きな強みといえるだろう。

次回はやっぱり福岡国際センターでどんたくやるらしいけど、正直もうマリンメッセでもいっそドームでもいいので、会場を広くしてほしい。いや、盛り上がるのは盛り上がるんだけど、万が一の災害とかを考慮するとあれだけの入りは危険すぎると思うし、博多一極集中の興行形態もいい加減みなおしてもらいたい。赤字興業を減らすのは企業としては健全な発想ではあるんだけど、やっぱ分散開催も考えてほしいなと思う。まあ本音をいえばこの大会が12.1とぶつからなくて本当によかったというべきか。ともあれ久々の新日のハウスショーバージョンの興業は大盛り上がりでした。やっぱ年二回くらいはこのあたりで新日みられるとうれしいかな?

「GAMSHARA OLYMPIC '2013」歴史的瞬間を見逃すな!! 観戦記

「GAMSHARA OLYMPIC '2013」歴史的瞬間を見逃すな!! 観戦記
2013.12.1(日) 北九州芸術劇場 中ホール(700人フルハウス)


写真はこちらから


 声優清水愛がプロレスデビューするということでそっちばかりがやたら注目された本大会だが、もともとはがむしゃらプロレスの10周年記念がメインである。アニメもプロレスも愛する私としては、どっちかをけなしたり落としたくはないのだが、人気声優起用という話題性に頼って、がむしゃらが集客をはかったわけではないことだけはいっておきたい。清水愛デビューの話は、吉本ヲタク芸人で、がむしゃらと親交がある、はりけ~んず前田が10周年祝のプロジェクトとして進めていたもので、いわば花を添える格好になったもので、主役はいつものがむしゃらのメンバーたちなのだ。とはいえ、はからずも全国に名を売るきっかけにはなったわけだし、結果的にヲタクの街北九州からプロレスとアニメがコラボして全国に発信される大会になったことは興味深い。今回はプロレスファンでない層が遠征までして、全国各地から集結してきているのがレギュラーの大会とは異なる特徴でもあった。

 しかもこの日は大相撲巡業が北九州に来ていて、西日本総合展示場もフルハウスだったらしい。まさに興業戦争!とはいっても客層は被らないんだけど、いつもとめてる安料金の駐車場が西展の前なんで、駐車場所確保のために11時半に小倉入り。それでもギリギリで駐車できるくらい、満車になっていた。当然だが12時過ぎについて会場前で3時間まつことになった^^

開場して中に入ると、なんとアリーナ前列をつぶしてステージ上に特リン席が用意されていた。これはナイスアイディア。ステージ上にリングを組むとグラウンドの展開になったときに前の席は非常に見づらい。以前この中ホールでやった九プロではステージ上に席は作らず、二階も開放してなかった。今回は前列をつぶしたかわりに二階席を解放。より観客にとって見やすい工夫がなされていたことはさすがだなと思った。おかげで満席の会場を見下ろしながら、スクリーンも見ながらという贅沢な観戦ができた。

で、前座と言っては失礼だが、下渡後援会長の後輩にあたる物まね女王、なかじままりさんのライブからショーはスタート。なかじまさんが早着替えをするため、リング上でのパフォーマンスではなくステージを使うため、我々はいったん階下のアリーナ最前列におりてショーを観劇。いや、さすが日本ものまね大賞から出た人はクオリティーが違う。歌はうまいし、演技力もある(もともと俳優でもあったけど)。これだけで正直チケット代のもとがとれたといってもいい内容だったんだが、これがなんと前座^^なんというクオリティーの高さ。そしてJamの影山さん、きただにさん、遠藤さんのお祝いコメントが流れた後はアニスピガールズのダンス&歌、そして、ダイナマイト九州&レフェリー陣の前説、さらに全選手入場式に、SHIGEKICHIリングアナとはりけ~んず前田による前説・・・・長い!!!!
がむしゃらを初観戦した4年前の小倉北大会を思わせるボリュームぶり。もっとも今回の方がより内容は洗練はされていたんだけど、それでも本編突入まで軽く1時間以上使ってしまった。大丈夫か?また4年前の再現にならねばいいが・・・・と余計な心配(というより現実になったんだけど)をしつつ大会はスタートした。

第一試合:
オープンニングマッチ!!ユニット対抗戦(30分1本勝負)
ブルート健介 &○ KAG大塚 vs ●ジェロニモ & DIEZEL

なかなかフルメンバーが登場しないがむしゃらクローバーZ(以下がむクロ)と今勢いに乗るクレージー・クレバー(以下CC)の対抗戦。CCのボス、Cluminは実を言うと同日市内の別イベントからかけつけての参戦。まあ正直あの長い(でも面白かった)前座がなかったらどっちかが出られないところだったんだが、この結果は正直本人が一番ほっとしていただろう。さて、本題はリング上。意外と息があってるのかどうなのかがいまいちよくわからない者同士が組んで試合するというのは、見てるこっちとしては、息の合ったもの同士で試合するより、計算が立たない分面白いと思う。バランス的には一人スーパーヘビー級のブル健がいるので一見すると悪いようだが、人数で勝るCCは総勢で入場してきて全員でやる気満々。数ではCC、パワー&スピードではがむクロというなかなか面白い顔合わせになった。しいて心配な点を挙げるとしたらブル健自体試合が久々という点と、彼のスタミナ持続時間が短いことになるだろうか?
だいたい常套手段としてはCCがKAGを狙い撃ちするのが手ではあるのだが、実戦の勘がいまいち戻りきれてないブル健を途中から一点集中で攻撃し始めた。KAGを除けば古株同士、しかももともと同じユニットにいたため、その辺の弱点も御見通しというところなんだろう。ロープを使っての腕折りでブル健の動きが止まると、そのパワー頼みのがむクロは一転旗色が悪くなった。チーム力ではCCが勝るのでどうしても単発な攻撃になってしまい、逆に総出で乱入、攻撃してくるCCには個々でしか太刀打ちできないがむクロ。しかし、腕を痛めながらも粘ったブル健がKAGにすべてを託して試合を任せたあたりでがむクロに勝機が訪れた。DEIZELの毒霧がJERONIMOを誤爆。その隙をついてKAGが逆転勝利!TOP OF THA SUPER がむしゃらで一躍ジュニア戦線はおろか、ヘビー相手でも通用する選手になったKAGの急成長ぶりがここでも爆発。まさに今年の総決算的な試合になった。

第二試合:
がむプロおまけ試合!!ド素人だらけの8人タッグマッチ??(ケガせん程度1本勝負)
●小倉発祥パンチくん &蝶野GAM洋&銀G &門司港戦隊レトロンガーvs & ブラック☆スティック & タシロショウスケ&○恋乃魅&竹ちゃんマン

結局このカードも二転三転して最終的にこうなった。がむしゃらではよくあることだけど^^まあケガせん程度なんであまり細かいことはいいますまい。この試合に関しては見る前から一つだけ決めていたことがあって、この試合でデビューする2人は知り合いなんだけど、知り合いとしてはみないということだった。要するにロープをまたいだ時点で素人扱いはしないよ、ということ。
そんな厳しい目で見ようときめた試合ではあったけど、やっぱパンチくんがこの中に混じっていると安心感が違う。久々登場のレトロンガーもシングルをやらせると微妙だけど、この中に混じる分は問題ないかな。門司港戦隊と言いながらいつも一人しかいないのはあれだけど^^この戦隊は増やしても得はなさそうだし^^黒棒もベテランだし、手書きのひげがかなり微妙な蝶野の妙なクオリティーの高さ(恰好だけ黒の総帥なんだけどSTFもケンカキックもしない^^)と温度の低さがちょうどこの試合むきになっていて面白かった。当初はここに清水「選手」を入れるのかと思っていたんだけど、やっぱこの試合はこの試合で意味があったわけだし、入れなくてよかったと思う。
銀Gも恋乃魅も普段とは全く違うがちがちに緊張した中、しかも大観衆の見守る大舞台でよくぞリングにあがってくることが出来たと思う。そこはほめておきたい。心配した銀Gの足もけがを感じさせない印象だったので一安心。重心が安定しており、もともとぶちかましが似合う体形でもあるし、あのファイトスタイルはいいと思う。あとはより万全にするには足をなおしてからかな?実力を測るには出番が少なすぎたが、これは仕方ない。
一方の恋乃魅だが、キックのバリエーションの豊富さに比べ、チョップがやや貧弱に映る。彼女自身の売りは無類のスタミナであり、グラウンドに磨きをかけて、少々の長丁場でもけろっとしているくらいの方がより彼女らしい。パワーファイトで売るよりは、そっちの方が特性を生かしやすいと思う。いいものをもっているし、本人が見た目と違いデスマッチ嗜好がある線も、今より生かしやすいと思う(まあこの枠にいてデスマッチをどう生かすのかは別な問題だけど)。まあでもグラウンドを磨くのは一朝一夕ではできないけど、今後も続けていく意思があればぜひ試してほしい。二人とも頑張って!

第三試合:
がむしゃらプロレスvsなにわ愚連隊RX 全面戦争!! HANZO SASAKI1夜限りの復帰戦(30分1本勝負)
若鷹ジェット信介 & ●富来男X & HANZO SASAKI & アリマティwith X vs なにわ1号 & ○なにわ2号 & なにわ3号 & ベボちゃんwith Boss原

この枠には当初、炎!修一が入る予定だったが、欠場ということで結婚したばかりで今が一番旬な男、若鷹ジェットが急きょ凱旋。お店も忙しかろうによく来てくれたなというのがあるけど、やっぱこの中に急きょ混ぜられたHANZOはちょっと気の毒だった。本人の意思で現役続行を断念(?)したと聞いていたのだが、そもそもその現役時代の試合が3試合しかこなしてない。今みたいに道場があって、イベント試合も慰問も数多くこなしているわけではない頃の事なんで致し方ないが、そう考えると同日デビューした鉄生ってやっぱすごいんだなあとつくづく思う。
そして、CCとは結託関係にある愚連隊にはCCのメンバーもセコンドに加わっていたので、なんか増殖したみたいに見えた^^ただこっちは久々の登場にもかかわらずコンディションは抜群。本業の忙しさとか兼ね合いもあって難しいんだろうけど、できたらなにわ軍も積極的に試合に絡んでほしいなあと思う。面白いメンツだし、やっぱCCにない個性をもってるので、対抗戦という意味合いは薄いものの、また見たいなと思わせるファイト内容だったし、できることならいつもでなくてもいいけど継続参戦はしていって欲しい。

試合内容は悪い愚連隊といいもののがむプロ軍、実は博多とWヘッダーだったらしいベボちゃんと若鷹の絡みなど見応えはあったけど、全面戦争というわりに次回以降の引きがなかったのは仕方ないか。なぜならこの時点ですでに時間は押し気味だったから・・・

第四試合:
豪右衛門デビュー戦&尾原毅、SEIJIROH復帰戦(30分1本勝負)
七海健大 & ジャンボ原 & ●豪右衛門 vs ○マスクド・PT & 尾原毅 & SEIJIROH

ここもどこを見ていいのか迷うところ。SEIJIROHはもともとLOCなんで立ち位置は最初から決まっているんだけど、尾原と並び現在無所属。しかも尾原は根っからの生真面目なベビーフェイスである。一方の今回デビューも豪右衛門も無所属。誰かがどっかに所属するドラマが生まれるのかなと思ったけど、ここまでの試合が全部約平均15分近く費やしており、どう考えてもスキットでそこを説明していける余裕がない。となると試合の中だけで各選手が現在のモチベーションや意志を表現するしかない。そう考えるといくら規格外の新人とはいえ、豪右衛門にはやや荷の重いデビュー戦になったか。ブランクありとはいえ、もともとが練習の虫みたいな尾原のキックはとても休んでいたようにはみえない威力だったし、その尾原と同郷のSEIJIROHとのコンビネーションもこれまた久々とは思えぬほど息があっていた。まあ当然といえば当然か。よって二人の実力をよく知るマスクドPTは手綱さえ握っておけばいい。秋にけがした腕は完治していなかったけど、この二人に任せておけばそんな変なことにもならないというのもあっただろう。

一方オーバーザリミット(以下OTL)はタッグのベルトも失い、豪右衛門を勧誘するでもなく、とはいいながら、役割的には先輩だからある程度新人を立てて、フォローもしないといけない。OTLというのはもともと正規軍の新人枠みたいなものだったけど、今や鉄生や陽樹といった下の世代が存在感を増す中において、いつの間にかユニットの人数は増えないわ、戦績もふるわないわで結果が残せてない中堅軍団になってしまった。まあその意味で一年の締めが結局、復帰戦の相手と新人のデビュー戦に花を添える役処に落ち着いたわけだが、やっぱきつい言い方をすれば華々しいスタートをきったOTLの後半の失速感は半端なかった。確かに七海のデビュー戦の相手である尾原を今度は七海が受けて立つ側になったのはすごいことではあるんだけど、ね。4年前とは確かに違う成長を見せられた点は唯一の収穫といっていい。

で試合全体の印象からするとこのメンツならもっといい試合になったと思うのだが、今思い返してみてもSEIJIROHのコンディションのよさと尾原の変わらぬけりの鋭さ(しかし椅子を持ち出すあたりのタイミングがもともと悪役なれしてないせいかややぎこちなかった)、そして新人にも全く容赦しないPTのボストンクラブの洗礼しか脳裏に出てこない。やっぱOTLにはメンバー増やして勢力図を変える気があるならもっと何か変わっていこうという強烈な意思表示をしてほしかった。そこが一番物足りなかったかな。豪右衛門の判断については次回以降に持ち越したい。この試合だけでは彼がどれほどすごいのかはわからずじまいだったからだ。 

第五試合:
GWA無差別級タッグ選手権試合(60分1本勝負)
【挑戦者】●NIKKY &ニコラス今中ジョリー vs TA-KI &○ 陽樹【王者】

先に書いておくと年末のビッグマッチでは澤宗紀GWA最高顧問が来場して認定宣言をやるのだが、今年はなんと客席から同じく引退したはずのランジェリー武藤がいきなり登場!これは度胆を抜かれた。まさかのランジェリー復活に会場大興奮!しっかり認定書読むときに「レッスル1代表武藤敬司」と名乗っていたが、本当の武藤は同日同じ福岡県は博多スターレーンでW-1自主興行の真っ最中。オリジナルとランジェリーが同日の同じ県内の興業に現れるというのはかなり面白かった^^

で、三大タイトルのうち、問題だったのは挑戦者が決まらないこのカードだった。結局陽樹の希望でニコラスに白羽の矢が立ったおかげでこういう組み合わせになったが、がむクロ自体、ユニットとしては機能してるけど正式なタッグチームは一つも存在していない。だからといって誰と誰が組んでも勝てるよ、というほどタッグは甘いものではない。そこでがむクロに勝つ目があるとしたら、頭脳労働をNIKKYが、肉体労働をニコラスが担当すれば、CCにとっては嫌な相手になりうる。しかし、生もののプロレスはなかなかうまくはいかないもの。よりによってがむクロの2人はそろって大会前に大風邪をひいてしまう。これは大誤算だったろう。詰めの段階で十分な摺合せがないまま、当日を迎えたのではないだろうか?こうなると、意外と鉄壁なTA-KIと陽樹の壁は崩せない。なぜなら頭脳労働もできて肉体労働もできる二人が王者でいるのだから、付け焼刃では崩しようがない。よって王者組は終始安定していた。まず挑戦者の分断を図るとニコラスの膝を徹底的に破壊にかかる。もともとパターンを読まれて自爆するニコラスの弱点を終始つつきまくったCCのやり方はこれまでにないクレバーなものだったし、そこの部分でキャラが被るNIKKYをも凌駕もしていた。終盤がむクロはムーンサルトの競演で盛り上げはしたが、前半の二コラスのダメージがデカすぎた。

正直、ニコラスがこれを機にファイトスタイルを組み立てなおすか、あるいは今のまま貫き通すかは本人次第だけど、技出して喜んでいるだけなのであれば、今後はタイトル戦線にはからめないだろう。もし、お笑い系のベルトができたらそっちはありかもしれないけど、ベルトの乱立は本来あるべきプロレスの姿ではない。そこはやっぱシビアにジュニアとタッグとヘビーの三本のみでいいと思うのだ。

ただ問題が一つあって、強すぎるタッグ王者の次の対戦相手がみつからないのが現状。となると、総帥スミスが誰かを連れてきて、今回のリベンジを狙うというのががむクロ的にはありかなとも思うんだけど、どうだろうか?案外スミス&KAGあたりはいやらしい挑戦者になりうる存在ではあるんだけど・・・・陽樹としてもスミスとあたるのは願ったりかなったりだろうけど、あのスミスがタッグベルトに触手を伸ばすかどうかは・・・??

第六試合:
声優 清水愛プロレスデビュー戦!!6人タッグマッチ(30分1本勝負)
●菊タロー & ダイナマイト九州 & セクシーロージィ vs ザ・モンスター℃ & ○清水 愛 & ガムコツくん

残念ながらここまでで相当な時間を費やしてしまい、帰りの飛行機や電車の時刻が気になる人にとってはこの試合がメイン・・・というかメインにせざるを得ない状態になってしまったのではないか。しかも月曜は連休にはなってない。普通に会社勤めしてる人はどうしても明日の仕事を気にしながらの観戦になったであろう。内容を盛りだくさんにして満員のお客さんを精いっぱい盛り上げようというサービス精神があだになってしまったのは皮肉としかいいようがない。本来はこの試合を入り口にプロレスを好きになってもらいたいというのがこのカードの裏の趣旨ではあったんだけど・・・・

さて、一夜限りのにぎやかしなのか、本格的にプロレス参入する気なのか?清水愛は芸能人だから、いくらプロレスが好きであっても、無理して本格参戦する必要は全くない。ましては東京ならいざ知らず、地方の社会人団体である。けがしない程度に「副業」としてリングに上がり続けることは可能でもあるし、この試合でやめたっていい。そもそもネットでニュースになった時点で声優としては充分メリットがあった。目的は達せられたといっていい。あとは本当覚えたての技を披露するくらいで十分観客は満足しただろう。しかし清水(とあえて呼ぶ)はこちらの予想をはるかに上回る本気度でプロレスに臨んできた。あとで菊タローがばらしたけど、実は忙しい合間を縫ってアイスリボン道場で三週間猛特訓を積んだという。そうか!首都圏でリングと道場を構え、過去にもタレントをレスラーとしてデビューさせた実績があるアイスならば可能な話ではある。しかしアイスとがむしゃらには接点が全くない。そのうえアイスに継続参戦する予定もない選手によく道場を提供してくれたなあ。これは驚きだった。裏に団体としての計算があったかどうかは知るべくもないことだけど、少なくとも女子プロの、プロレスのすそ野を広げたいという思いは伝わってきた。そしてそこに真摯に向かい合う決心をした清水は本当に立派だった。巻き投げだけでも驚いたのに、拝みわたりにフライングボディアタックにも挑戦。これを成功させた。そして攻めもすごいが、受けも菊タローのセクハラ&シビアな攻撃に耐え、嫉妬に狂った?セクシーロージーの重量級の技も受けて立った。これだけでも賞賛に値する。たった三週間でどれだけの練習を積んだんだろう?決して大きくはない体でここまで頑張る清水愛は間違いなくプロレスラーだった。そりゃ確かにぎこちないところもあったけど、やっぱそれを差し引いても十分プロレスでもやっていけることを満天下に知らしめたのはひとえに本人の努力のたまものであろう。本当に立派すぎた。私はアニメが好きなんであって声優さんのみに特化したファンではない。だから声優がプロレスデビューと聞いても正直食指は動かなかったし、ましてや声優だからと言って特別扱いするのはもっと嫌だった。だがここまでの本気を見せられてはやはり心が動かないわけにはいかない。本人も継続参戦を希望してるし、ぜひここで磨いたスキルを更に研ぎ澄まして、またリングに立ってほしいと思う。清水愛選手、デビュー&初勝利おめでとう!「普段声でみなさんに力を届けている私が、今日たくさんの声援をもらって力をもらいました」とリングで語っていたことはたぶん本心からの言葉だと思う。であるならばぜひともプロレスとアニメは地続きなんだよと、ともに見たら元気になれるし、ともに奥深いものであることを世間に訴え続けていって欲しいなあと思う。もちろん本業に支障のない範囲でね。

第七試合:
祝10周年記念スペシャルプレゼントマッチpart1(30分1本勝負)
○旭 志織 & アントニオ小猪木vs アステカ & ●がばいじぃちゃん

このカードも二転三転した。まずはもともと出るはずだったルチャドール芸人(メキシコでルチャライセンスをとった数少ない日本人)であるハチミツ二郎が本業の方で欠場(THE MANZAI決勝進出決定のため)し、代打で同じ西口プロレスで活躍する同士のアントニオ小猪木が緊急参戦。そしてなんと九州ではライバル同士の華☆激(アステカ)と九州プロレス(じいちゃん)がタッグを組むかたちに!普段方向性の違いから絶対あいまみえぬはずの両団体がまさかのタッグ結成。これはやっぱ10周年祝という事とがむしゃらという中立のリングだからできたことだろう。もしがむしゃらが社会人ではなく、プロ団体の体をとっていたらありえない話なのだ。業界でも有名な九州のプロレス団体の人間関係の複雑さを考えたら本当に奇跡に近いことがおきてしまったのだ。

まあハチミツ二郎のルチャをみられない寂しさはあったものの、やっぱ猪木ボンバイエがかかるとプロレスファンはテンションが上がるものなんだなと痛感させられた。芸術劇場にこだまする大猪木コールはやってても聞いてても気持ちよかったし。

では、ここに混じることを本来一番嫌がってそうなアステカの存在がキーになるのかなとふつうなら思うだろう。でも実はアステカが嫌うのはショーマンスタイルのプロレスではなく、試合内容を肉体ではなくマイク主体で観客に伝えようとするプロレスのこと。で、ここにいる4人はいずれもマイクはそれほど必要としていない。そもそもじいちゃんしゃべらないし。

そのじいちゃんがしゃべらない分、アステカが異様に試合中しゃべるという見慣れない構図が出現したかと思ったら、一方で小猪木と「仮想・対アントニオ猪木」戦を繰り広げていく。アステカもやっぱだてに20年やってないよな、引き出し多いよなというのを痛感させられた。伝説の神獣とは長い付き合いなんだけど、こういうやわらかい一面はなかなかファンには伝わってなかったのでこの試合でそれが満天下に知らしめられたのはよかったのではないかなと個人的には思う。

仮想といっても小猪木のファイトスタイルは身長がないだけで、猪木ものまね芸人の中では最も動けるだけに、西口で繰り広げている猪木のコピームーブを完璧にこなしていく。突然寝転がって猪木×アリ状態からのアリキック、インディアンデスロックからの鎌固めは往年のオリジナル猪木の試合でも「おおー!」となる場面だけどそれもしっかり再現。もちろん延髄や卍も決めていく。やっぱコピーとはいえ、猪木のファイトスタイル自体がお客の心を掴む要素をたくさん持っていたんだなあと改めて思わざるを得なかった。

もちろん旭もじいちゃんも埋もれていたわけではない。そもそもの出自が芸人である小猪木を笑いで翻弄するじいちゃん(もちろん二段変身ありで^^)と、のらりくらりと自分のペースに引っ張っていく旭の老獪ファイトはさすがの一言!

清水愛デビューで一回ボルテージが上がったところへ再度ボルテージを上げる試合がきたのでこれはもう、ファンとしてはうれしいやらうれしいやら^^本当に楽しい一戦だった。 

第八試合:
祝10周年記念スペシャルプレゼントマッチpart2(30分1本勝負)
阿蘇山 & ディアブロ &● 黒影 vs 佐々木 貴 & 葛西 純 & ○久保希望

FREEDAMS対九州討伐団というのもなかなか魅力的な顔合わせ。そもそもハードコアな闘いが得意な討伐団と、ハードコアはお手の物のFREEDAMS。かみ合わないはずがない。これを機に本格開戦してほしいくらいの豪華カードである。 ここでポイントなのはここのところずっとチャレンジマッチ的な試合を続けてきて、内容はあるけど勝敗に恵まれてない久保にそろそろ白星がほしいなという点であった。しかしそれをサポートする側の一人、葛西純は実を言うと膝の具合が万全ではない。そうなると佐々木の奮闘がより期待されるわけだが、相手は百戦錬磨の討伐団である。一人に複数が襲いかかるのは朝飯前。この日も序盤の奇襲でペースをつかむとある意味お株を奪う場外乱闘で先制。相手の得意分野にあえて切り込んでいく討伐団にもまた「FREEDAMS何するものぞ」という意気込みを感じた。そして中盤から久保を孤立させると、今度は久保一人を徹底攻撃。常套手段とはいえ、手を出しすぎては久保の奮闘を期待する意味では、簡単にカットにも行けない。しかしカットのタイミングだと思って飛び出していくと討伐団の邪魔が入る。という感じでFREEDAMS組は完全に討伐団に試合のペースを握られてしまう。

しかし、ここ数年の試合で鍛え上げられてきた久保の常識を超えた粘りが、数々の危機をのりこえてきたのもまた事実。こうなったらもう一蓮托生である。佐々木と葛西の全面的信頼を背に久保はまたしても驚異的な粘りを見せ始める。そうこうしていると両先輩の効果的なアシストもあって、やっと勝機が久保の方に傾いた。孤立した黒影の猛攻をかわしてなんと難敵から3つ奪取!正直もうだめだろうという場面は何度もあったし、また同じ展開になって今回も勝てなかったという結果になるのかなと思ったりもしたが、会場が一体となった大「久保コール」が背中を後押ししたのかもしれない。もうだめだ!というその先をみたくて応援してきた会場は大興奮!やはりプロレスも勝ってなんぼなんだなというのを改めて思い知らされた瞬間だった。負けても感動があるけど勝って味わう感動はその何倍も気持ちいいものだった。これがあるからプロレスはやめられないね!

夢☆勝ちます!!チャレンジマッチ(45分1本勝負)
●鉄 生 vs ○藤田ミノル

もともとは「12月1日、がむしゃらのだれでもいい。俺に挑戦してこい!」という藤田の発言に端を発したこの一戦。変幻自在な藤田のレスリングテクニックを後輩たちに実戦で伝承する意味合いも考えられたし、プロはあくまで添え物になりやすいがむしゃらの興業の中で自分だけが出し抜きたいという藤田らしい野心も感じられた発言ではあった。10年の歴史の中、正式な試合でプロとアマがシングルで闘うことのなかった、がむしゃらのリングで初めて行われるプロ対アマの一戦。その第一号に名乗りを上げたのが鉄生だった。正直普段がむしゃら勢に練習をつけている藤田を肌で知る鉄生としてはチャンスとは思いつつも、怖かったはずである。そこを乗り越えてリングに立った、という事実だけでもまずは拍手ものなことなんである。

とはいうものの変幻自在は藤田はストレートにガンガン行く鉄生をすかすようにリング下でたっぷり間を取って鉄生をいらつかせる。かと思ったら打ち合いに応じてみたり、またヒールの土俵でもリックフレアーばりの逃げをうって、そこから反撃に転じるとか、とにかく鉄生が今まだ開花してないヒールの表現を事細かに「こういうのもあるよ、ああいうのもあるよ」とばかりに仕込んでいく姿が印象的だった。なるほどこういう形でなら無理なくヒールの色んなバリエーションを伝授できる。もっとも自分が目立つことも忘れてないので、そこはしっかり見せるところは見せておいて、何気にさらっとプロとアマの実力差を明確にお客にも知らしめていく。いや、正直な話、キャリアと実績とうまさ、どれをとっても鉄生に勝ち目はなかったし、もともとの鉄生のファイトスタイルがベビーフェイス的試合運びをするので、普段ではなかなか目につかない鉄生の実直さが悪い意味でも試合に反映されているように見えてしまった。実は直線ファイトをしながら頭もフル回転(対陽樹戦は例外)させていくのが鉄生のスタイルのもう一つの特徴でもあるんだけど、それすら藤田に凌駕されてしまうと正直後はやられるのを待つだけという感じになってしまった。かなりネバったことは評価に値するし藤田もほめていたけど、それ以上のものは残念ながら出せなかった。それがこの結果かな?

やはり強いヒールを目指すのであれば、藤田の余裕をかき消す何かをみてみたかったが、そこまではいたらなかった。しかし無骨な鉄生のファイトは藤田の心にも届いていたようで、だみ声の「さようなら!」からのツームストンパイルドライバーで粘る鉄生を沈めた藤田の顔はかなり満足そうだった。

試合後「誰でもいい!チャンスはまだあるぞ!」と引き続きがむしゃらからの挑戦者を募った藤田だったが、ひとつはっきりしたのは、藤田と闘ってある程度の結果が残せたら、短期間で天下取りが可能になるということ。なにより藤田本人がやる気になっているということ自体がレアなことなんで、この期を逸したら二度と天下取りのチャンスはこないものと思ってどんどん名乗りをあげてほしい。藤田ミノルという基準を使って自分のレスラーステータスをあげられるというのは大ばくちかもしれないけど、最も早い出世コースでもある。ぜひ、ほかの選手もこれに続いてほしいと思う。特にタッグベルトを失ったひとたちとかは、真剣に考えてみてもいいのではないだろうか?  

第十試合:
GWA Jrヘビー級選手権試合(45分1本勝負 3WAY)
【挑戦者】TOSSHI vs○【挑戦者】L.O.C.キッド vs●【王者】YASU

最初に結論を書いておくと、この日のベストバウトはこの試合だった。 で、一番観戦記書くのに困り果てた試合。とにかく試合展開が速すぎてカメラすらおいつかない。写真みかえしてみてもどこがどうなっているのかが全くわからない。常識をこえた3WAYというのは正直飯伏がやっているあたりが国内では最高峰かなと思っていたけど、この三人は軽くそのレベルを超えてしまった。もっとも足りない部分があることはあって、それは彼ら3人が飯伏に比べるときわめてまっとうな人間であるところなんだけど、これはむしろ飯伏の方が頭がおかしいのであって、日常で社会生活を営んでいる彼らにそこまで求める気は到底ない。3WAYというゲーム性の高い試合で狂気を感じさせるのはやはり飯伏幸太しかいないのも事実。そのかわりこの3人は常識人としては最高峰のレベルで針をふりきってしまった。正直手が合いすぎるというのはある意味馴れ合いの要素も混じる危険性もあるので、乱発すれば飽きられる。品質が保証されている分、きれいにまとまりすぎるきらいが、特にYASUとTOSSHIの絡みでは多かった。

しかしここにベテランのキッドが加わると実にスリリングになっていく。本格復帰をヒールターンで決め、公私ともに充実した一年にしたキッドはやはり完成したTOSSHIとYASUの阿吽の呼吸でのやりとりをちょっとずつ崩していたのだ。ずっと最後まで動きっぱなしだったTOSSHIとYASUに比べ、キッドは意外とポイントポイントで離脱する。このタイミングがまた絶妙だった。そして、SUPER GAMUSHARA決勝でTOSSHIを苦しめたラダーを使ったハードコア殺法。これはキッドにしかないオリジナリティーだった。

やはりあのラダーはLOCキッドにとっての真の守護神だよな、と思わずにはいられなかった。結局、一度はTOSSHIに割って入られた王座戦。でも考えようによってはTOSSHIとYASUの消耗を狙って効果的な攻撃ができた分、実は勝負の女神は最初からキッドに微笑んでいたような気がしてならない。策士策に溺れたTOSSHI、肩の負傷をかかえながら連戦を強行してきたYASU。2人とも若さゆえに墓穴を掘ったかな。

これもプロレスの奥深さ、なのかもしれない。でも本当見てるときは3人の妙技にしびれっぱなしだった。こんなすごい試合をみせてもらって本当にありがとうとしかいいようながない。プロレスファン冥利につきる試合だった。


第十一試合:
GWAヘビー級選手権試合(無制限1本勝負)
【挑戦者】●林 祥弘 vs○ SMITH【王者】

マンガの神様、故・手塚治虫の名言に以下のようなものがある。「君たち、漫画から漫画の勉強するのはやめなさい。一流の映画をみろ、一流の音楽を聞け、一流の芝居を見ろ、一流の本を読め。そして、それから自分の世界を作れ。」
これを知ったのは子どもの頃だった。漫画家志望だった私にはピンとこないものだった。なぜ漫画家になるのにマンガ以外の勉強をしないといけないのだろう?でもその言葉の正しさは大きくなって、皮肉にも漫画家への道を断念した時にはじめて理解しえた。プロレスでいうなら他世界を好奇心でもって多く知りえることで、自分の財産にして、プロレスに還元できることでより自分の表現の幅が広がるのだ。その事実は前回、私が心理学をもとに観戦記を書いたことが証明していよう。要するに切り口や視点を変えることで、自分の世界を自在に表現することができるのだ。たとえば今回清水愛の試合をアニメもしくはプロレスしか知らない切り口でしか書かなかったら、通り一遍の感想で終わっていただろう。あまりに長くなり過ぎたのでだいぶカットはしたんだけど、彼女の観戦記は、40年以上、アニメとプロレスに関わり続けてきた自分にしか書けないものだという自負はある。それはほかのプロレスファンと違って、好奇心の赴くままに手に入れた他ジャンルからの膨大な知識を背景にして書いたという手ごたえが今の自分にあるからだ。

前置きは長くなったけど、このメインでの勝負のポイントは自分の世界を作っていたかどうかにあると思う。林祥弘は見た目と違い、プロレスに対する思いはとても真摯で情熱的でもある。しかし彼の最大の弱点はプロレスしか見てないところにある。いや、ほかの趣味はもちろん、本業でもプロレスに還元できるものはもっているとおもうんだけど、その還元方法をしらない。対してスミスはどうだろうか?実を言うと彼は林ほどはプロレスには詳しいわけではない。本人は絶対知らないという顔はしないんだけど、彼の強みのひとつは本能で自分の得たスキルをプロレスに還元できることにある。もちろんその特性を持ったうえで最大限の努力も惜しまない。スミスの場合、恐ろしいのはプロレスで得たスキルを全く次元の違うスポーツでも応用が利くという点にある。つまりプロレスの流儀で球技もマラソンもできてしまう。それはスミスにしかない世界観であり、ほかのがむしゃらの選手たちが逆立ちしてもかなわない部分である。

独自の世界観を作り出せない林にはもう一つ作戦ミスがあった。若さに頼りすぎたことである。中盤、エクスプロイダーとファルコンアローの打ち合いになったとき、若さに勝る林はおそらくスミスの放つ必殺技はすべてうけきる覚悟で挑んだのではないかと思う。しかしがまん比べで自分が勝てると踏んだのであれば、それはミスとしかいいようがない。なぜなら年齢では上を行くスミスは打ち合いに入る前に無駄な動きを一切省いて、打ち合いに応じていたのだ。のっけから全力でスミスワールドに飲み込まれまいとする林にはすでに無駄な力が入っていた。だから打ち合いを申し込んでおきながら自分が先に電池切れしてしまった。ここも誤算の一つだっただろう。そして決定的なこと。それは隠し玉を最後までとっておける胆力が林にはなかったということ。悪い意味で正直で愚直な林のファイトスタイルでは仮に隠し玉を用意していてもスミスに見破られ警戒されたであろう。しかし、ファルコンを打ち合って、それ以上がないことを露呈させてしまった以上、隠し玉も存在しないことが対戦相手だけではなくお客さんにもばれていた。それでも林コールがやまなかったのは現状をなんとか若い力で打破してほしいという願いがお客さんの側にもあったからだ。

しかし久保が起こした奇跡を林は起こせなかった。これがすべて。
逆にスミスは今まで見せたことのないダイビングエルボードロップという奥の手を用意していた。これが出せるあたりにチャンピオンの老獪さがみてとれる。試合内容は格段に進化していたが、結局は自分の世界を提示できなかった林が負けるべくして負けてしまった。

試合後、陽樹、鉄生をはじめ新世代の旗手たちが次々と挑戦表明をしてきたが、正直今自分の世界を確立しえている人材は見当たらない。いいところまではいっているんだけど、独自の世界観を試合で提示できる選手はやはりマスクドPTとスミスしかいない。10周年のトリは結局次の10年を若い世代が提示できなかったことで、完敗といっていいかもしれない。

だがしかし!手塚治虫先生はこうもおっしゃっている。「僕の体験から言えることは、
好きなことで、絶対にあきないものをひとつ、続けて欲しいということです。」
林をはじめ若い世代に持っていてほしいのはまさにこの部分である。そのためにはスミスがもってない自分のオリジナルを早く確立すること。もっともそれは並大抵ではない。なぜなら、がむしゃらレスラーズが多くはまっているヲタク的世界にもスミスはしれっと興味を持って触手を伸ばしているからだ。しかし世の中には人の好奇心を満たしてやまないものがたくさんある。いくらスミスが並はずれた好奇心の塊でもすべてを物理的に把握はしきれない。だったらまだ付け入るすきはあるということなんである。さて今後、誰が一番早く自分の世界観を我々に提示してくれるだろうか?楽しみで仕方ない。

6時間の長丁場だったけど、毎回ここまですごいと次どうする気なんだろう?と心配になって来る。後半名勝負が続いたもののやはりかなりのお客さんが中座してしまい、せっかくの熱戦を多くの人に届けられなかったのは痛恨の極みでもあろう。個人的にはそれでも「やりすぎくらいがちょうどいい」がむしゃらの姿勢は好きでたまらない部分ではあるんだけど、やっぱ終電や帰りの飛行機や明日の仕事の心配をお客さんに心配させないようにしていってもほしい。相反することをいうようで自分でも正直複雑ではあるのは重々理解はしたうえでいっていることなんだけど、諸般の事情で席を立たざるを得なかったお客さんの無念な気持ちもわかるだけに、興業のバランスってホントに大切なんだなと思った。

最後に本大会を陰で支えた後援会のみなさん、本当にお疲れ様でした。みなさんのご苦労に少しでも報いたいと思ってこれ書いていたら4日も消耗していました。というのはいいわけでしかありませんが(書いてる途中で新日いっちゃったしね^^;)、本当に心から敬意を表します。よってMVPはがむしゃら後援会に決定!選手はみな頑張ったから誰かひとりをあげるという気には到底なれないし、やっぱここにつきるかな、と思います。以上、長々とお付き合いありがとうございました。





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。