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がむしゃらプロレスイベント試合 『第6回 創造館 小文字祭』観戦記(2014年5月24日(土) 創造館クリエイティブハウス 正面広場特設スペース)

がむしゃらプロレスイベント試合 『第6回 創造館 小文字祭』観戦記(2014年5月24日(土) 創造館クリエイティブハウス 正面広場特設スペース)

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昨年は大雨の中開催された小文字祭。今年は一転晴天でピーカン。それもかなり暑いくらい。到着してみたら、二年連続でなぜか狭いスペース内に駐車できた。私よりちょっと先にSHIGEKICHIさんが停まったのだが、本人は携帯に夢中でこっちには気づいていなかった。でもおかげで関係者面して隣に車とめられたんだけど。会場に入ってみると暑いせいか誰も外にいない。試合がないGWAチャンプ・スミスだけが昼間からビール飲んでいた。今回はセコンドできたらしいけど、最初第一試合のX=スミスかなと思っていたんだが、どうも違うようだ。しばしチャンピオンと話をしていたが、マットが黒いがむしゃらプロレスのリングは雨の時と違う様相を呈しているようだ。熱をもったリングはリアルフライパン状態になるのだ。たぶん気温は25度くらいだったと思うので、体感温度はもっとあったんじゃないだろうか?この時期は年間で一番紫外線がきつい季節でもある。グラウンドで長く闘ったらやけどする可能性だってある。7月の屋外試合なんか、下手しなくても全試合デスマッチ状態になりかねない。見る方もこころえていかないと大変なことになりそうだな。最初の挨拶でSHIGEKICHIアナが暑さのあまりリングにたてず、レスラーばりにロープにのっかって挨拶していたんだが、あれは作りでもなんでもなく本当に暑いんだろうな。だからプロレス教室とかもなく淡々と試合開始。今、素足とかであがっても結構危険だし。やけどされたらかなわないからこれは賢明な判断だろう。

▼小文字バトル① タッグマッチ
(30分1本勝負)
●小倉発祥パンチくん vs タシロショウスケ & ○セクシーロージィ
(2人同時フォール)

最初はパンチくんとロージーがタッグを組んでタシロとXが闘うことになっていたが、何の説明もなくハンディキャップマッチになっていた。選手デビューよりレフェリーデビューしていたタシロにとっては思い出の地でもある。今年は常駐レフェリーのレッドシューズ古賀がいるおかげで進行もスムーズだった。まあパンチくんの実力だと2対1でもいい感じではあるんだが、縦にでかいのと横にでかいのとを相手に、炎天下で闘うんでは、パンチくんとしても大変だったろうなあ。なにもしいてない場外でボディスラムを何回もくらっていたけど、これはやっぱ技量がないとできないこと。そういえば、昨年不可抗力とはいえ、雨で酒瓶割ったのもここだったっけ。さすがに後片付けも大変なことを考えたら、三角コーンを代替武器にしたのは正解だったかもしれない。それと今回リングサイドにはたくさんの子どもさんが応援にきていて、パンチくんにも一生懸命応援してたんだが、パンチくんが近寄るとなぜかおびえて遠ざかっていった。その落差がおかしかった。遠くでみるとかわいいけど、近くでみるとこわいって動物園の動物じゃないんだから^^

孤軍奮闘したパンチくんだったが、やはり縦横に大きい二人相手に勝つのは至難の業。タシロにコーンをかぶせてのシャイニングウィザードから畳み掛けるように自らコーンをかぶってダイブしようとして失敗。最後はロージーにタシロごとのっかられて3カウントをきいてしまった。土曜なんで休めない選手も多い中、でられる人間に限りがあるから仕方ないけど、やっぱ普通のタッグマッチでみたかったかも。

▼小文字バトル② スペシャル6人タッグマッチ
(30分1本勝負)
YASU & ○豪右衛門 & 陽樹 vs L.O.C.キッド & ●ニコラス今中ジョリー& 鉄生

最初はふつうのタッグマッチだったが、キッドとYASUの急きょ参戦が決まって6人タッグになった。注目はヤングマンとクロスオーバーの対決ではなく、何かと因縁がある鉄生と陽樹が久々対戦するという顔合わせに、その鉄生が普段敵対しているヤングマンとコンビネーションが組めるのかどうかもキモだった。果たしてコールと同時にクロスオーバーは一斉に襲い掛かって、陽樹はまっしぐらに鉄生ねらいで一直線。ただ、今回は二人ともプロレスの範疇で意地の張り合いをしていたようにみえた。最初にあいまみえたときより憎しみより、こいつを出し抜きたいという競争心が今回はいい方向に働いたようにみえた。だから、陽樹が鉄生だけ見て試合をしていたわけではなく、逆もまたそうだった。むしろニコラスが豪右衛門の攻撃にキレかかって、我を見失いそうになっていたのは面白かった。そうなってもケンカ腰でわたりあわずに堂々と自分の体を張って試合を挑んだ豪右衛門はやはり並はずれている。最初は「なんともいいようがない」感じだったが、メキメキ頭角を現して気が付いたらクロスオーバーの中心になりそうなところまできている。だから、ローンバトルになる危険性があったにも関わらず、豪右衛門にピンチらしいピンチがこなかったことでもこの急成長ぶりは、ヤングマンにとってもあなどれないところまできていよう。本来なら味方であるはずの鉄生はさすがにこの後輩の成長を喜んでばかりもいられないし、複雑な心境だったろう。

さらに普段組んでないクロスオーバーの鉄生とキッド、二コラスの意思疎通も十分ではなかった。この辺が裏目にでたのか、豪右衛門がニコラスから自力でピンフォール勝ちという結果に。これが快挙にみえないんだから、もう豪右衛門を新人扱いする必要はないだろう。勝ち名乗りも「勝って当たり前」みたいな感じで堂々としていたし。秋のGAM1の台風の目になりそうな予感もしてきた。心配なのはYASUの膝。6人タッグだからよかったけど、シングルだと今のコンディションではベルト奪還はちょっと厳しいかな?もしかしたら、メイン後挑戦をアピールするかな?と読んでいたんだが、それはなかった。
ちなみにキッドは子どもたちには「黒いの!」とか「仮面!」とかよばれていた。

▼小文字バトル③ GWA Jrヘビー級選手権試合
(60分1本勝負)
⑶【挑戦者】○TA-KI vs ●ジェロニモ【王者】

近々だと、2010年4月の小倉北で二人はあいまみえている。その時はTA-KIが勝利し、長年のライバル対決に新しい一ページを刻んだ。当時はベビーとヒールだった2人もTA-KIがヒール転向して再び盟友となったのち、先のスーパーがむしゃら一回戦で対戦し、このときはジェロニモが勝利している。そこから再び立場が変わって、ジェロニモが王者になって、TA-KIが挑戦者になった。TA-KIにしてみればかつて巻いていた九州ダイナマイト級を返上してでも欲しかったベルトに、手が届くところまできたことも感慨深いものがあっただろうけど、それ以上にこの顔合わせが第二試合ではなく、イベント試合とはいえ、メインでしかもタイトルマッチという形まで昇華したことに関しては、思うところが多かったに違いあるまい。だが、感傷的な気分に浸っている暇はない。ましてやジェロニモは自分からTA-KIを指名して王座戦に挑んだのだ。現実として勝ってなんぼ。そういう意味では王者になってなお、ジェロニモは勝利に飢えていたようにみえた。

しかし誤算があったとしたら、守護神のTA-KIが敵にまわっていたことと、前日飲み過ぎていたことがあるのかもしれない。あとボックスも使う暇がなかったのも。かつてジェロニモには酒に呑まれてベルトを失った前科(巌流島でタッグ王座を失った前日も結構飲んでいた^^)があるだけに、23日小倉であったドラゲー観戦のあと、盛り上がりすぎてなければいいなと思ったんだが…あいにくペイントをしている現在は顔色で判断することはできない。ただ、序盤の2人が繰り広げるグラウンドの攻防は、ともすればルチャ色になりがちなジュニアの試合の中では異色ではある。でも、もともとジュニアは飛んだり跳ねたりだけのスタイルではない。ミレ・ツルノや、ピート・ロバーツのようなヨーロピアンスタイルの選手が要所要所をしめたきたことは、歴史が証明している。YASU対TOSSHIのような運動性能限界に挑むような攻防や、鉄生対陽樹のような意地の張り合いとは異なった、この2人だけにしかできないスタイルで試合をしていけばいいのだから、この姿勢はもっと貫いていってほしい。そう思っていたんだが、マットが思った以上に暑いせいか?なんとなく二人のリズムがちょっとくるっている感じがした。赤煉瓦でみたときより勝負を急いだような感じが二人にみてとれた。前回が本当にいい試合だったから、途中で「?」と思ったのは事実。

そこが残念だったといえば、残念だった。奥の手である胴締めローリングクレイドルから小文字バスターにつなぐ流れを、王者が急いで仕掛けてきたところは、正直もったいなかった。対するTA-KIが二回目のスタナーを繰り出してなお、奥の手を隠していたのとは対照的である。前半受けに回っていたTA-KIは攻め急がずに自分の必殺技であるファルコンアローを最後まで隠しもっていた。この辺、ジェロニモも普段なら我慢してジェロバスターにもってこられたところだったんだろうけど、やはり前日の酒にのまれたのか?かえせると思って受けたらかえせなかったのか?どっちにしろ相手の必殺技を受けて3カウントをきいてしまったのはいい訳できまい。最終的にはピープルズチャンピオンだけど、常勝チャンピオンではないジェロニモの悲劇がまた繰り返された結果になった。この結果を喜んでいいのかどうなのか、当惑ぎみのTA-KIは「これで終わりじゃないぞ!」と盟友の奮起を促し、返す刀で挑戦を表明したキッドにも「お前に相応しい場所を用意して受けてやる!ば~か!」と挑戦を受諾。だが、この図は結局ユニットの違いはあれど、人材が豊富なヒールジュニア間で覇権争いをしているにすぎないし、この状況にもう少しクロスオーバーのジュニア勢も危機感を感じて欲しいのだが、休めない時にタイトル戦組まれても・・・というのもあっただろうから、あまり責めはしない。だが、この流れをかえないといくらクロスオーバーで勝利を重ねてもヘビーもジュニアも、ベルトはヤングマンの中で持ち回り状態になりかねない。今回、豪右衛門の成長という新しい流れはみえたからといって、それでよしとはしたくないんだよねえ。

今回屋外試合の天敵が雨だけではないことがわかったのは収穫かもしれない。公式発表されている次回イベント試合は夏の真っただ中に屋外でやることになっているんだが、果たして酷暑になるのか?梅雨の終わりにひっかかるのか?いずれにせよ厳しい気候も敵にまわさないといけない時期ではある。みなさんコンディションだけはしっかり整えてけがのないようにしてもらいたい。
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[ 2014/05/24 16:43 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

プロレスショップ博多 赤の魂 オープン二周年記念興行~destiny~観戦記(14・5・12 月 さざんぴあ博多)

プロレスショップ博多 赤の魂 オープン二周年記念興行~destiny~観戦記(14・5・12 月 さざんぴあ博多)

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私はまだ行ったことがない「赤の魂」。噂ではあーんなことやこーんなことも聞いてはいるけど、直接大会と関係ないことを書いてもしょうがないのでここで触れない。ひととおり九州の各団体から選手は借りてはきてるけれど、エース級は誰もきていない。で、借りているリングが北九州のがむしゃら。福岡だと九州プロレスも華☆激も、団体ではないが糸島のレアルルチャもリングもっているのに、なぜはるばる遠くの北九州の、それもプロ団体でないところからリングレンタルしたんだろう?谷口がいる北九Zだってしょぼいけど(爆)自前のリングはもっているというのに。ぶっちゃけリングレンタルすればプロ団体にはそれなりの収入があって、プラス試合が組んでもらえればギャラだって出るのだ。それを各団体が蹴ったということは、この大会に参加してもうま味がないって判断されたんだなと邪推されても仕方あるまい。大日とJWPは前日博多大会をやった居残り組だし、どこが売りなのかがさっぱりわからない。そもそもブラックジャスティス自体知ってる人間はマニアに限定されてしまう。そのことを計算にいれてないあたりが、なんだかなあと思わせる要因にはなっていたと思う。ポスターみても胸躍るものが感じられないっていうのは致命的な感じがする。確かに相島は地元に熱狂的人脈をもってはいるんだけど、そこだけ相手していても先細りは目に見えているし。とにかく一般客がいないというのが第一印象だった。だってロビーにいた人間の8割はいつも会場のどこかには必ずいる顔ぶれだったし。

第一試合:オープニングバウト
ハードヒットルール  △佐々木恭介(10分時間切れ)△谷口勇武 (ロスポイントも2-2)

結果は引き分けだが、内容は谷口の完敗。原因ははっきりしていて、投げにこだわる谷口がキックよりそっちに主眼をおいた闘いをしたため。しかし佐々木より軽量の谷口は全般的に技が軽い。この試合はUスタイルルールなんでロストポイントもあって、3カウントはない。投げでダウン奪う闘いなら故・ゲーリーオブライト級の破壊力がないとだめなんだが、もちろん谷口にそんなものがあるわけがない。いっちゃなんだが、北部九州エリア(たまに離島や山村など)と北海道でしか試合をしてない谷口と全国レベルの佐々木では実力から格から何もかも違っていた。
驚いたことに谷口は、Uスタイルのチャンピオンである佐々木に自らUスタイルルールを申し込んだというんだから、どんだけ自分をわかってないんだよ!って話。相手の土俵で勝負してやる的なことを、仮にもその道のチャンピオンにやったらどういうことになるのかわかりそうなもんなんだけど。試合後のマイクで佐々木が「今日はお前を応援する人も多いから付き合っただけ」というのは本当だろう。その証拠に谷口は佐々木の蹴りを受け過ぎて始終足を引きずっていたけど、一方の佐々木は無傷で生還。これではだれがどう見ても無策無謀だったとしかいいようがない。一回ハードヒット(しかも第0試合)によばれたくらいで天狗になったということは、今までの谷口なら十分考えられるんだけど、この結末がそうでないことを心から祈りたい。プロレスの範疇の試合だったからこういう結果になったけど、格闘技ならTKOで秒殺に終わっていてもおかしくなかった。この無謀な挑戦が裏目にでてホームの北九Zの大会に穴をあける結果になったんだから本末転倒もいいところ。大量に売れ残った北九ZTシャツ(しかも赤しかない)を抱えて控室に戻る谷口の姿はあわれさすら漂っていた。これじゃ誰も再戦は望まないだろうなあ。谷口以外は。需要のない試合をやりたいというだけでやるんじゃただの自己満足だし。久々に谷口のボロがでまくった試合だった。でも谷口はこれだけコテンパンにやられてもまだ気が付かないんだろうなあ。何もかも残念すぎる。

一方で佐々木は強さを誇示しつつ谷口の技もちゃんと受けた上で叩き潰していた。Uスタイルはいうまでもなく強さに特化して表現するプロレスの範疇にあるもので、それを熟知した闘い方をしていたと思う。真っ向勝負でいけば新泉あたりとは好勝負になりそうな気がした。

第二試合:JWP女子プロレス3WAYマッチ  ○中島安里紗(9分19秒 片エビ固め ※ダイビング・フットスタンプ。)×ライディーン鋼対コマンドボリショイwithヴァンヴェール・ジャック

ジャック単独出場というのがこのカードのミソ。正直JWPはどうでもよかった。だいたい試合はじめる前にボリショイが中島に耳打ちにいくなよ!これから闘う相手にひそひそ話しにいくというのはいくらなんでもお客の前でやることじゃないだろう。それがネタならまだいんだけど、そうではないんだから・・・だいたいJWPって一年に一回しか来ないのに全然楽しみではないし、というか最初から観戦予定に入ってないことが多い。その理由がこういうところにも表れているのだ。だいたい第一試合でもそうだが、誰が勝つか最初からわかってる試合ほど面白くないものはない。ある程度の決め事はどんな競技にもあることはあるんだけど、この3WAYでまずジャックがとられることはないし、先輩を過剰にたてる後輩が相手でボリショイが負け役になることはほぼない。さらにJWPなんでチャンプの中島が負けるフラグもない。となると地元(福岡県嘉麻市出身)での試合なのに鋼に敗北フラグがたっていることは明白。それを事前に中島にリング上で打ち合わせしたというのは何をかいわんや。いまさら八百長がどうとかこうとかいうつもりも毛頭ないけど、興味をそぐことに関してはホントJWPは天才的だなと思った。前日のスターレーン大会ももちろんいってないんだけど、いかなくて正解だったと心から思えた。で、覚えてるシーンはやはり小3ルチャドールのジャックの大活躍ぶりだけ。各方面のプロも絶賛する素材だけに他団体でも後輩は徹底的にむげに扱うボリショイが、父兄みたいに付き添っていたのは笑ったけど、笑えないのはリングの大きさが異なったせいか、鋼のボディプレスをボリショイが受け損ねてけがしてしまったこと。いや、もともと勝敗にからむ気は0だったんだろうけど、それにしても老いたな、ボリショイ。見た目は年齢のわからないマスクウーマンであるけれど、あの手の技を瞬時に受け止めきれないあたりに限界がみえた気がした。やっぱ30過ぎても若手は若手でしかないという扱いをして、一向にチャンスを与えないで、ベテランがのさばっている団体にははっきりいって未来は感じられない。そのことを小3に浮き彫りにされたっていうのはもう皮肉を通り越してブラックジョークに等しい。九州の各団体も大概高齢化してるけどねえ。しかも中島も鋼も試合後、お客そっちのけでボリショイの看病にいっちゃうし。どんだけ先輩大事なんだよってことで興ざめした一戦だった。試合クオリティは高いのに満足度が極端に低いという意味では、安定のJWPが確認できたというのが収穫だったかな。

第三試合:阿蘇山、○男色ディーノ(10分50秒 漢固め)藤田ミノル、×高橋匡哉
※阿蘇山の男色ドライバーから

この大会でのベストバウトにして最高の拾い物。関係者もファンも男色先生には足むけてはねられないだろう。それくらいの功労をディーノはしてのけたのだ。そもそも男色先生と組んだ時点で、パートナーが皆「男色」扱いになるのはいつものこと。しかしこの日のディーノは試合前、執拗に阿蘇山に「カミングアウト」を要求。これを生真面目な阿蘇山はかたくなに拒否。これを受けて藤田ミノルが「この人は真面目なんだよ、怒らせると怖いんだよ」と男色先生に公開説教するが、途中からまだカミングアウトもしてないのにディーノは阿蘇山を勝手に「兄さん」と呼び始めた。これには困惑する阿蘇山だったが、連携ミスでキス誤爆を受けた阿蘇山はたまらずエプロンサイドに引き上げる。2対1で孤立無援になったディーノを高橋と藤田が攻めまくる。必死に耐えながら「兄さん」を連呼するディーノは何度もやばい場面を自力でキックアウトして、なんとか阿蘇山が戻ってくるのを信じて待っていたら…なんと阿蘇山がカットプレイ。しかもよく見たら男色タイツに着替えているではないか!衝撃の兄弟コンビ「チーム男色阿蘇山」の登場に場内大歓声!これに感動したディーノは「兄さん」と抱きつき、絆を確かめ合う。なんと美しい?兄弟男色愛!ここからはもうふっきれた阿蘇山が自ら男色殺法を駆使して一方的におしまくり。藤田もまさか自分の言葉が前ふりになるとは大誤算。しまいにはマグマドライバーならぬ男色ドライバーで高橋を葬り去ってしまった阿蘇山に弟ディーノが抱き着いて祝福というカオスなシーンで試合は幕を閉じた。いや、まさか阿蘇山が躍動する巨大カルデラ男色に変貌するとは!想像もつかなかった。これは頭がやわらかく、適応能力の高い阿蘇山がいてこそ成立したと思う。またその特性を熟知したディーノと藤田のファインプレイが引き立てた名試合。本当男色ワールドにそまった一戦だった。チーム男色阿蘇山、またみたいタッグチームである。ぜひとも復活を期待したい!しかし本当にクレバーで強力なチームだと思う。本当この中にあって傑出した試合だった。これがメインでもよかったかな?

第四試合:林田伸一デビュー21周年記念試合  TAKAみちのく、×林田伸一(17分33秒 グラウンド式卍固め)○石川晋也、田中純二

この21周年という数字がなんとも中途半端感を漂わせているが、そもそも九州の団体は自分のことにしか興味のない選手が多いのでフリーの林田が昨年デビュー20周年だったなんて事実に誰かが興味をもってるとは到底思えない。そういう状態だから記念試合とかも組まれない。また、フリーにも関わらず本人もアピール下手なところがあって、公表しないもんだからこういうことになる。たぶんだが、最後に試合してから一年以上オファーがきてないんではないだろうか?久々の復帰戦でしかも記念試合であるにも関わらず、ほとんど縁もゆかりもない(唯一田中純二だけが九プロでタッグを組んでいる)選手の中にぽーんと混ぜられて、正直意味あるのかなと思った。もともとデビューが30歳近くと遅かったこともあるし、高齢化する一方の九州のプロレスシーンでは、阿蘇山ほど頭が柔軟でないといくらプロレスの達人(林田はマレンコ道場出身)とはいえ、50の林田にお声がかかることはまずないんではないだろうか?確かに50にしては強いし、動ける選手ではあるんだが、花がない。柔軟さがない。これはフリー選手としては大きなマイナスポイントだろう。フリーではないが、多団体をまたにかけて動いているTAKAの方がまだいくぶんアグレッシブである。しかしそのTAKAもそんなにいうほど若くない。というかこのメンバー全員若さがない。ここに混ぜられた石川も気の毒といえば気の毒。彼も関本や岡林がいて輝くタイプなんで、自分から光を放つにはまだ経験が足りてない気がする。確かに素材は逸品なんだけど、あと一歩を掴むにはまだいろんなものがたりてない。だからお客サイドからいうと誰を中心にみていいのかがわからない。林田を主役にする気もなく、かといって自分では輝かないというんでは、いくら試合内容が良くてもプロとしてはどうなのかな?とにかく基本はいいからこのレベルの選手たちにはその応用編をみせてもらいたかった。しかも最後は林田が石川に敗北するというおまけまでつけてしまった。なんか林田に引導わたすつもりでこのカード組んだのか?と思ってしまったんだけど。よほど林田が思い切った変身でもしない限り先はみえたかなという気もする。勝った側も負けた側もお客も誰も得しないというのはかなりレアケースではあるんだけど、記念試合が思い切り意味をなくすとこうなるんだなあという見本みたいな試合だった。

第五試合:BJ復活!スペシャルメインイベント  ○相島勇人、ディアブロ、黒影(14分17秒 片エビ固め)新泉浩司、アズールドラゴン、×久保希望
※垂直落下式ブレンバスター

過去にベクトルがむいているという意味ではこの大会のメインである、「BJ復活」も思い切りノスタルジーなにおいがするんだが、林田のケースと違うのは彼らがまだバリバリでやれているということにつきよう。正直九州では敵がいないんで九州以外の活きのいい若手を呼んできて潰すというスタンスで、新団体でもつくってほしいところなんだが、なぜか手の合う九州の若手しかつぶさないところがイマイチ、ブラックジャスティスに何かを託してみたいという気にさせてくれない原因のような気がする。今回も人様に大会運営をまかせて試合するだけというスタンスだったし。とはいっても久保や新泉に花をもたせたら「復活」を大々的に謳った本大会の趣旨にも反するし、ここまでひじに爆弾をかかえながらコンディション調整してきた相島も、今からもう一花咲かす気は満々だったと思う。気の毒なのはそのダシにされた久保や新泉で彼らがやっぱBJを倒せるところまでいかないと未来もみえてこない。でもさっきもいった通り、楽な若手つぶしをやめて、九州以外の他団体から活きのいい選手を呼んで闘った方が「BJ復活」の意味はあったと思う。受けのうまい久保を叩き潰して復活ののろしをあげるという一番安直な選択をBJがしたことで、せっかくの熱戦に大きく水をさしたんじゃないかなあ。気になった相島のひじはかなり回復していたみたいで剛腕ラリアットも全く威力がおちてなかったし、ディアブロも黒影もよかったんだけど、やっぱ地味に高年齢なBJが勝っても未来図はみえてこないんだよなあ。業界再大手の新日ですら若いスターを作り出そうとしている昨今、その倍は年いってる選手がいまだメインを張り続けている矛盾。ジャックみたいな有望な才能をかかえつつ、一方では自己主張ばかりを繰り返し、若手にチャンスをあたえないベテランがさばる九州のプロレスシーンは、まるで男版JWPではないか?とふと思ってしまった。女子プロ並みにややこしくて、関東の団体からも微妙に敬遠されている複雑な人間関係を清算しないと九州のプロレスに未来はない気がする。

とはいっても全試合満足度でいうとかなり高いものがあった。試合内容では文句のつけようがないので違う視点で文句をいってるんだけど、実はこれが九州のプロレス団体にとっては、自分で解決していかなければならない問題なのだ。赤の魂まかせでおいしいところだけもっていく気であるなら、今後行き詰まるのは確実だろう。やっぱ本当ちゃんと若手を育てようよ。それも早急にかなり本気で取り組んでほしい。この大会の二回目がみたいか?といわれれば見たい反面、新世界がみえなければ行くのをためらうとは思う。やはりマニアによるマニアのためのプロレスはともすると自己満足な結末になってしまいやすいということを、今回この大会が身をもって証明してしまったともいえるかもしれない。これじゃ一見さんが入っても満足はしないと思う。

試合後、いろんな選手が顔を出してファンサービスしていたのはいいことだった。久保や谷口ががむしゃら勢とともにリング撤収をしていたらなんと男色ディーノがあらわれてリングの片づけを手伝っていた。このあたりがあれだけのスター選手でありながら、あれだけの無法を働きながら絶大な人気を得ている秘訣なんだなあと感心した。ただの男色ではないというところにディーノの偉大さをみた気がした。ディーノがいなかったらこの大会どうなっていたかな?・・・・想像したくない・・・(苦笑)

今回協賛もしていたブシロードの木谷会長は「すべてのジャンルはマニアが潰す」と発言し、物議を醸しだしたことがある。だが、実をいうと男色ディーノもこれには同意している(詳しくはhttp://www.4gamer.net/games/040/G004083/20140514050/参照)。簡単にいうとお金をおとしてくれるマニアは大事なお客だけど、それだけを相手にしていたら現状維持でしかないということ。これは木谷さん自身がマニアであり(プロレスマニアであることは以前から公言している)、同時にアニメコンテンツの多くに大概何か関わっているブシロードの代表としてのビジネス目線で現状を常に冷静に見ていることの証でもある。要は現状維持ではマニアの思い出つくりにしかならないわけで、これをどう広げていくかという展望がみえないとやはりお金をどぶに捨てるようなものだともいえるのだ。さて赤の魂興業、見た感じでは現状維持どころか、低空飛行にもなりかねない内容ではあったが、希望がないわけではない。この教訓を生かすも殺すも運営側の姿勢次第だろう。さて、二回目は実現しますかどうか…???

とにっかく一見さんが興味持って入ってこられるような雰囲気作りとカード編成。これが次回以降の課題だと思う。

小倉けいりん がむしゃらプロレス杯[F1]記念・GAMSHARA WRESTLE KINGDOM ~辿り着いた俺達の夢~ 観戦記(2014年5月6日(火・祝)北九州メディアドーム アリーナ)

小倉けいりん がむしゃらプロレス杯[F1]記念・GAMSHARA WRESTLE KINGDOM ~辿り着いた俺達の夢~ 観戦記(2014年5月6日(火・祝)北九州メディアドーム アリーナ)

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そもそも専用の道場ができる前は練習場所の確保も大変だった。その中でおそらく一番多く使用されたであろうと思われるのが、メディアドーム前。がむしゃらプロレス10年余の歴史のほとんどはここで作られたといっていい。「いつか俺たちもあの中で試合がしたい」と夢を語りながら、薄いマットを敷いてその上で練習をしていた。その集大成ともいえる
大会がついに実現した。ただのイベント試合とはここがちがう。しかも競輪のレースは「がむしゃらプロレス杯」としておこなわれている。とはいっても今回の主役は競輪なんで、試合やイベントはレースの幕間に行われ、レース開始前には終わらせないといけない決まりがあった。ここががむしゃらプロレスとしては未体験ゾーンなんで実際どうやったら競輪目当てでないお客さんも、またプロレスをみたことのない層にアピールできるかが最大のテーマになっていた。中に入ってしまえば、夢は過去のこと。待っているのは現実にある時間や製薬とのとの闘いだった。ちなみに当日のタイムスケジュールを参考までに(がむしゃら公式ファンサイトより転用)。

13:30~14:30 ふれあいプロレス教室&チャリティチョップ
14:30~15:00 アニソンLIVE(ぴのこ&内野孝太)
15:00~15:15 オープニングトーク
1R 15:20~ ▼がむしゃらプロレス(第1試合)
      ※小倉発祥パンチくん&セクシーロージィvsタシロショウスケ&ニコラス今中ジョリー
2R 15:44~ アニソン(Sakura)
3R 16:08~ ▼がむしゃらプロレス(第2試合)
      ※TOSSHI&鉄生&陽樹vsTA-KI&ブルート健介&SMITH
4R 16:32~ ふれあいプロレス教室&チャリティチョップ
5R 16:57~ ふれあいプロレス教室&チャリティチョップ
6R 17:22~ アニソン(安里ミム)
7R 17:50~ ▼がむしゃらプロレス(第3試合)
      ※新泉浩司&がばいじぃちゃんvs久保希望&くいしんぼう仮面
8R 18:19~ ▼がむしゃらプロレス(第4試合)GWA Jrヘビー級選手権試合 【挑戦者】ジェロニモvsL.O.C.キッド【王者】
9R 18:52~ ふれあいプロレス教室&チャリティチョップ
10R 19:25~ ふれあいプロレスラ教室&チャリティチョップ
11R 20:00~20:30

となっていた。

これをみると分かる通り、イベントや試合との間が時間が極端にあいていたりして、また競輪側のレース展開によっては進行も変わる予定になっていた(実際はリングトラブルや音響トラブルで時間の変更を余儀なくされた)ので、運営サイドもスケジュール全体が把握しにくかったのがわかる。

でお客側としては予想外だったのが、メディアドーム内にいろいろイベントがあってその中の一環としてプロレスがあってという図を想像していたのでいざ入ってみたら、アリーナにポツンとリングがあってその周囲を椅子で囲む形になっていた。さらに音響は自前。メディアドームのものはレースの邪魔になるためつかえない。そして、パタパタハンドも使えないというやっぱ応援する側にも手足を縛られた感があって、いつものがむしゃらを純粋に楽しむという感じにはなれなかった。今後は、今回やってみて改善すべき点、メディアドーム側と話しあいを重ねる点はたくさんあったはずなんで、よりよいものにはなっていくだろう。しかし一番の難点はこの長時間メディアドームに拘束されることで、これがお客の集中力も切らした一因になったことは否めない。

そういう難しい局面の中で試合をしたのは大変だったとは思うけれど、これもまたいい経験に放ったと思う。イベントプロレスの難しい所でもある。

第一試合:疲れん程度一本勝負:
小倉発祥パンチくん&○セクシーロージィvs●タシロショウスケ&ニコラス今中ジョリー
(パンチくん含め3人同時フォール)

この試合は正味3分しかなかった。書くことがあるとすれば、「疲れん程度一本勝負」が史上初の「タイトル通り」に終わったということだけ。本当ならパンチくんとロージーの自由さに翻弄される中で、なんとかニコラスとタシロが抗うところが見せ場になるはずが、制限時間が迫るとどうしても気になるのか?試合を短時間でまとめようとしてほぼ無理矢理そうなったという感じ。だらだらやればいいというものでもないけど、短い時間内でも表現のしようはあると思うので、最後のフィニッシュ以外は評価の対象外としておこう。書くことないし。

第二試合:世代対抗戦:TOSSHI&鉄生&○陽樹vs●TA-KI&ブルート健介&SMITH

この試合も制限が無かったらみたい顔合わせが多かったし見どころも多かった。ここ最近スミスの牙城に迫るTOSSHIは執拗にスミス狙いできていたし、初対決となる陽樹も意識しまくり、となれば鉄生も黙っていない。ところがヤングマン側は久々当場のブル健が大活躍して結果的にスミスを隠してしまった。また上手にいなすスミスは比較的省エネファイトで手数をみせないまま(でもエクスプロイダーは出していたので調子が悪かったわけではない)、おそらく自分のタイトル挑戦者としては次の一番手になる陽樹とはニアミス程度の絡み。まっすぐな陽樹にしてみれば勝ったのに不満な点が多々あったろうけど、相手を気持ちよく勝たせないというのもヤングマンのイヤラシイところではあった。で、試合こそクロスオーバーが勝ったものの、試合後陽樹と鉄生はあわや仲間割れ寸前になっているし、そこをなんとかTOSSHIがとりもって一難をのがれたが、時限爆弾をかかえたまま不安要素ばかりが大きくなってしまった。世代交代を成し遂げる前に個人闘争に目がいってしまうと足元救われそうなんだけどなあ。

第三試合:新泉浩司&○がばいじぃちゃんvs久保希望&●くいしんぼう仮面

この試合も新泉対久保、くいしんぼう対じいちゃんだったら見応えがあったに違いないんだが、スケジュールの都合でこれが混ぜられてしまった。ややもったいない感じはしたんでぜひ別な機会で再戦をしてもらいたい。それにしても所属の九プロがイオンモールで試合をしてるのにわざわざこっちに出て、しかもライバル団体の華☆激一番のこわもて、新泉と組んでしまうんだからこれも事件といえば事件。でも不思議とぎすぎすしないというのはじいちゃんの長年生きてきた?人徳なんだろう。それでもただですら時間がない状況で新泉が台車でじいちゃんを運んでくる、その入場シーンの長いこと。くいしんぼうですら
多少時間を短縮したバージョンだったのに、あくまでじいちゃんはマイペース。久保にとって損だったのは、老人虐待を先にくいしんぼうにやられてしまったこと。大阪ではちょいちょい顔を出す「キラーくいしんぼう」というレアなものが見られたのでお得ではあったんだけど、久保は腹いせにあまり絡めなかった新泉をちょいちょい挑発しては憂さを晴らしていた。ちょっと気の毒だったかな?

第四試合:GWA Jrヘビー級選手権試合 ○【挑戦者】ジェロニモvs●L.O.C.キッド【王者】(新王者ジェロニモ誕生)

で、第三試合でリングに不具合が発生し、調整後、レースが終わるのをまたないといけない形になって一時間後に行われた第四試合でメイン。YASUがもつ、「いつでもどこでも挑戦権」は本人がこの大会では使わないことを明言しているので、今旬な選手をということで同門(ヤングマン)対決ながら、4月にYASUと決勝を争い、名勝負を繰りひろげた ジェロニモが挑戦できることになった。だが、もともとはキッドともどもヒール同士、荒れた試合になるだろうなという予想はできていた。あとはそこで如何にしてタイトルへの執念をみせるかどうかになってくる。たとえ、イベント試合というがされどタイトルマッチ。大チャンスをものにしたジェロニモは髪の毛を「メディアドームカット」にしてこの場に挑んできた。もちろん髪型だけではない。今のジェロニモにはチャンスに対する執念とベルトへの飢餓があり、それを後押しする声援がある。プロレスやボクシングでいう「世界チャンピオン」と「ピープルズ・チャンピオン」を比較してみると、「ピープルズ・チャンピオン」にとっては不可欠だが、「チャンピオン」にとっては不可欠でない要素=「人気」が今のジェロニモにはある。それも急激に勢いのついた人気である。極論すると、人気がなくても「チャンピオン」になることはできるのだ。実際人気のないプロのチャンプはいっぱいいた。しかし、人気がなければ、「ピープルズ・チャンピオン」になることはできないのである。たとえどれだけ本人が望もうと、お客が望まない限りそれは手にできないものなのだ。プロスポーツにおいて、「ピープルズ・チャンピオン」の称号は選手の人生を大きく左右するとさえいわれている。プロレスでいうと「ロック様」ことザ・ロックの代名詞にはなっているが、お客が認めたチャンプということでいえば、かつての棚橋や今の中邑、オカダあたりもそうだろう。

そしてがむしゃらのピープルズチャンプに今、一番近い男がジェロニモであった。対するキッドもかつてはピープルズチャンピオンだった。しかし新しい自分に生まれ変わるため自らその称号を捨て去って、新しい自分を作り直して王座を獲得した。どっちもヒールでどっちも守護神(キッドはラダー、ジェロニモはボックス)を持つ者同士なんだけど、そのあり方は対照的なのだ。だから先攻はキッドが口火をきった。ラダーで相手をコーナーに固定してのドロップキック。これで昨年のジュニアトーナメントを制し、新しいキッドここにありを印象付けた。これは今でもキッドにとっては欠かせない技である。しかし誤算だったのは、同じユニットにいながらセコンドにヒール経験が少なく、かつ対応もできないニコラスがいたことだった。あれがマスクドPTならもともと同門だし、同じヒール同士の阿吽の呼吸で試合がリードできたかもしれない。対してジェロニモには敵にすれば最恐の、しかし盟友になれば最強の男、TA-KIがついてきていた。TA-KIの存在はこの試合を大きく左右したに違いないし、実際そうなった。声援とボックスとTA-KIの存在、3つの守護神がいたジェロニモと、ラダーしかなかったキッド。ここで差がついたのはなんとも残念ではあった。

だが、今回メディアドームバスターにしろ、胴締め式ローリングクレイドルにしろ、ひとつひとつの技の精度がトーナメントの時以上に格段に精密になっていたのも大きな勝因だったし、長い付き合いのキッドであるからこそ、手の内も読んでいたように思う。そして最大の差は「勝てば許される、負けたら何も残らない」という気持ちの問題。試合後、キッドが「こんな勝ち方でいいのか」といったが、10年かかってあこがれのメディアドームにたどり着いた時点をゴールにしてしまったキッドと、その先を現実として「勝てばいいんだよ」という形で見据えていたジェロニモの差。これが一番でかかった。

正直大会としては課題も多すぎた(時間配分という点ではもっと詰めが必要かなと思う。メディアドーム側もプロレスに対する配慮がほしい。が、これは両者が話し合えば解決することなんでここではこれ以上問わない。)し、本戦が終わってすぐというこの短期間のなかで選手も調整も厳しかったとは思う。リングコンディションも決してよくはなかった。でもこのジェロニモの勝利はそれらのマイナス要素をすべてふっとばしておつりがくるくらいの感動を我々にあたえてくれた。北九州のピープルズチャンピオン、ジェロニモ!戴冠おめでとう!現実を常にみている彼ならば、次のタイトルマッチもすでに眼中にいれているだろうし、今後の対戦相手もなめてかからない方がいいだろう。そこにいるのはいつも、普段接しているジェロニモではないからだ。

2014.5.5九州プロレスチャチャタウン大会観戦記(14.5.5 月 チャチャタウンイベント広場)

2014.5.5九州プロレスチャチャタウン大会観戦記(14.5.5 月 チャチャタウンイベント広場)

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13時の部(13:00~)

子どもの日ということもあってかこの日のチャチャタウンはやたら人が多かった。観覧車も無料で乗れるし、映画館は長蛇の列。なぜかマックまで列ができていて、その関係でイベントスペースはフルハウス状態。このあとばってんがでてくるんだけど、帰らないといなと思いつつ、あいた席に座って観戦を始めた。

ちびっこプロレス教室も盛況で、先生はめんたいとキングギラン。今回親子でできるトレーニングを考えてきたというが、いきなり子どもを肩車してのスクワットというちょっとハードすぎなメニューをふってくるめんたい。あちこちでやってて普通のメニューじゃあきたんだろうけど、最後に補助つきで子どもにロープ渡りさせたときは見ててはらはらした。が、さすがそこは子ども。すごい純応力で難なくこなしていたのがすげえなと思った。

第一試合:●ばってんぶらぶら 対 ○阿蘇山

昨年の初登場時は風邪で見に行けなかったんだが、悪天候も重なってばってんの試合にはかなりの人がかえってしまったらしい。今回は意外にもばってんが大歓声でむかえられた。
しかし調子に乗ったばってんはなかなかリングインしない。おまけにリング上でのマイクも長い。いい加減一部の常連がいらついてきたところでやっと試合開始。だいたい九州の有名人を自称しているが、東京時代にテレビでたのは三回だけだし、九州のテレビも後輩芸人のつてで出てることをみんな知っているので、誰も本気にはしない。だがこの日のばってんは相手が何をしても幅広く受け止める阿蘇山が相手だったこともあっ、芸人モードよりレスラーモードで試合に挑んできた。実はアマ時代桂三四郎としてならしたころがは色んな技を使いこなす選手だったんで、それがそもそもお笑いをやろうという時点で無理があったんだが、熱い試合も実はできるんだけど、肝心のお笑いは寒いままというばってんが出来上がったんだから、まあこれは仕方ないか。本人が桂三四郎を捨てた時点で別人になったとしか考えられない。しかし体は正直なものでついついまともなプロレスやっていたころの血が騒ぐのか、阿蘇山の厳しい攻めをキックアウトしていく姿は必死そのもの。まあ阿蘇山が手加減知らずなのは誰でもしってることだけど、その厳しい攻めを受けるだけの素養をばってが持ってないと試合自体なりたたないし。

でもチャチャタウンエルボーは本当余計だった。なんか出さずにおわるのかと思ったんで出さないなら出さないで文句いってたかもしれないけど^^チャチャ、チャチャ、チャチャエルボーというアイダホ、ミネソタ、ミシシッピよりひねりのない酷い内容なのに、この日のお客はどどこまでも暖かかった。それが救いかな?マグマドライバーからマグマスプラッシュというフルコースで豪快に沈んだばってんを豪快に踏んづけて勝利宣言する阿蘇山に大歓声。でも締めはフラフラなばってんに放り投げた。九州ば元気にするバイ!をなんとかばってんが決めて一部は終了。

第二部(16:00~)

駐車場で観戦記書いて、時間が来たので急いで下に降りた。実はチャチャの駐車券は買い物すると三時間無料。でいったん外に出て再度入場しないと次の第二部で三時間過ぎてしまう。CDレンタルしておくと返却時に駐車券ただにしてくれるので、CDもレンタルしたうえで用意周到に第二部開始を待った。

今回のプロレス教室の先生はばってん。なぜか博多ぶらぶら+ばってん「多摩川」のテーマで入ってきた。あれ?今日はぶらぶらじゃないのか?わざわざテーマ曲かえる必要あったのか?ばってんの司会っぷりはさすが営業で鍛えられていたせいか?妙に場慣れしすぎていて新鮮味のかけらもなかった。なんか小学生をいじって素人に突っ込みたがっていたけど、あんたそもそもボケなんだから、普通にしてればいいのにと思ってしまった^^
でもやっぱ基礎はしっかりしてるので、そこだけは真面目にやっていた。やっぱこういう場で玄海とかがでて教えてもあまり盛り上がらないので、人選は悪くないとおもう。でも自分が出る深夜番組の告知は余計だった。

第二試合:玄海・●田中純二 対 ○めんたい☆キッド・キングギラン

ご当地なのになかなかでてこないギラン兄弟。今回はその中からキングが参戦。一方イベント用悪役は顔が恐い玄海と純二。しかし玄海は強すぎてこわいヒールの方が持ち味を発揮できるのではないかなと思う。実際これみよがしに強さを強調している玄海はかなり魅力的に映ったし、これから阿蘇山と共闘していくなら、特に反則はしなくてもいいのでヒール的立ち位置で試合をしていってほしい。ギランのマスクはぎは余計だったけど、でも何か生き生きしていたんで、今後はこわい玄海をもっと見せていって欲しい。こうして考えると筑前の穴はほとんど感じない。実は本人後ろや二階で映像班として動いていたらしいが、せっかくいるんならリング上で挨拶くらいはしてもよかったかなと思う。好意的に解釈すれば自分がいない九プロをシミュレートしていたのかもしれないが。

ギランとめんたいはなかなかこれといったチャンスらしいチャンスをつかめずにいたが、なんとか逆転して後半の分断に成功してからは粘る純二をめんたいスプラッシュでめんたいが退けて無事ハッピーエンド。
試合後は子どもさんたちとの交流に多くの時間をさいていた。が、明日も試合のはずが結構遅くまでリングが放置されて、選手は近くのスーパーで普通に買い出ししていた。まあ急ぐ必要もなかったんだろうけど。

でもまあ1月のあれよりは大分方向性も定まっていつもの九プロらしさを取り戻しつつある感じがした。実際チャチャでみる九プロは楽しかったし、秋にまたくるらしいから、その時まで楽しみにしておこう。

プロレスリング華☆激レッスルどんたく2014観戦記(14.5.4 日 博多どんたく 港本舞台会場特設リング)

プロレスリング華☆激レッスルどんたく2014観戦記(14.5.4 日 博多どんたく 港本舞台会場特設リング)

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博多どんたく港まつりは以前から行きたかったんだけど、がむしゃらの巌流島と重なっていて行かれなかった。今回はスターダムからコグマ&山口県光市出身の宝城カイリが来るとあって迷わず、こっちを選んだ。しかしマリンメッセの近くとは言いつつも、看板一枚出てない状態。無理もなくこれは町あげてのどんたくの一環としておこなわれているため表示自体がなかったんだろう、と好意的に解釈してみるが、正直あれはよそから来た人間にはわかりづらい。主催者ももう少し配慮していてほしかったな。

で結構ぎりぎりの到着になった。周囲は椅子が並んでいたけどリングをランバージャック状態で囲むように密着していた。場外戦をやらない配慮からかもしれないけど、かえって空中戦を減らしてしまったんで、見どころをひとつそいだ感じに見えた。過去に何か問題があってこうしたのかもしれないので今回は特に問い詰めはしないけど。

那須レフェリーに挨拶して、ステージ側で立って観戦した。入場口が後方にあって選手が出てくる花道でプロレスをみるという体験はなかなかないし、こういう位置もおもしろいと思ったのだ。で、全選手入場式開始。またまたどうでもいいんだけど、「ロッキー4」の「ハーツオンファイアー」は若鷹ジェットにイホデルパンテーラ、過去には神取忍、長与千種、K1の角田がつかってきた、もう使いまわし感たっぷりの曲なんでこういう演出するときはむしろかけない方がいいと思うんだが、まあこの辺に無頓着なのが華☆激らしいちゃらしいとkろなんでこれもあえて今回は追及しない。
そして代表アステカの口からスターダムの試合がメインになることが告げられた。あれ?第一試合じゃなかったんだ?でも自分の試合をメインにしないであっさりゲストにメイン譲っちゃうあたり、昔のアステカじゃ考えられなかったこと。いい意味でこだわりがなさすぎなのも華☆激の緩い魅力だったりする^^

第一試合:○ジライヤ 対 ●ヴァンヴェールネグロ

レアル対決は師匠ジライヤと弟子のネグロの対戦。本来ルードであるはずのネグロがいい意味でも悪い意味でも試使用に遠慮しているのがまるわかりになるのもこのカードの特徴。
実は高木三四郎もひそかに認める力をもつネグロがもう一皮むけると、いろんな団体からお声がかかるとは思うんだけど、まだそこまではいききれてない。息子のジャックがいろいろすごすぎるんで、どうしても親父さんの試合は厳しめでみてしまうんだけど、やっぱプロとしてやっていくんであれば、ジライヤさんが出した課題を試合の中でひとつひとつクリアしていってほしい。で、その上で最初にダメ出ししておくと、やっぱルードがピンチになって声援もらうのはどうかと思う。人柄がしのばれるのはいいんだけど、裏返せば誰もネグロがジライヤさんに勝てるとは思っていないということでもあるんで、ここはやはりレアルルチャの看板選手として「なにくそ!」という気持ちで師匠にぶつかっていってほしいのだ。実生活ではいい人なのはけっこうなんだが、それをリング上に持ち込まないでほしいのだ。そしてまだ無駄な動きが多く試合がドタバタしてみえるのも難点。たとえばジライヤをコーナーにつめてチョップ放って(しかも中途半端な当たり)さらに対角線にふってラリアットうっていたシーンがあったけど、ここは最初のチョップはいいから後のラリアットをよりガツンと決めていたらインパクトもあったのにと思ってしまった。対してジライヤは丁寧にルチャの動きも含めて今のネグロの課題をひとつひとつ試合で洗い出している感じがした。公開授業としてはかなり贅沢な時間だったと思う。

第二試合:アステカ・コスモ☆ソルジャー・●KING 対 ・小川聡志・○新泉浩司・谷口勇武

名古屋組のコスモを入れた華☆激純血メンバーそろい踏みによる6人タッグ。そもそも普段の興業で自前の選手だけで6人タッグができないことが多い華☆激にあってもと所属の谷口を含めた6メンは相当レアでもある。まあ主催が別にいると、それほどお金の心配しなくていいんで、イベント試合が定期戦より豪華になることは華☆激では珍しいことではない。で、見てて思ったのは皆元気いいなあということ。実年齢がほとんど初老のメンツだけど、これだけはつらつと動いているのをみるのは気持ちいい。心配だったのは谷口なんだけど、さすがにこのメンバーならだれを思い切りけっても、投げても許される力量があるので、自団体でみせる俺様何だか、こじんまりしてるんだかわからないファイトスタイルよりは数段まともにみえた。不幸にも小川が足を痛め、途中シューズを脱いで試合していたが、そのフォローにも的確に回っていた。ただちょっと想定外に出番が多くてテンパっていたのか、ツープラトンしかけるところでコーナーに戻ったりしていたけど、この辺は独立した弊害かもしれない。だいたい北九Zには谷口が思い切って自分をぶつけていける選手がいない。他団体から呼ぶにしても試合数が少なすぎるし、あのメンツの中でやっていたらモチベーションも保てないから向上心も薄くなる。せっかくいい素材なんだけど、全体的に残念という今の谷口の評価はあんまり変わらなかった。とはいうものの途中足をけがした小川の分まで新泉とともに頑張っていたので、この試合に関してはそんなに辛い評価はしていない。
一方KINGはというとでかい体の割にはまだバタバタしすぎている感じ。もっとどっしり構えた方がより存在感が増すと思うんだけど、どうしてもスピードの速い試合になればなるほど、流されてしまう感じがした。残念だったのは小川のけがでそれでも試合を投げなかったのはいいとしても年齢から考えて今後が気になるところ。年と共になおしにくいこともあるし、前回のけがから復帰してまたケガというのもどうなんだろうなあという気がする。無事これ名馬ではないが、体が資本のプロレスラーがけがに泣くことが多いというのはあまり感心しないからだ。我慢大会ではないのでなおすときはじっくりなおす、出る時はベストな状態で出て欲しい。理想論かもしれないけれど、他の選手のコンディションがよかっただけにやや残念ではあった。

しかし昔ならアステカがフライングボディアタックを決めたら試合はほぼ終わっていたのに、最近は新泉がフィニッシュをとることも多くなった。私が「アステカが勝った試合ほど記憶に残らない」といったからではないとは思うけれど、やっぱこういうのって大事なことで、先々レジェンドクラスになれば、それでもいいけどまだ第一線でやりたいならフィニッシュをとる選手はいろいろいていいと思う。特に新泉がとどめにKINGに放った背中への強烈な蹴りはダメ押しというには十分すぎる威力で、あれではさしものKINGも返せないと思わせる説得力があったからなおさらそう思った。華☆激で唯一黒のコスチュームで無骨な雰囲気を醸し出す新泉は、今のなにげに華☆激のキーマンでもあったりするのだ。

第三試合:○宝城カイリ 対 ●コグマ

なぜかこの時から気が付いたらビデオカメラを構えた胡散臭そうな人が女子レスラーを撮影していたんで誰かなと思ったら、なんとロッシ―小川・スターダム社長であった。これは失礼。てっきりストーカーかと思った(爆)。どうしても全女時代のイメージが強いのでなんかずいぶん老けたなあという感じがした。でもなんでこの試合がメインにきたのかがやっとわかった。そりゃ社長がきてたら気を遣うよね、ふつう。

田川出身のコグマは運動神経抜群の期待の若手。聞けば大概のスポーツはなんでもこなせるらしい。そしてキャリアはデビュー半年という。対する宝城は、ゆずぽん相手に二年前にデビューした山口県光市出身のもとヨット選手。だから海賊コス・・・なのか!やっぱ今後のスターダムの屋台骨を支えるであろう選手の一人ではある。だが試合が始まってみると先輩の宝城が攻め、コグマがひたすら受ける展開に!これはびっくり!いや、宝城が先輩プロレスをしてるのではなく、ましてやコグマがヒールとして試合を作ってるわけでもない。ただ、宝城もコグマもスターダムを代表してここにきて、数少ない地方での試合の機会をものにしてより多くのお客をよびたいのが真意としてあるだろうから(実際11月に福岡にまたスターダムが来るらしい)、全力で試合するのは当然なんだが、デビューして半年の選手が、キャリア二年の宝城と対等に渡り合っていることに驚愕した。スターダム、意外と隠し玉もってるんだな!というのが正直な感じ。でもこの勢いでいけば間違いなく女子プロ界にとって大きな存在になることは間違いないだろう。

打たれ強い上に、スピードもあって、なおかつファイティングスピリットにもあふれている。正直宝城目当てで行ってコグマのファイトに魅せられるとは思わなんだ。でもこういう意外な出会いがプロレスの面白さであったりもする。タレントもやってる宝城と比べてもルックス自体悪くないし、大成する素養は充分と見た。あとはいくつか代表的な技を身につけていけば、さらに化けるだろう。なんせこの団体にはあの高橋奈苗がいるわけで、名コーチのもとで、これからどう化けて出るかが楽しみで仕方ない。しいて言うなら上背がないのがやや悲しいものの、コグマの可能性自体はかなり高いとみた。

試合後、さすがに舞台慣れしている宝城は堂々と他団体のマットのメインをマイクでしめてみせた。なんだかんだいってやっぱ華があるというのは大事なこと。ロッシーも老けたとはいえ、目までは曇ってなかったんだなと感じた。いや時間の都合がつけば今度こそスターダムの地方大会にはぜひ行きたいと思う。

三試合とも個性が違っていてお祭りらしいプロレスがみられたのは収穫だった。華☆激とは長い付き合いだけど、イベント試合は久しぶりに見たかな?こういう華やかな場所でみるのもまたいいもんだと思う。前日のゴージャスな新日とはまた違ったテイストを確かに味わえた一日でした。みなさん、ありがとう!またお会いしましょう。

新日本プロレス・レスリングどんたく2014観戦記(14.5.3 土・福岡国際センター・7190人(超満員)

新日本プロレス・レスリングどんたく2014観戦記(14.5.3 土・福岡国際センター・7190人(超満員)

写真1

写真2

オカダがタイトルとるまではなかなかスケジュールがあわなくていけなかったどんたくも数えて三回目。前年はカオスな行列にビビッてたじろいだが、今回はさすがに歩道にまで並ぶことはなかった。入り口も三か所にし、グッズ売り場をロビーから屋外テントに移され、行列は国際センターを囲むように並ばされていた。混雑をさけるための配慮をちゃんと学んで生かしているのはさすがメジャー団体。しかし、どんたく時期は前から込むのはわかっていたけど、三時間前に家出て着いたのが開場30分前。マジで国際センターまで三時間かかってしまった。GWこわい・・・

今回ははじめて北席を解放。360度二階~三階が解放されたのっていつ以来だろう?北側の左右に入場ゲートがあって赤コーナーには王者オカダの顔が、青コーナーには挑戦者AJスタイルズ(以下AJ)の顔があしらわれたツイン入場ゲートが配備。北側のファンのために南側に臨時でスクリーンも設置。実は鏡映りにはなるんだけど、南側の人間にとっても、細かい攻防がチェックしやすく、観戦の一助にはなっていた(鈴木みのるの試合やグレイシーの試合など)。結果は7190人フルハウスということだったけど、昔の発表だったら絶対一万2千とかくらいは盛っていたと思う。

第0試合20分1本勝負
×小松 洋平・KUSHIDA・タイガーマスク・天山 広吉 対 マスカラ・ドラダ・BUSHI・
○エル・デスペラード・キャプテン・ニュージャパン
[09分16秒]
ギターラ・デ・アンヘル→体固め

 『レスリングどんたく2014』の第0試合として行なわれる8人タッグマッチは定番化してきたけど、余ったメンバーでもこんだけのカードが組めるのは豪華すぎ。でも頼むからここにCMLLのスペルエストレージャを混ぜるのはやめてほしい。昔からルチャを軽視する新日の悪い伝統が見え隠れするようで不愉快だからだ。
 
そのドラダがセカンドロープを次々と飛び移り、KUSHIDAにミサイルキック。そして、BUSHIがトペスイシーダで吹き飛ばす。すると、タイガーがコーナー最上段へのぼり、BUSHIにフライングボディアタックを見舞う。その直後、ドラダがトルニージョでタイガーとKUSHIDAを分断するなど中盤で活躍。そして、唯一のヤングライオン枠の小松がジャーマンスープレックスホールドでデスペラードを押さえ込むなど大健闘。小松の急成長ぶりには驚かされる。小松は、なおも前方回転エビ固め、スクールボーイを矢継ぎ早に繰り出して、そこからさらに首固めを狙うが、デスペラードがブレーンバスターに切り返し、最後は、ギターラ・デ・アンヘルで決着となったが、デスペラードがもうヤングライオンに首狙われてるのがおかしかった。ってかそれじゃ海外修行してた意味ないじゃん。なんか急速に賞味期限が落ちてしまったのがちょっと気になった。

第1試合60分1本勝負IWGPジュニアタッグ選手権試合
(挑戦者組)アレックス・コズロフ・×ロッキー・ロメロ 対 (第37代王者組)
ニック・ジャクソン・○マット・ジャクソン
[15分09秒]
モア・バング・4・ユア・バック→片エビ固め

ニックとコズロフが先発し、コズロフ握手をすると見せかけて奇襲を仕掛ける展開からスタートしたが、ジュニアタッグっていつもビッグマッチの第一試合要員になってるけど、これでいいの?って思う。それこそ地方のメインとかセミでやってもいいのにって思うからだ。タイトルがどうも軽いんだなあ。ここは新日の反省点にあげておきたい。ベルトは選手が、目の色をかえてとりにいくぐらい魅力的でないとやる意味がない。今のジュニアタッグは内容に権威がおいついてないな。
 
この顔合わせも正直見飽きた。高いレベルの攻防なのは認めるけど、じゃ誰が王者になったら魅力的なのかって考えたら誰も思いつかない。このタイトル欲しがってるKUSHIDAは第0試合にでてるし、このタイトルに対する新日の熱意の差がこんなところにも出てると思う。試合はマットとニックがダブルトラースキックで迎撃すると、最後は、モア・バング・4・ユア・バックが火を吹き、ロメロが轟沈し、王者組は手堅く防衛という結果に。

第2試合30分1本勝負・スペシャルタッグマッチ
飯塚 高史・○矢野 通 対 シェルトン・X・ベンジャミン・×鈴木 みのる
[09分02秒]
反則

まずは鈴木とベンジャミンが入場し、TAKAみちのくとタイチもセコンドとして登場。あとから現われた矢野組を急襲し、大乱闘で試合の幕が開くことに。せっかく試合開始前、山崎に腕ひしぎくらってまで飯塚対策していた野上ジャスティスは拍子抜けしただろう。まあいつもいつもリングにあがられても不愉快なんだけど・・・
 
そこから鈴木組が矢野を捕まえ、リング上でたっぷりと痛めつける。さらに、鈴木が矢野を場外に放り捨てると、またもやTAKAとタイチが介入。怒った飯塚がフェンスを振り上げるものの、鈴木が迎撃するなど前半は完全に鈴木軍がペースを握っていた。
その後も劣勢が続いた矢野だったが、ベンジャミンの串刺し攻撃をかわしてコーナーの金具へ激突させ、ようやく脱出に成功。矢野は鈴木を今度こそコーナーの金具へぶつけ、手錠を取り出す。そして、片側をセカンドロープにかけ、もう片方に鈴木の手をはめようとする。ところが、タイチが場外からイス攻撃を見舞い、鈴木が左右の張り手連打で矢野に逆襲。怒ったみのるはレフェリーにも暴行。結果鈴木が佐藤レフェリーを場外に投げ捨ててしまう。これで鈴木は反則負けとなった。
 
だが、鈴木はかまわず矢野に襲い掛かり、なおもエルボー連打、膝蹴り、スリーパーホールド攻め続ける。が、いつの間に鈴木が手錠へ繋がれ、矢野がまんまと脱出に成功。呆然とする鈴木を尻目にしてやったりの矢野は、花道でYTRアピールを敢行。さらに、入場ゲートの前でYTRアピールとデニーロポーズを披露した。矢野イリュージョンをさく裂させ、鈴木を出し抜いたCHAOSにしてみればしてやったりといったところだろう。矢野も悪くはないんだけど、この抗争あまり意味がない気がする。みのるもやり場のない不満をぶちまけていただけのような気がしたし。救出された鈴木は、田中をイスでメッタ打ちにして退場。まあヤングライオンには気の毒だったけど、かつてはみのるもそういう道を経てこうなったんで、これはある種の宿命かな?

第3試合60分1本勝負・NWA世界ヘビー級選手権
(王者)○小島 聡 対 (挑戦者)× ウェス・ブリスコ
[09分25秒]
ラリアット→片エビ固め

元NWA世界王者ジャック・ブリスコの甥であるウェス・ブリスコが初登場。九州でブリスコといえばやはりNCAA全米学生選手権で1964年2位、1965年優勝をはじめ、レスリング時代の戦績89戦87勝2敗という実績をもつ叔父のジャックの栄光を抜きには語れない。1974年12月2日鹿児島県立体育館で馬場に敗れてNWA王座転落したこともあって何かと九州とは因縁深い(データはウィキからコピペしました^^)。
 
試合開始前、あの「サンライズ」が鳴ると場内大歓声!古いファンならこの場所での、ベイダーとの死闘を思い出しただろう。その特別立会人スタン・ハンセンはとても穏やかな感じでリングイン。そして引退したとはいえ、ロングホーンを一発決めると場内が大歓声に包まれた。
ところが、次にNWAのブルース・サープ社長が現われると、たちまち場内は大ブーイング。やっぱインチキNWAとかいうギミックは新日よりゼロワンとかのほうが向いている気がする。それでもお構いなしのサープ社長は、「コンニチハ! ニホンジン! ワタシハ、ブルース・サープデス! ナショナル・レスリング・アライアンス、シャチョー! ワカリマスカ!」と怪しげな日本語でがなりたてる。そして、自らブリスコを呼び込んだ。ここでまた「ギャラクシーエクスプレス」が流れたら本当に顰蹙だったんだけど、ブリスコはオリジナルテーマで入場。ジャックと比べるといかにも今風なあんちゃんだったんで、どんなもんかなあと思ってこのときは見ていた。
序盤から場外戦が勃発し、社長もこれに加担。ハンセンはあくまで中立。そこからリングへ戻ったブリスコは、小島の左膝に集中攻撃を開始。これで小島の動きが鈍ると、串刺しラリアットで追い討ちをかける。このあたり小憎らしいまでの小ずるいインサイドワークも含めてだけど、はじめてNWAの悪党王者らしい素材がきたなという感じがした。ブレーンバスターを着地し、膝裏にラリアットをお見舞いしてからの足4の字固めで追い討ちをかけるあたりは、古典的な攻めでなるほどと思わせるものがあった。NWAギミックが無い方がこの選手は魅力的にみえるよな。でもバレットクラブ向きじゃないし・・・で、小島がロープエスケープすると、ブリスコが小島の膝のサポーターをずらしてパンチを連打し、再び足4の字固めでギブアップを迫る。うーん、こういうちょっとしたいやらしさが垣間見えるあたりがいい感じなんだけどねえ。苦しい展開の続いた小島は、ブレーンバスターで逆転に成功。そして、右肘のサポーターを投げ捨てると、ウエスタンラリアットで完勝を収めたが、時間が長くとれればウェスの悪党インサイドワークがもっと楽しめたかもしれない、そういう意味ではNWAというギミックがいろいろ邪魔をしてしまっていた。そんな試合だった。やっぱ一回途切れた名門の系譜は無理矢理復活させるものではないだろう。21世紀にはまた新しい権威を作って歴史をつなげていけばいいんではないだろうか?
 
第4試合30分1本勝負・スペシャルタッグマッチ
×中西 学・永田 裕志 対 柴田 勝頼・○後藤 洋央紀
[10分50秒]
サソリ固め

タッグ王座を狙う同級生コンビの前に、なぜか第三世代が立ちふさがるという対決。個人的な興味は永田と柴田がバチバチやりあってくれないかなというものだったが、早くもしょっぱなからそういう展開に。柴田がクリーンブレイクせずに張り手をみまい、怒った永田が柴田を場外に落とし、鉄柵攻撃からランニングフロントハイキックを見舞うという「やられたらやりかえす」大人げない試合になってきた。柴田も鉄柵攻撃で逆襲し、背後からランニングフロントハイキック。さらに、永田の頭部を鉄柱へ叩きつけた。リングへ戻ると、両者激しい張り手合戦、エルボー合戦を展開。柴田が強引に自軍コーナーへ押し込んで、またもや激しい張り手合戦が繰り広げられ、永田がここでブチっとキレたのか柴田を睨みつけた。

第二ラウンドは柴田が、キック連射から張り手を見舞うと、またもや激しいエルボー合戦そして、柴田がエルボーを連打すると、永田がニーリフト連射で対抗。だが、後藤がステップキック連射でやり返してここに参戦。さらに両者はフロントハイキック合戦を開始するが、柴田が追走式キチンシンクで永田の動きを止め、エルボー連打、串刺し低空ドロップキック、フロントネックチャンスリー、クロスフェースと畳み掛ける。しかし、中西がカットに入り、永田がエクスプロイダーで逆転。蹴りと関節だけではない武器を持っている永田はこういう時は本当強い。柴田が課題にするなら「投げ」だなと思った。

中西が野人攻撃で後藤を追い込んでラリアット&永田の延髄斬りというサンドイッチ攻撃からトレイン攻撃を狙ったところで、柴田が乱入して永田にカウンターフロントハイキック。その柴田を中西が一本足ハンマーで蹴散らし、後藤のローリングラリアットをブロックする。中西も病み上がりとはいえ不調を感じさせない動きはさすが。さらに中西は、後藤の追走式ラリアットを受け止めるが、後藤が昇天・改を敢行。これが崩れると、すぐさまサソリ固めに移行。これが意外すぎてかなりニアロープだったのに中西の体をぐっと反らすと中西貯まらずギブアップ!以前なら昇天・改の次の一手をもたない後藤がまさかの一手をもってきたあたりにタッグを狙う本気度がうかがえた試合だった。

第5試合60分1本勝負・IWGP Jr.ヘビー級選手権試合
(第67代王者)
○飯伏幸太 対 (挑戦者)
×田口 隆祐
[14分03秒]
フェニックススプラッシュ→片エビ固め
※第67代王者・飯伏が3度目の防衛に成功

田口を見てて気になったのは、アステカと防衛戦をやった時のような輝きがみられないこと。盟友デヴィットを失い、自らのコンディションも落とし、ベルトに手が届かない。何より自信みなぎっていた王者時代のオーラが完全になくなっている。この満身創痍感は引退直前のレスラーのようだ。ライガーの元気さが際立つだけに「常時所属」という意地だけで飯伏からベルト奪還を試みるのはちょっと材料が足りてない感じがした。とはいえ、二団体所属の飯伏もここへきてかつてない連戦経験で疲れもたまり、動きが落ちている。
試合後「ひとつにしぼる時期が来たのか」と暗に新日一本にしぼるかのような発言もしていたらしいけど、

ポイントは二つ。まず田口。どどんを今回も決めきれずにいた。そして田口の動きは飯伏にはまたしても読まれていた。フェイントから飯伏の背後にドロップキックを浴びせ、どどんの体勢に入る。これを飯伏が抵抗すると、田口はタイガースープレックスへ移行。ところが、飯伏がバク宙で着地し、カウンターフロントハイキックで逆襲というシーンもあったが、途にかく飯伏はコンディションが悪いなりに田口対策が頭に完全に入っていた。

中盤から後半は技の読みあいになったけど、やはり復帰間もない田口はデヴィットの幻影に力を借りようとしてる姿勢がみえみえ。これでは勝てるものも勝てない。本人はデヴィットの分までと意気込んでいたのかもしれないが、かえって逆効果だった気がする。ここが二つ目のポイント。

最後はフェニックススプラッシュがさく裂し、飯伏がJr.タイトルを防衛したが、この二人にしては順当すぎて評価を下げざるを得なかった。なんか田口、内藤臭がしはじめたんだよなあ。大丈夫なんだろうか?

第6試合60分1本勝負・NEVER無差別級選手権試合
(第3代王者)○石井 智宏 対 (挑戦者)
×本間 朋晃
[14分07秒]
垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め
※第3代王者・石井が3度目の防衛に成功

ゴングと同時に両者がダッシュし、ショルダータックルが相打ちになる。そこから激しいチョップ合戦が繰り広げられる。チョップラリーは正直辟易としていたが、大日のDNAをもつ本間と天龍イズムを具現化している石井の無骨さは充分表現されているのでこれはアリだ!としておこう。

前半は石井も押していたが、中盤本間もおし始めた。このタイトルがどうしても欲しいという執念が全身からみなぎっていた。こんな本間をみたのはいつ以来だろう。本間は、石井の突進を切り返し、DDTで叩きつける。そして、串刺しジャンピングエルボー、フェースクラッシャー、こけし、逆片エビ固めと得意技を連発して大攻勢。大本間コールに後押しされてこけしも連発。しかし序盤で出し過ぎたのがあだになった気がする。本間はコーナー最上段から場外の石井に大こけしをお見舞い。そして、リングへ戻ると、コーナー最上段からこけしをさく裂させる。さらにこけし落としを狙うが、石井が回避。その後、本間のラリアットを石井、石井の延髄斬りを本間がブロック。だが、カウンターラリアットで石井が競り勝つ。石井が4発目のラリアット合戦で本間を倒す。しかし、フォールを跳ね返した本間が、ラストライドからのフォールもクリア。ここで本間はコーナー最上段から再びこけしを発射。これはかわされて自爆。やはりここぞというところのこけしを食わないのも石井が最後まで状況をよくみていたことの証明だと思う。ラリアットをブロックし、スクールボーイで丸め込む本間。執念は伝わるが、あと一歩は詰められない。石井がヘッドバットで追撃を絶ち、ラリアットをかわしてジャーマンスープレックスホイップ。これでまたもやエルボー合戦になり、石井が左右の連打で押し込む。すると本間は左右の張り手を乱れ打ち、ヘッドバットにヘッドバットで対抗。だが本間の頑張りもここまで。
石井が延髄斬りで本間を黙らせ、側面からスライディングラリアットをお見舞い。そして、今度こそ垂直落下式ブレーンバスターで勝負を決めた。正直熱戦だったことは否定しない。感動もした。だが、石井と本間との闘いならここまでやっても想定内という感じがしたのはちょっと気の毒な気もした。ただし内容でいうなら本日のベストバウトにしてもいいとは思う。
 
試合後、IWGP Jr.ヘビー級王者・飯伏が登場。石井に挑戦表明したが、去年のG1での因縁清算に動いたようだ。このカードにはまた興味があるな。

第7試合時間無制限・スペシャルイリミネーションマッチ
獣神サンダー・ライガー・内藤 哲也・真壁 刀義・○棚橋 弘至 対
タマ・トンガ・バッドラック・ファレ・×ドク・ギャローズ・“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン
[15分36秒]
ハイフライフロー→片エビ固め
※2人残りで棚橋組の勝利
【退場順】
(1)○内藤(9分48秒 飛びつき前方回転エビ固め)ファレ×
(2)×内藤(10分24秒 オーバー・ザ・トップロープ)トンガ○
(3)○ライガー(11分47秒 空中胴締め落とし→体固め)トンガ×
(4)×ライガー(12分04秒 ガンスタン→片エビ固め)アンダーソン○
(5)○真壁(14分13秒 オーバー・ザ・トップロープ)アンダーソン×

正規軍側はひとりひとり入場。ということはアレンジ違うけど、同会場でサンライズと移民の歌が一日で流れたことになる。平成のこの世にまさかの超獣コンビがテーマ曲でそろい踏み!これはうれしかったなあ。試合は先発もして絶好調のライガーからスイッチした棚橋をBULLET CLUBが捕獲に成功し、長時間に渡って集中攻撃を展開。すると、場内が大「棚橋」コールに包まれ、棚橋がアンダーソンのスピニングガンスタンを回避。そして、ドラゴンスクリューでようやく逆転に成功。だが、棚橋が受けているというよりなんかこの闘いにテーマが見いだせないでいるような感じがした。ベルトへの渇望もない。テーマもみつけにくい。今までの棚橋にはそれでも試合をまとめる力があった。だが脱出後長く場外で休んでいる姿をみたら、やはりただごとではない感じがした。

ライガーは序盤から再び登場して二人抜きの大活躍。ところが、直後にアンダーソンがガンスタンで叩きつけ、トンガのカタキを取られてしまった。しかしこの中の最年長選手が一番動きよかったというのはどうなんだろう?もちろんライガーの努力の賜物ではあるんだけど。
これで2対2となり、変わった真壁も一旦動きをとめられるとピンチに陥ったアンダーソンとギャローズが合体ガンスタンを敢行。フォールは棚橋がカットしたものの、アンダーソンがすぐさまスピニングガンスタンに繋ぐ。だが、ファンの大コールを浴びた真壁が、アンダーソンにラリアットを浴びせ、オーバー・ザ・トップロープで失格させた。ここでやっと棚橋が復帰。低空ドロップキックをお見舞い。そして、場外に落とされそうになっても逆上がりで復活。十分休んだだけあってさすがにモチベーションがさがってもぼろを見せないのは逸材の所以でもある。後半はタッグを組む真壁との連携が光った。真壁のショートレンジラリアット、棚橋のスリングブレイド、真壁のキングコングニードロップが連続で決まり、最後は棚橋がハイフライフローでギャローズにとどめ。2人残りで棚橋組の勝利となった。
 
試合後、棚橋と真壁がアンダーソンと睨み合いになる。そして真壁が、IWGPタッグタイトルマッチをアンダーソンに要求した。そこに後藤と柴田が現われ、後藤が「ちょっと待ったー! このベルトは、俺たちの狙ってたベルトだ。次も、俺と柴田がチャレンジだ!」とマイクアピール。さらに柴田が、「ベルト・・・それよりも、棚橋。オマエと勝負だ」と棚橋を挑発。4人が至近距離で睨み合った。が棚橋は「俺と真壁選手がIWGPのタッグに挑戦する! 言っとくけどな、柴田。眼中にねぇよ(ニヤリ)」とマイク。そして、入場ゲート前で1度だけエアギターをかき鳴らした。笑顔ではあったがどことなくいらついた感があった今日の棚橋ではあった。そこが少し気にはなるんだけどなあ。少なくともこの日の棚橋だと対AJ戦は見たいとは思えなかった。

第8試合30分1本勝負・プロレスvs柔術 異種格闘技戦
×桜庭 和志・中邑 真輔 対 ○ホーレス・グレイシー・ダニエル・グレイシー
[08分30秒]
胴着による首絞め

株価暴落を可視化するとこうなるのかもしれない。グレイシーの試合はかつて格闘技のビッグイベントのドル箱カード。しかしながらこの試合でトイレ休憩、たばこ休憩に出るお客の多いこと。会場の反応も中邑の入場時がピークだった。中には「なんでPRIDEやK-1がすたれたか理由がわかったよ」というファンもいたくらい。

まあ私的には道着来た時点でレスラーの負けだよなと思っていたのではあるが、グレイシーがあまりにも小物感全開だったのががっくりきた。たぎっていたのは中邑だけで本人的にはグレイシーとの敗戦がある過去をプロレスで晴らしたい気持ちはあるんだろうな。でもプロレスラーとしてみた場合のグレイシータッグにはもはや魅力のかけらも感じない。せめて入場時にグレイシートレインでもやってくれたらまだしもふつうに入場してきちゃうし。私にはインターコンチをかける価値すらこの試合では見いだせなかった。

それにしても柴田がいきいきしているのとは対照的に桜庭に元気のないことこの上ない。なんか別なテーマみつけて上に上がることをしないとどんどんウラシマ太郎状態になっていきそうで、それもまた切ないよなあ。

第9試合60分1本勝負・IWGPヘビー級選手権試合
×オカダ・カズチカ 対 ○ AJスタイルズ
[24分31秒]
スタイルズクラッシュ→エビ固め
(第59代王者)
※AJスタイルズが第60代王者となる。

なんとなくだが、あおりVでいつものオカダを維持しようとしているオカダがちらっと垣間見えたのが気にはなった。とはいえ、そこは天下のレインメーカー。この時点ではそれは杞憂かなと思っていた。序盤、クリーンブレイクしたオカダがレインメーカーポーズ。さらに、ヘッドロックで強烈に絞り上げる。そして、ショルダースルーでAJを豪快に投げ飛ばし、AJをコーナー最上段に乗せてドその場飛びロップキックの発射体勢に入る。ところが、トーキックで阻止したAJがブレーンバスターでオカダを投げ、コーナーに激突させる。このAJのタイミングの狂わせ方が絶妙。通常返すだけ、よけるだけのところを必ず一手反撃してオカダの次の次の手まで封じているのだ。ちょっとしたことだけど、これがダメージの蓄積をうみ、オカダの試合リズムを徐々に破壊していったんではないかなと思う。

AJは、バックブリーカーで追撃し、カウンタードロップキックでオカダを場外に落とす。これがまたキレイ!オカダのドロップキックを見慣れている観客もこれにはどよめいた。そして、レッドシューズ海野レフェリーの視界をさえぎると、アンダーソンたちがオカダを襲撃というおなじみのパターンまで繰り出してきた。ただこの介入はオカダも外道も想定内だったようだ。しかしここには別の伏線が隠れていた。
AJはボディスラム、ジャンピングニードロップ、ブレーンバスター、串刺しジャンピングラリアットと猛攻。そして、オカダを場外へ投げ捨てると、またもやアンダーソンたちが暴行をくわえる。しかし怒ったオカダがトペコンヒーロでバレットクラブを押し潰した。

しかしダメージのないAJは逆襲へ転じ、オカダの膝へ集中攻撃を開始。レッグロック、カマ固め、リバースインディアンデスロック、ニークラッシャーなどでいたぶり続ける。この辺の一点集中に対する布石としてセコンドの介入を入れるあたりもAJのしたたかさが伝わる展開だった。いったんはオカダも低空ドロップキックなどで反撃するが、AJは自らエプロンで飛び出してオカダを翻ろうし、スワンダイブエルボー。さらに、ブレーンバスターの体勢からスイングネックブリーカーを決める。が、オカダもドロップキックでAJを場外に落として、鉄柵攻撃、串刺しフロントハイキック、鉄柵を利用したDDTで反撃。この一進一退の展開になってくるとオカダ優位かなとも思った。

だがレインメーカーを回避したAJが変型レッグロックで逆襲。カウンタードロップキックで巻き返し、再びレインメーカーを繰り出す。しかし、またもAJが回避し、オーバーヘッドキックを見舞い、さらにスタイルズバスターからスタイルズクラッシュを狙うが、オカダがリバースネックブリーカーに切り返す。オカダもツームストンパイルドライバーを仕掛けるが、AJが脱出してフェノメノンDDTから、コーナー最上段でのトルニージョを繰り出して、背面ドロップキック、ツームストンパイルドライバーに繋げる。

一旦はひきあげていたBULLET CLUBがここで再び乱入し、アンダーソンが海野レフェリーを押さえつける。それでもオカダはマットとニックを蹴散らすが、なんと顔をフードで隠したメンバーの一人がラリアットでオカダを吹き飛ばす。そして顔をさらすとなんとその正体は高橋裕二郎!!!裕二郎は東京ピンプスでオカダを叩きつけると、AJがブラディサンデーで追い討ち。そして最後は、スタイルズクラッシュをさく裂させ、至宝を強奪した。
 
精神的ダメージというより、完全にオカダのリズムが狂わされていたとしかいいようがない。序盤のその場飛びを封じたとき、ただかわすだけでなく一撃お見舞いして次に移行するAJの方が一枚上手ではあった。逆にオカダはリズムを崩され、逆襲も後手後手。想定内だった介入もいったんセコンドをひきあげさせ、裕二郎を混ぜて再び介入した時点で精神的にも詰められてしまったのではないか?すでに駆け引きを初登場時からはじめていて、クモの糸にからませるようにじわじわとオカダ包囲網を完成させていたAJの方が何もかも一枚上手だった。

「おい!CHAOSのくそ野郎ども!お前らとは今日限りだ!オレはな今日からバレットクラブの一員だ!」と言い放つ裕二郎。確かに外国人ユニットという先入観があったバレットに裕二郎を加えるという展開は私にも想定外だった。

いや、でも裕二郎の介入はおまけでしかなかった。正直試合のほとんどは、首対足腰の一点集中攻撃をお互いがやりあった、非常にクラシカルな内容のレスリングだったし、それゆえ、AJのトルニージョやドロップキックは余計に映えた。そして終盤までお互いの必殺技を隠し持っていく流れもまた古きよきプロレスのタイトルマッチの様相を醸し出していた。でもオカダはまだ若いせいか、普段やらないことまでやってしまい、AJの巧妙なリズム崩しに気づけないまま、自分でも試合のリズムを狂わせてしまった。ここは大きなターニングポイントになった気がする。そこまで計算内だとしたらAJはしたたかすぎる。そしてこのAJの戴冠には新日の戦略も隠れていた。今までだと試合後、次の挑戦者があらわれて次大会につなぐところを、誰もでてこなかったのがたぶんその証拠だろう。AJをチャンプのままにしてアメリカ公演を行い、WWEと勝負する気なのだ。日本人チャンプだと英語に難があるが、AJなら知名度、語学ともに問題ない。その上でオカダにもう一回試練をあたえ、いずれAJから王座奪還をさせることでレインメーカーを進化させることができたら、さらに盤石にもなろう。オカダに今までなかったのは世界との対戦だった。今回それを体感できたのは若いオカダにとっては貴重な財産になったと思う。
かつてAJがフレアーなどとのレジェンドとの対戦を肥やしにしてきたように、オカダもまた今回の敗戦を糧にしてくれるに違いない。

今まで二年間オカダの防衛をみてハッピーエンドになっていた福岡のファンにとってAJは「知らない人」だったんだろう。終わって瞬間はかなり微妙な空気になっていた。WWEならまだしもTNAまでチェックしている層はたぶん少なかったんだろう。それは無理からぬことだとは思う。でも帰りに売店のぞくと、今までそんなには売れてなかったバレットクラブのTシャツが飛ぶようにうれていた。これは極めて正直な反応だったと思う。しいて言うならそこでAJのグッズをおいていてくれたら、私なんか喜んで買ったんだけど、バレットじゃなあと思って今回もパンフ以外は買わなかった。

でも本当こんなに余韻に浸れるビッグマッチはいついらいだろう?完成度でいうならまさに歴史に残る今年のどんたく大会だった。さて噂通り来年はドームになるのか?発表はなかったけど、ありえない話ではなくなってきたな。




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