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よしもと あるあるYY劇場 がむしゃらプロレスコラボイベント・北九州地産地笑プロジェクト!!『吉本あるあるYY劇場×がむしゃらプロレス』観戦記

よしもと あるあるYY劇場 がむしゃらプロレスコラボイベント・北九州地産地笑プロジェクト!!『吉本あるあるYY劇場×がむしゃらプロレス』観戦記(2014年8月24(日)よしもと あるあるYY劇場 あるあるCITY 7F)

*今回は一部、二部とも会場内撮影禁止になったため試合写真がありません。*

《第1部》

プロレス以外のところはあっさりと。第一部の構成は、OPアクト、漫才、がむしゃら対タケノコ☆ボーイズのゲーム、アニスピガールズ、パジャドル、コラボ漫才、プロレス、後説といった感じ(順不同、正確には覚えてないし)。OPにはダイナマイト九州、ゲームにはTA-KI、タシロ、TOSSHI、七海、キッドが、コラボ漫才ではスミス、鉄生がそれぞれチャレンジ。コラボ漫才で何気にタイトル戦を戦う二人が相対峙したが、やはりというか天然素材の魅力で鉄生の勝ちといっていい内容だった。アニスピガールズの完成度は時間のない中、新曲にチャレンジしてしかも成功してるし、そのパフォーマンスは圧倒的だった。

【第1部 15:00~】
▼あるあるオープン二ングマッチ〜イロモノだらけのタッグマッチ(30分1本勝負)
①環境戦士アースマン & ×タシロショウスケ vs ○セクシーロージィ & 田中純二
※肉団子プレス

最初ロージーのパートナーはXで発表になっていたのだが、当日カード発表で田中純二と告げられた時は結構皆びっくりしていたみたい。九州プロレスが前日壱岐で試合をしていたこともあり、普段なら一部から出るであろう阿蘇山が二部のみの出場になっていたから九プロ勢の出場はないと思っていたからだ。しかしこれはうれしい誤算。田中純二とロージーのタッグが異色なら、企救丘でデビューしたアースマンがタシロと組むのもまた異色。

縦にでかいタシロと横にでかいロージーの対決は実にわかりやすい。去年まではショルダータックルでふらつきもみられたタシロも、真っ向からロージーとぶつかり合ってそれなりに踏ん張れるようになってきた。ここにアースマンと純二を混ぜた組み合わせはなかなか面白かった。しかしアースマンにとっては単なるタッグではなく、やっぱ試練の試合になったかもしれない。いくら年季の入ったローカルヒーローとはいえ、キタキュウマンに押されがちな存在でもあるし、対戦相手が何気にすごいのばかりあてられてるし。とはいえ、デビュー戦がかなりハードな天候下で行われたことを考えれば、あれ以上の地獄はそうないかもしれないけど。

この試合もそういう意味ではチャレンジの様相をもったカードではあった。プロレスのお笑い担当?が本家よしもとに上がって挑むわけだから、そこでいつものテイストを捨ててしまったらおしまい。そういう意味で場所を問わずいつも通りの試合をした4人は素晴らしかったと思う。

▼小倉タケノコ☆ボーイズ プロレスチャレンジマッチ〜中級者編〜(30分1本勝負)
②TOSSHI & ○陽樹 & メタルラック山崎(タケノコボーイズ) vs L.O.C.キッド & 七海健大 & ×エッグボール窪田(タケノコボーイズ)
※逆エビ固め

さて、地獄といえばやはり素人にはハードルが高そうなこの試合。タケノコ☆ボーイズは一部、二部を通してアンダータイツの上に白ブリーフ着用で、これはやはり芸人らしさを狙ったのかもしれないが、逆に誰が誰だかわかりにくかった。ボケとしても微妙(そもそもブリーフブラザーズというものがプロレスですでに出ているわけだし)だし、芸人が感動売ってどうするんだ?ということもあるかもしれないが、ここは真面目にプロレスにチャレンジする姿勢だけ見せてもよかったかなと思う。せっかく頑張っていたんだから。

中級者ということで芸人同士の絡みはなし。やはり素人同士で試合したら危険だし、そこはよくわかっていたと思う。力量に応じた試合構成は大切なこと。とはいえ、今回は二人とも頑張っていたと思う。きつい練習を耐えたんだろうなというのは、試合中にほとんどギャグかましたり、なめた態度をとらなかったことでよく伝わってきた。

最後の逆エビもどうかしたらしゃちほこ固めになりそうなところまで反ってギブアップだったけど、けがのない程度に無理をしなかったのも正解。芸人というと、ともすればむちゃしがちなところがあるけれど、ちゃんとプロレスに真摯に向き合う姿勢が伝わったからこそ、会場があれだけの大コールに包まれたんだと思う。たぶんお笑いの舞台でもあんなコールはもらったことはないだろう。また機会があったら練習を積んで再チャレンジしてほしい。

▼GWA無差別級タッグ王者 決定戦(60分1本勝負)
③○ダイナマイト九州 & 小倉発祥パンチくん vs ジェロニモ & ×TA-KI
※くるっとロールケーキ

さて、実は一番勝敗が読みづらいカードがこれ。ジェロニモ&TA-KIは第二部でも試合があるわけで、ふつうに考えたら前タッグチャンプ陽樹とTOSSHIが決定戦にでてきても不思議ではない。しかし、あろうことか世代闘争でもない、ベビー対ヒールでもない(そもそも九州&パンチくんは笑いにまぜて普段からヒール以上のえげつないことをしてるし)、このカードがタッグ王者決定戦になろうとは・・・。まあここが、がむしゃらプロレスらしいところでもある。

そのうえ、昨年秋林を仕留めて以来、九州は誰にも気が付かれてないけど、実は一番波に乗っている男でもある。けがで一年以上休場したことで逆にコンディションの穴もない。よくお笑い系の選手がやる「たまに真面目モードで試合する」ということがこの2人にはない!どこでどんな試合を組まれても「普段通り」で、しかもそれで勝てるんだから始末に負えない。パンチくんは相変わらず飄々としててここのしっぽを捕まえるのもまた至難の業。お笑い系=弱いという公式はがむしゃらでは当てはまらない。それだけにTA-KIとジェロニモも対策は立てにくかったと思う。なんせ自分の土俵には、平気で相手がおりてくるのに、相手の土俵には上らせてもらえない。自分の色が消された上に負けるということが十分にあり得る相手だけにやりづらさは相当あったに違いない。ジェロニモのタマゴのみでペースをつかんで、心の連携で突破しようとした二人をあざ笑うかのようにパンチくんと九州はいつも以上にいつも通りだった。この二人によそいきとか普段着とかいうセオリーはない。タイトルマッチだろうとおまけ試合だろうと常に平常運転なのだ。

それでもヒール組はなんとか九州組の分断を狙って、場外もありとあらゆる手段も使って、こっちも見た目以上に必死になって戦っていた。しいて普段着でないところがあったとしたら、思った以上に九州組が粘ったというところかもしれない。特に九州の粘りは異様だった。そしてパンチくんもたまに使ってくる「がばいじいちゃんスイッチモード」をそこはかとなく試合にちりばめていた。しかし、それでもがんばっているモードは絶対に匂わせない。今だから、強いて思うならそうだったかもしれないというだけで、試合中は九州にもパンチくんにもタイトルマッチにかける意気込みなんかかけらも感じなかったし。だからこそ怖かったともいえる。

試合は九州をTA-KIがとらえ、場外でよりうるさいであろうパンチくんを捕獲したジェロニモが勝利を確信した?あたりで動いた。なんと二発目のスピアーをかわした九州が超スローな丸め込みでTA-KIから3つとってしまたのだ。ありうるよなとは思ってはいたものの、いざ現実になってみると、まさかの王座戴冠劇だった。

いや、しかしこの王者、誰が挑戦してきても難攻不落な感じがするんだが、年末タイトル戦が組まれるはずだし、挑戦者があらわれるのか?なんか防衛期限ぎりぎりまで何もしないという選択もしてきそうな新チャンピオンだけど、勝っても疲れるし、負けたらダメージが倍化する。この2人との試合が組まれたらある意味罰ゲームに近いものになるかもしれない。

▼メインイベント‼︎スペシャルシングルマッチ(60分1本勝負)
④×マスクド・PT vs ○藤田ミノル
※体固め

この日のベストバウトにして、たぶん年間ベストバウトになりうる試合。かつては絶対王者として君臨し、二年前スミスに王座を明け渡したとはいえ、その強さが衰えたわけではないPT。実質スミスと並ぶがむしゃらの「横綱」であることは疑いようもないだろう。しかも愛弟子・鉄生を押しのけて自分が藤田ミノルチャレンジに名乗りをあげた向上心は、その地位にあってなお、進化を恐れない姿勢をもっていることになる。人は変わっていくものに恐怖する。できれば今まで通りに過ごすことができたなら、たとえそれが不具合な感覚であってもなじみ深い理由から手放さないものなのだ。不具合を承知で今にとどまるか、恐怖を受け止めて、さらなる未知の自分に進化していくか、それを選ぶのもまた自分自身。そしてPTは後者を選んだ。まずその意気にこそ拍手をおくるべきだろう。

鉄生もそうだったが、もちろんPTも本気で勝ちを狙っていたことはいうまでもない。ただ昨年12月での鉄生は、試合中どこかで変わることを自ら拒んで負けた感じが私にはした。それが事実であるかどうかは別にして、どこかで「藤田ミノルに勝った自分」を受け入れきれなかったのではという風に感じられた。しかしPTは最初から変化などを恐れてはいなかった。そして普段なら飄々と全力勝負を煙に巻くファイトスタイルから、実は真っ向勝負が大好きな藤田ミノルを引き出した。ここでこの試合は成功したも同然だっただろう。
同時に昨年12月の鉄生との格の差を見せつけたPTのプライドがそこに見え隠れしたシーンだったと思う。

ただし!本気になった藤田ミノルがどれだけ怖い存在かは、PTはもちろん見ている我々にだって十分にわかっているだろう。目つきの変わった藤田からはあきらかに普段とは違う厳しい姿勢が読み取れた。一発一発を容赦なくPTにあびせ、本気で勝ちにいっている。そしてそれをことごとく跳ね返すPT。「さようなら」パイルを浴びても、逆に「さようなら」PTコースターでお返しをしえいくと、鉄生戦の時のような余裕は藤田からは消え去っていた。これほど追いつめられた藤田ミノルを見たのはいつ以来だろう?正直、ここまで藤田の余裕を奪い去ったマスクドPTの底力に畏怖すらおぼえるくらい、この日のPTはすごかった。やはり絶対王者はだてではなれない。ベルトを失ってもなお横綱でいられる理由がそこにはあったのだ。

最後、マイクをもった藤田がしばらくしゃべれなかった姿をみるといかに追い込まれていたかが如実にみてとれた。「何度でもやろう」と藤田側から申し出たということはPTにそれだけの価値を見出したということでもある。やはりマスクドPTは強かった。そしてそれ以上に藤田ミノルは強かった。この試合内容を越せるチャレンジャーにでてきてもらいたいところだが、今のところ思い当たる選手がいない。それだけこの試合は孤高であり、至高の死闘だったといえるのだ。

で、あまりにも熱戦が続き、二部開始7分前に一部が終わるという非常事態になってしまい、余韻を楽しむこともなく早々に会場をでるはめになった。正直ここで終わってかえっても全然よかったんだけど、やはり二部なしでは帰れない。ということで・・・・

【第2部 18:00〜】

プロレス以外の構成はほぼ同じ。ゲームには死闘をおえたPTも参加。さかんにタケノコ☆ボーイズとも絡んでいた。ただ、まあゲームの内容は一部二部でかえた方がよかったかも。そして一部ではあったコラボ漫才の代わりに、第三試合終了後、トータルテンボスが漫才を披露。この瞬間のためだけに小倉におりて、漫才終了早々に広島へ向かうという売れっ子ならではのスケジュールで動いていたのであったが、さすが全国区は違うというか、常設会場でずっと客前に立っている小倉勢の誰よりも存在感があったし、芸に切れがあった。

▼がむプロおまけの6人タッグマッチ(30分1本勝負)
①○タシロショウスケ & ダイナマイト九州 & パンチくん vs セクシーロージィ & ×竹ちゃんマン & BUSU
※ジャンピングニー

初登場のBUSUなんだが、キャラが確立してないせいか、ややお試し感があって、私の思いからすると、もうちょっとなんとかできるよね、という気がした。まあ、でも最初から出来上がってるキャラよりは、進化する過程が見られた方が思い入れも深い。とはえいえ、笑いの殿堂でデビューさせるよりはもうちょっとゆるい環境でみかかったかな?そもそもロージーはともかく、竹ちゃんマンがが、同じくしゃべらないキャラのBUSUをフォローできない事情もあって、やや微妙な空気になった。

一方1部で戴冠したばかりのパンチくん&九州はベルトをつないでトレイン式の入場。タッグベルトをつないででてくるとは・・・・こっちはいつも通りすぎて逆に感心してしまった。で試合もいつも通り。

BUSUはいちおう近づくと臭いというキャラらしいんだが、新しい怪奇派として化ける要素もあるかもしれない。笑いをとろうという姿勢もないし、このままでいくんならそういうのでもありかもしれない。

▼世代闘争対抗戦 タッグマッチ(30分1本勝負)
②○TOSSHI & 陽樹 vs ×ジェロニモ & TA-KI
※E.V.O

こっちの方が普通に考えたらタッグ王者決定戦になっても不思議ではない。だがすべてを終わって考えると、陽樹&TOSSHIには(もちろんGAM1の結果いかんというのもあるけど)ぜひ、タッグ王者挑戦に名乗りをあげてほしいのだ。いわゆる直線型でないファイターとの経験が不足している二人には試練になるかもしれない。たが、それでやがてはシングルへの道が開けるかもしれないからだ。もっとも並大抵ではないけどね。

一方、1部で完全にペースを狂わされたTA-KI&ジェロニモ組は、いつものような阿吽の呼吸が影を潜め、この試合では何かどっかがくるっていた感じがした。もちろん信頼関係が崩れているわけではないのだが、野球でいうフォームがアンバランスになってスランプになっているバッターみたいな感じがして、それがタッグワークに影響を及ぼしていたのかもしれない。試合自体は普通にこなせてた分、本人たちにもわからないわずかなほころびが勝利につながらなかったようにみえた。レフェリーの死角をつくにしても、TA-KIお得意のバンテージ外してのチョークにしろ、ジェロニモの守護神であるボックスにしろ、なんか出すタイミングがおかしかった。そう考えるとたった1試合で相手チームの阿吽も崩してしまった九州&パンチくんというのはとんでもない相手だったんだなと思わずにはいられなかった。

だが、これは特に直球型のファイターである陽樹にしてみれば、明日は我が身。現在無冠である以上、かつて二冠王にこだわっていた以上、仮にシングルをとったとしても、現タッグ王者を無視して、がむしゃらの頂点にたったとは、自分でも思わないだろう。がむしゃらプロレスはそこがこわいところなのだ。ましてや今回勝ったTA-KIにしても、用心しないと足元救ってくるタイプでもある。冷静に戻った時のTA-KIもまた難敵の一人である。9月14日に両者はGAM1一回戦であたる。勝率や過去の実績にとらわれず鉄生だけ追いかけていればいいという単純な問題でない。そういうことでいうなら、この勝利はあくまでGAM1を占ううえでは参考にはならない試合だったのだ。こう考えるとなかなか興味深かった。

▼小倉タケノコ☆ボーイズ プロレスチャレンジマッチ〜上級者編〜(60分1本勝負)
③阿蘇山 & 久保希望 & ×エッグボール田口(タケノコボーイズ) vs 藤田ミノル & ○田中純二 & メタルラック野中(タケノコボーイズ)
※ダイビングヘッドバッド

一見すると上級者だからプロとあたれたという解釈もできるのだが、本当は試合のいくらかのパートを自分で作り出す能力があるかどうかが、プロレスでいうところの本当の上級者なんで、事前にハードルあげられていた分、しんどかっただろうなとは思った。まあでもタケノコ☆ボーイズが本気でプロレスにチャレンジしてることは第一部でわかっていたので、この試合もどれだけできるか注目してみていた。で、それとは別に普段九州プロレスでは別ユニット同士の闘いなんで、普段あたらない阿蘇山対藤田、がむしゃらでも絡まない藤田対久保、あるいは純二&藤田の連携などプロ側にもいっぱい見応えのあるシーンが用意されていて、素人のよさを引き出しつつプロの凄味を伝えていかないといけないミッションになっていた。

そうそう。第1部のチャレンジマッチでもそうだったんだが、なんとか笑いをいれられるようによしもとの試合にでてない芸人さんたちが実況解説をこの試合でもいれていた。特にこの試合では芸人とプロの技があまりにも違いすぎるせいか、実況が「すごい、すごい」の連発になっていた。まあ仕方ないけどね。めちゃくちゃプロレスに詳しいわけでもないんだろうし、見たまんまいっちゃうとどうしてもそうなるし。でも生半可な気持ちではプロに挑めないということを伝えられたということではよしとしておきたい。

どうしても割にあわないタケノコたちだったけど、でも指導していただいたであろう先生方の前で必死になっていたのもまた事実。またレアルの生徒さんが磁雷矢さんといる安心感みたいなものを、どこかでタケノコ☆ボーイズの面々も、似た感覚を感じながら試合していたかもしれない。同時に第1部でいいところをみせられた分、負けてはいられないという気持ちもあったんだろう。彼らが頑張ったおかげでちゃんとしたプロレスの試合になった。だからフィニシュホールドは純二からの「合格通知」だったといってもいいかもしれない。

▼GWAヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
④《挑戦者》○鉄生 vs ×SMITH《王者》
※急降下ロケットランチャー

ダイブ式エルボーを昨年から使い出して負担がかかっていたのか、肘に爆弾を抱えてしまったスミスからは、いつものような余裕が消えていた。しかしたとえ事実がどうであろうと、そうは見せないのがスミスのスミスたるゆえん。そこに騙されてどれだけの人間が苦杯をなめてきたことか。気が付けば二年前に戴冠して以来シングル無敗。こんなチャンピオンはプロにだっていない。ましてやベルトをもったまま「横綱」の立場をキープし続けてもいる。ただ、鉄生もまた進化をしてきている。正直「いいひと」が試合にでることも多く、あと一歩が詰め切れないこともあった鉄生。しかし体はプロに並んでもひけをとらないくらい大きくなり、より鋼鉄化してきていた。頭脳戦で挑んだらスミスに勝てないことは本人だってわかっていよう。だから、スミスに無いものをいろいろ考えて、鋼の肉体を纏った鉄生の方法論は間違ってはいなかった。そして普段なら非常になりきれない自分をあえて鬼にしてスミスの左ひじへの一点集中。最初握手を誘っておいて、そこから「これが俺のクリーンファイトなんだよ」と腕攻めにつなげていった初回の件は、何か自分に言い聞かせているようだった。しかしそうやすやすと一方的に攻められるスミスではない。ロープの反動で突進してくる鉄生をリング外におとし、そこから鉄柱へダイレクトに激突させる。これで脳震盪状態になった鉄生は体から大量の汗をかきだした。昨年のGAM1はこれがもとで力尽きた鉄生。だが、あれを教訓に首回りを鍛えてきた鉄生は脳震盪を起こしながらも試合を投げることはなかった。むしろ自分がこうと決めたことをただひたすらに実直にやりぬいた。半ば意識を失いながらそれをやっていたというのはもちろん本能もあるんだろうけど、根っから実直でプロレスに対してもとことんバカになれる鉄生の素の部分がいい方向に作用したとも思える。この根っから実直だからこそ、ヒールを徹底的にやりきることのみにベクトルが向いていたのが今までの鉄生であった。

でも今回勝とうという意識が、人からどう思われようと己の信じたものを貫き通したいという形で、上回ったんだと思う。実は我々が見たかったのはそこの部分で、単に顔がこわいだけの悪役ではない、信念をもって試合に臨んでそれをやりきる鉄生の姿だったのだ。

最後、意識朦朧となりながらセコンドのTOSSHIの「フォールいけ」の声に気が付かなければ、たとえコーナートップにのぼれないほど、足元がフラフラの状態になってなお、この日の鉄生は何度でも急降下ロケットランチャーを放とうとしただろう。そのくらい愚直に自分の必殺技で決めたいという技への執念が、スミスをほんの少しだけ上回った。今まではスミスが常に相手も観客をも驚かす奥の手を用意してきて「手札を隠した者が勝利する」という図式を作ってきた。が、鉄生は今までの挑戦者が決め手を返されて投げ出してきたフィ二ッシュを、最後まで投げ出さずに使い切った。ここに序盤の一点集中が功を奏して見事勝利を飾った。この差は実はとてもでかいと私は思う。

だが、正直に言うとダメージのでかい鉄生はなんとかマイクで締めたものの、どっかうつろ。まるで体よくKOされた敗者のようだった。陽樹の乱入で少し元通りになったとはいえ、やはり今の勝ちはどうしても「金星」に見える。だいたい強い相手に勝つたびに今回のように消耗していたんでは、「横綱」の位置は程遠いだろう。それは陽樹でも同じことで、実は年末のビッグマッチのメインが「今の」陽樹対鉄生では正直「ふさわしくない」とすら思ってしまった。今回の勝利にケチつけるわけではないんだが、なんとなく鉄生に「稀勢の里」臭がしたというか、スミスがまだ依然として「白鳳」でいる間は「ベルトを預けられている」ようにしか見えないのだ。

で、あれだけ大横綱に土をつけている稀勢の里当人が、今横綱になっているのかといわれたらなれてないどころかどんどん遠ざかっているのが現実。横綱に勝てば勝つほど期待を裏切っている現状を考えると、この一戦で燃え尽きるような闘い方をしていたんでは、今後ベルトの価値を本当に鉄生が高められるのかどうかは、はなはだ疑問なのだ。

とはいえ、難攻不落のチャンピオンに土をつけたのはまぎれもなく鉄生の努力のたまものであって、これに異論はない。ただ、今後は鉄生自身のチャンピオンとしてのビジョンをより明確にしていかないと、GAM1の優勝者をなんとかできても、その次にまたスミスがでてこくることは容易に想像がつく。前回PTに負けてからのスミスが本当にしつこいくらいPTに絡み続けたことを思うと、このままですましてくれるとはとても思えない。ましてやその絡まれていた、師匠PTだって黙ってはいまい。鉄生の横綱ロードはやっとこれからスタートしたとしか今は言えないなあ。今後どういう風景をみせてくれるか、私も注目してみていきたい。でもこれは実力でとった勝利だから本当に鉄生にはおめでとうと心から言いたいし、今はただよろこびにひたっていてもかまわないと思う。

最終的に1部2部あわせて6時間のロングラン興業だったけど、YY劇場は北九パレスをちょっと小さくしたような広さ。もともと劇場なんで、音響も照明も抜群にプロレス向き。いっそプロレスオンリーイベントでも、常設会場になってほしい場所だった。実際小倉駅から徒歩で行けて安い駐車場に隣接している地の利、そして舞台装置や音響が全て整った環境面、あとはオタク層にもアピールしやすいあるあるCITYという建物の性格も考えたら、プロレスとの親和性はとても高いと思う。まあ、よしもととのコラボに反対しているわけではないし、タケノコ☆ボーイズの頑張りも素晴らしいと思ったから、彼らには劇場だけでなく他の大会にも定期的に継続参戦はしてもらいたい(もっとも彼らがでると撮影禁止になっちゃうんでそれも痛し痒しなんだが・・・)ところ。いずれにせよ事前の諸々のご苦労(特にマスター)を考えると本当にこんな素晴らしい大会を見せていただいけたことにはだただ感謝するしかない。本当にありがとうございました。

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イベント試合 第8回吉岡稔真カップ争奪戦『小倉競輪イベント~GAMSHARA WRESTLE KINGDOM PartⅡ』観戦記 (2014年8月23(土)北九州メディアドーム)

イベント試合 第8回吉岡稔真カップ争奪戦『小倉競輪イベント~GAMSHARA WRESTLE KINGDOM PartⅡ』観戦記 (2014年8月23(土)北九州メディアドーム)

写真はこちらから

本年二度目のメディアドーム大会。前回の反省を生かし、リングがドーム中央に、端に歌のステージがあり、子ども向け遊具も設置。ただし、全てがレース開催が前提になっている。わずかばかりしかいない競輪目当ての有料入場者と競輪が優先されるメディアドームルールは相変わらずである。これはがむしゃらプロレスに文句言ってるのではなく、ドームの運営もとの北九州市にいいたいのだが、競輪場としては、一般客に競輪の魅力を知ってもらいたいたくて、こうしたイベントをうってると思う。だが、正直もうその訴求効果はないんではないだろうか。競輪場なんだからまず競輪ありきでいいじゃないかというかもしれないが、イベント主体にするか、競輪オンリーで勝負するかしないと、アリーナのお客が有料のスタンド席に移動してくることはもう考えられないように私は思う。だいたい仮面ライダー鎧武のショーにはたくさんの子どもがつめかけ、撮影会にはスタンド席の客の数倍の列ができる有様がそれを証明していよう。レース中の鳴り物禁止に伴い、BGMすら流れないアリーナはただですら閑散としているのに余計に寂しさを増すばかり。イベントもレースにあわせるため、全ての催しがぶつ切りになる。せめてプロレスの試合中はビジョンに競輪うつさなくてよくないか?と、イベント目当てで来ている私なんかは思ってしまうのだ。ハンディカメラがないから新日本みたいにリアルタイム映像でなくていい。ただ、カードと選手写真がうつしだされるだけでだいぶ雰囲気も違う。おまけに音が上に抜けていくドーム独特の音響と全然冷えない冷房(試合終了後外に出たら外の方が涼しかったくらい)もあってとにかくこの日は試合に集中しづらかった。

第1試合(14:30〜)
GWA Jrヘビー級選手権試合(30分1本勝負)
《挑戦者》○L.O.C.キッドvs●TA-KI《王者》

観客的にもやる気がでないなか、臨時レフェリーの久保さんにしろ、闘ったふたりにせよ、モチベーション維持がたいへんだったのではないだろうか?キッド的にはドームの借りをドームでかえしたい気持ちはあっただろうけど。救いは前みたいにレース開始前には試合を終わらせないといけないプレッシャーからは解放されていたことぐらいか。ぶっちゃけ見る側も翌日のあるあるCITYが本番というイメージが強いし、そういう意味では気の毒なカードだった。一度目はがむしゃらプロレスの夢が結実した感動があってスカスカな入りでもそれなりに思うところがあったけど、二度目もドーム側の対応が同じじゃなあ。

そんな中ふたりは本当によく闘ったと思う。基本的な技の攻防から派手な技の応酬までやはりこのふたりにしかできない試合をしていた。ただ、チャンピオンが気の毒だったのは、翌日もタッグのタイトルマッチが組まれ、しかも相手がパンチくんとダイナマイト九州という、ある意味マスクドPTとスミスが組むより面倒な相手と闘わないといけないのが、モチベーション維持の点では難しかったかもしれない。

そういう意味でジュニアのベルト一本に固執していたキッドの執念がわずかに上回ったということかなあ。試合後YASUがリングにあがり、師匠キッドに春のジュニアトーナメントで得た挑戦権行使を表明。師匠越えとタイトル奪取の両方を宣言してやっと世代闘争らしいシーンをみることができた。ジュニアの派遣はやはり若い世代が挑まないと、面白くないからね。

第2試合(17:34〜)
プロアマ混合8人タッグマッチ(30分1本勝負)
藤田ミノル & ●TOSSHI & 陽樹 & 鉄生 vs 久保希望 & ○SMITH & YASU & ジェロニモ

1部と2部の間に観戦記を書いて、別ステージでの仮面ライダー鎧武ショーを楽しんだ後、
再びアリーナに戻って鎧武とバロンとの撮影会が行われた。その列の中になんとドバイからわざわざドン・タッカーが降臨していたのが面白かった。あとで聞いたら鎧武は友人だという。わざわざ駆けつけるとはさすが!

さて、スタンド席が相変わらず閑散としてる中、撮影会も終わらないうちに反対側ではトッキュー1号の撮影会がはじまってしまった。どうしても競輪のレースの幕間でイベントは絶対におさめないといけないらしい。イベント主体で見に来てて競輪はどうでもいいとおもってる私にとってはせわしないことこの上ない。実はこれだけ余裕とってなお、レースの邪魔にならない配慮をしないといけないというのが、なんとももどかしい。やっぱりレースありきのイベントの開催はもう無理だとしかいいようがない。

そういう意味でいうと第一試合もそうだったけど、この第二試合はもっとせわしなかった。
それでも見どころはたっぷり詰め込もうとしたんだろう。普段なら味方3人の陰に隠れて絶対楽をしてそうなスミスが、翌日対戦する鉄生や、春に対戦したTOSSHIと積極的に絡んでいたのが、意外といえば意外だった。かたや藤田ミノルもこれまた積極的にがむしゃらメンバーとからもうとしていた。特にジュニアの次世代を担うYASUにはかなり厳しい攻撃をしかけていた。
ほかにも相変わらずの火種になっている鉄生と陽樹の絡みや、意外と新鮮な久保対藤田などもっとみたい絡みがたくさんあったんだけど、乱戦につぐ乱戦でどさくさまぎれに一斉攻撃を受けたTOSSHIがスミスのダイビングエルボーで沈んでしまい、第1試合同様やっぱり約9分で試合終了。翌日GWAヘビーに挑戦する鉄生は体も一回り大きくなっており、スミスを迫力の攻撃で吹っ飛ばしていた。それぞれが思惑を抱えて、その中で、できる範囲での前哨戦という形にはしていたと思う。

試合終了後、仕事の関係でそうそうに立ち去らざるを得なくて試合後のイベントには参加できなかったけれど、やっぱりこの会場でプロレスはあまりみたくないかなあ。がむしゃらのよさも競輪の魅力もこれでは伝わらないと思う。レースありきというよりイベントに丸ごと貸し出すくらいのことをしないと、メディアドームはいつまでたっても不良債権よばわりされていくんだろうなあと思わずにはいられなかった。競輪という要素をさっぴいてもドームでみるプロレスはどうしても大味になるし、それが満員ならまだしも閑散としてると本当にうすらさびしいものがある。まあ翌日にも大会があって、場所が劇場だけにより集中しやすい環境こともあるんで、今回はまあしょうがないよねというところで済ませておこうと思う。本当がむしゃらでなくても、こういう競輪ありきの形式で試合したら、どの団体も名勝負は生めないだろうね。まあメディアドームという普段はいらない会場でプロレスをみられたという記念にだけはなったかな。

プロレスリングゼロワン・若松イオン大会・いじめ撲滅!元気はつらつ!観戦記(14.8.13水 於:イオン若松1階セントラルコート)

プロレスリングゼロワン・若松イオン大会・いじめ撲滅!元気はつらつ!観戦記(14.8.13水 於:イオン若松1階セントラルコート)

写真はこちら

毎年きてるゼロワン&イオン若松のコラボ試合。今年はイオンモール香椎浜との二連戦。実はなかなか予定が合わずに今まで行けてなかったんだが、今年は意を決して行ってみた。意を決してというのは、この日関門花火があったためで、行きはいいけど帰りが大変不安だったからだ。14時開始の16時終わり。道路規制が始まるのが17時。若松から門司港まで順調にいけば17時を超えることはない。が、行きは行きで、お盆の帰省渋滞があってどっちにしても余裕がないといけない。週末仕事になっちゃった分、もう休めるのがこの日しかないということで、早々に墓参りもすませて若松へ向かった。

14時前になってぼちぼち人が集まり始めると、オッキーや大谷や横山がでてきて、まずは子どもプロレス教室の準備。北九州の子どもはリング慣れしてるのかあまり物怖じしないのが面白い^^ロープワークも受け身も全然嫌がらないし。見てて楽しかったし、何より子どもを見ている大谷の目がとても優しい。やはり塾の先生として数多くの子どもと接してきた大谷パパの遺伝子はこういう所にも生きているのかもしれない。

ちなみに実況のオッキーが「この後バスで東京戻ります」と盛んにアナウンスしていた。で、カードも「あえて」香椎浜と同一カードなんだそうだ。しかしイベントというとだいたい日本人選手で構成されるこうしたイベントプロレスに外国人枠を用意してるのがゼロワンの魅力ではある。こういう場所で外国人選手をみるというのは他の団体ではそうはない。そういう意味ではゼロワンらしさというのが一番いい形で生きるのがこうしたイベントプロレスだと思うのだ。

第一試合:○阿蘇山 対 ●マッシモ・イタリアーノ

レフェリーはこういう時によく呼ばれる九州プロレスのケニー田中さん。しかしなぜかオッキーはケニーさんの選手時代のリングネーム「アーバン・ケン」レフェリーとずっと呼んでいた。いや、バトラーツこっちきてないから、ケニーさんは知っててもアーバン・ケンは誰も知らんと思うぞ^^そもそもアーバン・ケンでレフェリーやってたことあったか?でも本人が特に何も注意してなかったんで、そのままスルーされた^^

で、よくよく考えると阿蘇山選手の対外国人選手とのシングルマッチというのはかなり貴重だったりする。ホームの九州プロレスではまずないことだし、体の大きさを生かす闘いというのが見られるのはうれしいことでもある。何よりこういうイベントプロレスではわかりやすいのが第一だし。
マッシモ・イタリアーノというのはゼロワンお得意の無名の外国人選手かなと思っていたらFBにファンページ持ってるくらいの知名度はもっている選手だった。いや、世の中にはまだまだ知らない選手がいるもんだ。実況のオッキーは盛んにイタリアの伊達男にしたかったみたいだけど、ファイトスタイルは極めて実直だった。イタリアキャラというのは入場時国旗もってこなかったらわからなかったし。190センチ台の長身を生かした闘い方をしていて実際身長もさることながらリングで見たときにもかなりでかく見えた。

でもやっぱ阿蘇山と真っ向勝負して絵になるというのは貴重な戦力だよなあ。惜しいのはいつもゼロワンの外国人ってどこからともなく現れ、気が付いたらいなくなってるんで、こういう機会に見ておけるのは結構レアな体験でもあるのだ。だからこのマッシモも次見に来たらいないということもあり得るわけで^^

試合は阿蘇山が貫録の勝利で、まあこれは仕方ないことだったんだが、面白いのは選手控室が二階にあるらしく入退場をエスカレーター移動していたこと。半裸の大男が買い物客に混じってエスカレーター使ってるさまはかなりシュールだった^^

第二試合:大谷晋二郎&●横山佳知 対 ○デーモン植田&ジェイソン・リー

いじめ撲滅ということで、対戦相手が見るからに悪役なデーモンになったのは仕方ないとしてなぜそのパートナーがジェイソンなのかはよくわからない。実況でも18歳の時に単身香港からプロレスを学びに来日して・・・と結構苦労人アピールしていたし、そもそもがカンフースタイルでベビーっぽいジェイソンが「いじめ」側にいるのはどうかとは思ったが、まあ今いるメンバーで都合がついたのがこのメンツなんだろう。あまり深く考えても仕方ない。

新日にいたときの大谷からは想像もつかないが、今の大谷は、こうしていじめ撲滅チャリティーで全国回っている(というかゼロワンの地方大会はこのパターンか、大花火しかないし)経験値がこういう場所を選ばない芸風に拍車をかけているというか、メジャー出身とは思えないくらいこういうイレギュラーな場所でのプロレスが似合うんだよなあ。横山を引っ張りつつ、「本当に強い人はいじめなんかしない。何度でも立ちあがってくる」というイベントのテーマ通りに試合を組み立てていた。やっぱ余計なストーリーなんかがあるよりこうしたシンプルな大会の方がゼロワンらしさを満喫できる気がする。

そうそうデーモンになってからの植田も単にもとアームレスリングチャンプという肩書しかなかった頃より活き活きして見えた。まあ今さらデーモンっていうべたべた感はあるんだけど、でもこういう今更感も含めてそれがちょうどよくなるのがイベントプロレスのいいところだったりする。

試合は思いのほか白熱し、一進一退の攻防に。途中、エスカレーターの上りで大谷がデーモンにコブラツイストをかけて、下りでは逆にデーモンが大谷にコブラをかけ返すというイオンお約束?の場外戦など、かなり自由度が高すぎる展開があちこちで展開されるのもこういう会場ならではというか、自由すぎて逆に大人が子どもより面白がっていた。FMWが先鞭をつけ、DDTが発展させたストリートファイトの発展形のひとつといってもいいかもしれない(でもDDTだともっと自由にやりそうな気もする^^)。

子どもプロレス教室も結構長かったんだけど、決してくじけないレスラーのファイティングスピリッツを余すところなく伝えようとしたせいか、二試合しかないのに時間があと30分もないという有様に。まあこんなことやってたら普通に試合するより時間食うよね。終盤横山がデーモン組につかまって、大谷が何度も救出に入るが、そのたびに根性でキックアウトしていく横山に歓声が集まる。とうとう子どもたちをリングサイドに集めた大谷はその子どもたちに「大谷コール」や「横山コール」を促す。

しかし、デーモンも今が旬な選手だけあって、香椎浜からの連敗は避けたいのか、結構ペイントがはげても必死に攻撃を加えていく。最後はジェイソンの好サポートから、デーモンが粘る横山を撃沈。負けた横山はしばらく大の字になっていた。

試合後は子どもたちを再びリングに上げたのち、大谷先生の講義があって、最後は「3.2.1.ゼロワーン!」で締め。そして全員がそれぞれのコーナーでサイン&撮影会。こうしたイベント試合でサインや写真をもらえるのはいい記念になると思う。私も次あえるかどうかわからない外国人勢にはサインをもらって会場をあとにした。本当はもう少しゆっくりしたかったんだが、なんせ花火のことが気になっていてやむを得なかった。今度は冬にもまたくるらしい。ゼロワンらしいゆるさと、夏よりも熱い大谷のファイトがひと夏のいい思い出になった。初イオンだったけど、また時間があったらきてみたい。これ書いてるころはもう東京に戻る車の中だろうな。おつかれさまでした!

九州プロレス筋肉山笠14‘博多スターレーン大会観戦記

九州プロレス筋肉山笠14‘博多スターレーン大会観戦記(14.8.10 博多スターレーン・観衆 1,750人(超満員札止め)

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ご注意!
*表現に厳しめのものがありますので、九州プロレスのファンの方は読まないでください。
反論は受け付けません!*

この日のためにTVコマーシャルは流すは、週プロの裏表紙に広告いれるはと、とてもNPO法人とは思えないなりふり構わなさで迎えた初のスターレーン大会。正直ボブサップのギャラをペイするには、スターレーン全面を使用しないとやってられないっていう台所事情が丸わかりだが、こうまで露骨に金もうけしていいのか?NPO法人が。まあ最後は利益率でいえば満員にしても赤字という西鉄ホールよりは、若干まし程度に収まるんだろうけど。

あくまでも個人的な見解だが、筑前りょう太と言う人は、とても魅力的な人間だと思う。レスラーとしての資質も申し分ない。だが、それに反比例してプロデュース能力は非常に微妙なのだ。こればかりは人柄とかは関係ない部分なんでどうしようもないが、まあマッチメークにしろ、選手ブッキングにしろ、会場のセッティングにしろ、とにかく底が浅い。理事長の経歴や交友関係からファンが簡単に推測できるものばかりで意外性に恐ろしいほど乏しい。だから、会場のスモークを焚いてるところとか、でかいビジョンを使ったり、花道演出があったりというのは、筑前の中のビッグマッチのイメージが、かつて魔界倶楽部として在籍していた当時の新日本のイメージそのまんまだからだろう。で、この日の大目玉ボブ・サップもその当時新日にあがり、魔界倶楽部にいたこともあったし、IWGP王者にもなっている。

だがその新日本は今、同じスターレーンをフルハウスにしても、そのやり方が大きく異なっている。たとえばスクリーンの設置もわざわざお客さんの出入り口の前においたりはしないし、入場ゲートも2つ作る。花道も二方向に作り、非常時を考慮してシャッター前に売店を設置しない。お客さん用の入退場がスムーズにできる工夫を随所に施している。その最新の状態を知っていると、筑前の頭の中で時がとまっている新日本のイメージはどうにもこうにも古臭いように映ってしまう。そこに満員のお客さんを入れてしまったから余計に始末が悪かった。だからこそこれを成功例と考えて欲しくないのだ。なぜならそういうセッティングもそうだけど、会場でみる顔が結局九州プロレスを見に来てる客層がほとんどで、私の周りも知り合いだらけ。確かに一見さんもいたであろうけど、これが次回じゃあ西鉄ホールにそのままスライドしてくるかどうかはかなり疑わしい。

OPを飾ったLINQも確かに前にオープニングアクトをつとめてはいるけど、じゃあ今なんでLINQなの?ってところの説得力が乏しすぎる。今やメジャーになったLINQはなんか、手作り感のあった九州プロレスの「普段着」にはマッチしない存在になっていたと思う。この辺もなんとなく昔の新日のドーム大会で「?」になった部分とクロスオーバーしていた感があった。

で、さらに悪いのはそのお金かけました的なビッグマッチ感はNPO法人という組織のイメージからすると食べあわせが悪すぎるのだ。だから会場にいてもずっと違和感ばかりがまとわりついていた。

第一試合:【南九州新名物レスラー誕生】30分1本勝負
●白くま(10分15秒 ローリングクラッチホールド)藤田ミノル○

桜島なおきが初めてレスラーをプロデュース。鹿児島名物「○○○○」が6周年大会の舞台でレスラーとしてデビュー!というあおりがあったんだけど、正直これって今月末の鹿児島大会への布石の一つなんだろう。大きな会場でお披露目をしておいて、それを引っ提げて鹿児島をも成功させようという目論見自体は悪くない。だが、問題はその新キャラを本当に長続きされる気があるの?ってこと。だいたいどれだけキャラがでてきて、その多くがいつの間にかいなくなっちゃっているだろうか?ばってん×ぶらぶらはそれを逆手にとってネタにしたけど、実際問題ギラン兄弟なんて北九州にしかでてこないキャラになっちゃったし、正直残っているのはじいちゃんくらいでしょ?

で、出てきたのがしろくま!アンコ型の体型に白くまの着ぐるみマスク。ゆるキャラというより微妙に怖い。確かにこういう海のものとも山のものともつかないキャラの相手には、
職人藤田ミノルはうってつけだろう。でも・・・以前、GENTAROが頑固プロレスの第二試合に出たとき、「GENTAROの無駄使い」といわれたことがあった。悪い方に考えるとこれも「藤田ミノルの無駄使い」なんじゃないの?という話なのだ。

藤田がマスクに手をかけると、ようやく獣の本性を出すしろくまは怒りに震え、睨みをきかせ、アメリカンなパンチのラッシュから、重量級の体を活かし、フライングソーセージ。
ツームストンパイルドライバーを狙う藤田の背中に、爪を立てて逆襲、ローリングクラッチは踏みつぶしとまあ見せ方は一通りこなせる選手でほっとはした。
最後もローリングクラッチで丸め込みという傷つかない終わらせ方で職人藤田の面目躍如。
だが、藤田本人も望んでいて、ファンも待っている日田丸との再戦こそこういう舞台にはふさわしかったのではないだろうか?その疑問だけはずっと消えずに残ってしまった。

第二試合:【ばってん試練の7番勝負!〈第3番〉】20分1本勝負
●ばってん×ぶらぶら(9分4秒 片エビ固め ※がばいトーンボム)がばいじいちゃん○ & 伊藤麻希(LinQ)

記者会見後、九州発アイドルグループ・LinQの伊藤麻希が突然現れ参戦表明!で、ばってんと一触即発状態に。あおりVはなかなか面白いというか因縁の作り方は丁寧でよかったと思う。特にばってんに「お前、両国国技館にあがったことあるのか?」とレスラーとしても芸人としても痛い所をついたのはよかったと思う。また高木三四郎に勝ったといっていたけど、まあDDT参戦をなかったことにしなかっただけでもよしとせねばなるまい。まあなかったことにしてしまうと、年末のDDTに参戦できないし^^

で、ばってんののぼりをぶち壊しながらの伊藤の入場はもはやアイドルのそれではない。そこでばってんは伊藤を不細工アイドルとののしると、逆に伊藤は「試合に勝ったら、整形費用を出せ!」と要求。パートナーとしてじいちゃんを呼び込んだ。高齢者とアイドルの異色タッグは、息ぴったりかと思いきや、いきなり伊藤の得意技ヘッドバッドがじいちゃんに誤爆し、じいちゃん戦闘不能になるという大ピンチに。ばってんはここぞとばかりにアメリカンな悪役殺法を全開にさせ、ロープ顔面こすりつけ、しゃもじお尻ペンペンなど、会場すべてを敵に回し、大ブーイングの嵐を巻き起こす。だが、ご当地エルボーだけは、なぜか大合唱になるという不思議^^

そうこうしているうちにじいちゃんも戦線復帰。ロープ渡りからいいところをみせていたが、ばってんから杖を奪われ、急所を打ちつけられると「がばいスイッチ」がオンになり、高速のドロップキックで場外に吹き飛ばし、さらにノータッチの宇宙人プランチャ!首切りポーズからのパワーボムを狙うが、これは腰痛で失敗!ここから再び、伊藤のロンリーバトルとなってしまう。が、伊藤はばってんを振りほどくと、強烈な急所蹴り。そこへ、じいちゃん&伊藤のWチョークスラム!ダウンするばってんに、伊藤の倒れ込みへッドバッドから、じいちゃんのがばいトーンボムが決まり、そのまま2人で押さえ込んで3カウントを奪取。まあ試練の勝負という割には、ばってんの許容範囲は超えないカードではあったけど、面白かったのでよしとしよう。

第三試合:【博多⇔鹿児島 九州縦断バトル】30分1本勝負
●めんたい☆キッド(6分56秒 グランドコブラ )桜島なおき○

九州マットで再デビュー後、連勝を重ねる桜島が対戦相手に“エース”めんたい☆キッドを指名。大舞台でエースの座を狙う!という構図もうがった見方をすれば、鹿児島大会への前ふり。しかもだいたいめんたいが旗揚げメンバーの意地を騙ると負けるというのは、もはや敗戦フラグ化しいている。桜島を売り出したい気持ちはわかるのだが、こうもあっさり連勝を許してしまうのが彼のためになるのかどうか?勝敗が己の商品価値には関係ないとまで言い切れる立ち位置にまできていない、めんたいや純二をこうもあっさり使い捨てる感じがするカードを立て続けに組んでくる思惑にはいささか興が覚めていた。

とはいっても外見に似合わず実直なレスリングをする桜島は、拷問コブラ、ロープ絡みコブラ、コブラからのスープレックスなど、コブラツイストにこだわり、めんたいの動きを止める作戦に出たが、これは好印象だった。それでも、コンディションのいいめんたいは、トップロープ飛び乗りミサイルキック、背面エルボー、めんたいドライバーと飛ばしまくる。この安定感が実は曲者だったりするんだけど、案の定めんたいは、コーナーtoコーナーミサイルキックからの必殺めんたいスプラッシュを、読んでいた桜島にかわされ大ダメージを負うという雲行きに。その一瞬の隙に、めんたいをグランドコブラに捕らえ3カウント!確かに内容は悪くなかったが、プッシュの仕方があざとすぎるんだよねえ。何か新日が売り出しに必死になっていたころの棚橋や中邑をみてるみたいで、やっぱどっか作られた感があるのが今の桜島にはマイナスになっていると思う。勝負どころはやっぱ鹿児島終わってからになるだろうね。

第四試合:【台風ラストラン~山笠のあるけん博多たい!】20分1本勝負
田中純二 & ウォーターマン日田丸 & ○台風
(16分41秒 バックドロップホールド )
旭志織 & キシャーン● & 若鷹ジェット信介

気象予報によると「2008年以降、九州プロレスに定期的に上陸しては猛威を奮ってきた台風は、この日、福岡市博多区・博多スターレーンに上陸後、大分地方の東の海上に移動し、温帯低気圧に変わり消滅するでしょう。」・・・という体で、6月大会で、半年ぶりの復帰を果たしたものの、完全復活とならず、無念のドクターストップで引退を決意した台風の引退試合がこれ。皮肉なことに今まで散々貢献してきた台風のラストマッチがこの日のある意味目玉になってしまった。九州一愛された自然災害だけに、大台風コールもおこり、これだけはけちのつけようがない雰囲気になっていた。実際でもケチつける要素はほとんどなかったんだけど、容赦のない台風一人狙いで、ロンリーバトルを強いられながらも息を吹き返し、ジェットにモンゴリアンチョップ、さらに、純二と日田丸の援護を受け、台風串刺しラリアット。しかし、旭組は絶妙のチームワークとスイッチで畳み掛け台風を孤立無援にしてしまう。日田丸と純二をガッチリ卍で捕らえ、キシャーンがボストンクラブで仕留めにかかる。絶体絶命の台風は純二と日田丸の気持ちに応えるべく、最後の力を振り絞り、キシャ―ンに二度のバックドロップホールドで完全勝利!引退試合を勝利で締めくくった!

続く引退セレモニーでは、旭組もノーサイドで台風を労い、ほかの選手たちも続々リングサイドへ。10カウントゴング、ラストコール、胴上げ、さらに、めんたい&純二&ばってんの騎馬に乗り、ファンに別れを告げながらリングを後にした台風。正直さびしいものがあったし、昔ならよくありがちだった「辞める辞める詐欺」の引退とは性質が違うものだったことは理解できた。正直台風の存在が九プロを見始めようというきっかけになったのは事実なんでさびしくはなる。これだけの観客が惜別のためにかけつけたといっていいので、やっぱこの日の大入りの立役者は台風であったことは間違いないと思う。

第五試合:【激突!九州×大阪 筋肉大戦争!】45分1本勝負
○玄海 & 阿蘇山(19分38分 片エビ固め ※玄海灘 )ゼウス & ザ・ボディガー●

6月1日の大会リング上でアピールした時、ゼウスは「本当はシングルのベルトに挑戦したい」といっていたのだが、「大人の事情」でサップ対筑前が決まっていることを踏まえてタッグ戦になったのがこの試合。はじめにいっておくと試合自体はこの日のベストバウトだった。

ゼウスは、いつも通り入場ゲートでフライパンをぐにゃぐにゃに曲げ怪力を誇示。ボディガーは軽々、玄海をリフトアップし、阿蘇山に投げつけるなど、驚異のパワーを見せつける。プロレス自体はそれほど目を見張るものはないんだが、全日の秋山が意外とこの二人のプロレスに対する姿勢を高く評価していて、全日にも継続的に参戦を続けている。そのせいか大阪時代より若干スキルがあがっている感じがした。もちろん殴る、蹴る、激突するの筋肉バトルがメインであって、決して小技とかは使ったりしないんだけど、5分過ぎ、戦場は場外へ移り、ここから玄海とゼウス、阿蘇山とボディガー、互いに激しいどつき合いが繰り広げられる。しかし武闘派を謳いながら意外とこういう荒っぽい闘い方を体験していない玄海は、ゼウスに硬いフロアで叩きつけられるとダウン状態に。さらに阿蘇山はボディガーに鉄柱攻撃を受け脳震盪状態になり戦線離脱。玄海は、長時間捕まる展開へもっていかれ、苦戦防戦一方。

なんとか一矢報いたい玄海組は復帰した阿蘇山と猛反撃に転じるが、ボディガーは、玄海&阿蘇山2人まとめてぶっこ抜きブレーンバスター。玄海へは、巨体が一回転するほどの強烈なラリアット。そこから玄海灘につないで、難敵ボディガ―から完全フォールを奪った。死力を尽くし合った両軍は、互いの実力を認め合いノーサイドでガッチリ握手・・・というのは内容踏まえていえば至極当然なんだが、これで九州プロレスがベルトを外に流出させないという方向性ははっきりしてしまった。ゼウスのベルト挑戦もVではなかったことになってるし、武闘派なら次はシングルでやってやるっていうのが筋だろう。それをしないで和解してエンドという流れがなんかひっかかるんだよなあ。せめて他団体流出→他団体に乗り込んで奪取という流れくらい作らないと九州プロレスの中だけでベルト回しあいこしても面白くないんだよなあ。このあたりも悪い意味で猪木以降の新日イズムを踏襲してしまっている感じがした。内容悪くなかったんだけどねえ。

第六試合:【筋肉山笠’14~九州vs世界~】60分1本勝負
○筑前りょう太(11分4秒 逆さ押さえ込み)ボブ・サップ ●

筑前は「サップに負ければ引退」と表明。自ら退路を断ち、レスラー生命を賭け野獣へのリベンジに臨む!けがの具合が思わしくない筑前の復帰戦だったが、筑前の二連敗→理事長兼プロデューサー専任と予想した人が意外と多かった。その流れは考えなくもないんだが、冒頭で書いた通り筑前のプロデュース能力はそれほど高くないので、専業にされるとただですら人気者の台風を失った九プロが坂道をころがりかねない。超満員で膨れ上がった初進出の博多スターレーンでいいところみせようというレスラーとしての欲が勝つのではないかと思っていた。

とはいってもサップ自体旬が過ぎた選手でおまけにプロレスはへたくそ。ただしビジネスマンとしてはメチャクチャプロレスをわかっているので、野獣ぶりは健在な感じで自己プロデュースを施していた。ハイアングルのボディスラムチョークスラム、アメフトタックルで筑前を吹き飛ばすあたりはやはり圧巻。

そこで筑前はサップのパワーを封じる作戦にでたのだが、これがまた古きよき時代の新日のムーブばかり。腕折り3連発から卍固め。腕ひしぎ逆十字にドラゴンスクリューから4の字固めとどっかでみたようなシーンのオンパレード。もともとあった技もサップが相手だと無理してるようにみえるのでこういう技もの系にいたのかもしれないが、そこはやはり普段やってない分、引き出しをあけるとそれしかなかったということなんだろうか。悪くもよくもベースが魔界にあることだけははっきりした筑前の攻撃だった。

鹿児島でサップに敗戦を喫したビーストボムはカウントぎりぎりで跳ね返す。フラフラの状態でスピアーを食らうもこれもなんとか跳ね返す。筑前青息吐息状態。2度目のビーストボムまで喰らってもうダメかと思いきや、ドラゴン殺法のひとつ、逆さ抑え込みで辛勝という結果に。

試合後、「チャンピオン玄海!そろそろ返してもらおうか? 俺の挑戦、受けてくれや!」
と玄海を挑発。なるほどこれがゼウスがいった「大人の事情」ってやつね。当然筑前戦は以前から熱望していた玄海はこれに受諾の意思表明。結局引退試合どころか復帰戦で挑戦権まで得てハッピーエンドという結末に。皮肉にも今の新日がこの旧態依然とした流れを裏の西武ドームで踏襲していた(中邑対オカダでオカダの優勝→IWGP挑戦)ことを考えると「なんだかなあ」という感じになってしまった。結局団体内でもち回ししてるベルトって何の意味があるのかなあ?ずっとそんなこと考えていて大成功に終わってよかったはずなのにどうしてもすっきりしなかった。

ラストで、サップバージョンの「にわか面」をプレゼントし、サップも一緒に「九州ば元気にするバイ!」で九州プロレス最大のビッグマッチが締めくくられた。このあたりをみても、サップは自分がその瞬間、その瞬間でどう見られているかをよく心得ている。くどいようだが、プロレスはヘタなんでこの自己プロデュース能力の高さを逆に筑前にはぬすんでほしかったんだが、まあ試合してたらそれどころではないだろうけど。
そのサップのおかげでラストがきれいに決まったのは救いだと思う。でもこれを踏まえて来年またスターレーンでやったら今度はたぶん全面使ってはできないだろう。そのくらい背伸び感があったのだ。やっぱこの器に筑前のプロデュース力は追いついていない印象は最後までぬぐえなかった。全体的にいい大会で締めも悪くなかったのになんかコンマ1ミリ違和感が残ったという、とても不思議な大会だった。全体的にはとても面白かったのにこういう観戦記書くことになろうとはなあ。やっぱ日にちが過ぎて冷静にふりかえると、違ったものの見方になっちゃうのかな?

だが、まあ北九Zを振り出しに3つの興業どれもが当たりだったという事実は、私の中では変わらない。そして九州プロレスがスターレーン大会を成功させたのもまた事実。それは素直に賞賛したいと思っている。

プロレスリング華☆激『博多☆エストレージャ』~復活平成維震軍~観戦記

プロレスリング華☆激『博多☆エストレージャ』~復活平成維震軍~観戦記
(2014年8月9日(土)さざんぴあ博多・2F多目的ホール)


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折からの台風11号の接近に伴い、前日ぎりぎりまで交通手段の確保が最大の難関になってしまった。土日なんで小倉~博多間往復3090円の新幹線がベストではあったんだが、それも列車が動かなければ何にもならない。最悪会場まで車で乗りこむかどうするか?最後まで悩んで翌朝・・・なんと台風は微妙にそれて、外は風どころか雨すら降ってないではないか!やはり最初からあきらめていては何も始まらないのだ!

中に入るとすでに列ができていた。越中効果もあってか久々の超満員。そして一番驚いたのはすーさんこと鈴木さんがレフェリー服を着ていたこと。いや、何かの冗談かと思ったら第一試合でレフェリーデビューするという。これは一番のサプライズだった。しかし努力家の鈴木さんだからきっと練習したんだろうなというのはわかった。これで華☆激に旗揚げ当初からまとわりついていた慢性的レフェリー不足も解消されるといいな。

OPアクトはゼロダッシュの二人がつとめた。相変わらず元気があっていい。そして彼女たちのステージのあと、彼女たちのアナウンスで選手入場式。これはなかなか斬新だった。ぜひ他会場でもやってほしい。でもここで名前を「はるか」といい間違えられた刃駆はずっとその後も「はるか」って呼ばれ続けていた。ある意味おいしいなと思った。

それにしても飛行機組の多い華☆激でこの状況。皆やきもきしたと思うが誰一人としておくれずにこられたのは奇跡に近いといっていい。こういう奇跡がおきると面白くなるんだよね。プロレスって。

第一試合:20分一本勝負
① ○KING 対 ●刃駈

刃駆はUSTでは何回も試合を見ているが、意外と生で観戦するのははじめて。試合自体にすごく興味があったのと、相手が今伸び盛りのKINGということもあって、体格差はあるけれど面白い試合になるのではないかという期待がもてたカードだった。ましてやコスモとのタッグを本格始動されたこともあって、今後華☆激常連として新しいシーンを作っていってほしい。しかし飛び技の精度はもう少し高めないと無駄なケガが増えそう。また見た目だけサムライではなく、やはり越中のようなたたずまいをもてばもっとよりサムライらしくなれると思う。

KINGはまさに横綱相撲だった、本当試合に安定感が出て今や全く心配しないで試合が見られる。もっともオフリングでは相変わらずらしいんだが^^でもこういう戦力がいるのは華☆激の魅力である。

ミスタースーとコールされた鈴木さんは安定のレフェリングで全く問題なかった。何年練習してもへたくそな人はへたくそなんだが、鈴木さんの素質がこういうところにもあったというのは正直意外すぎた。でも人の裏方で支えるというのは大事なこと。これからも無理ない程度に頑張ってほしい。

第二試合:60分一本勝負:小川聡志復帰戦!
●小川聡志&幸村ケンシロウ 対 ○スカルリーパーA-ji&アズールドラゴン

5月の試合で早々に戦線離脱を余儀なくされた中年の星・小川聡志の復帰戦。正直欠場を繰り返すようになってやや体がしぼんできた感じはあるし、実戦の勘という意味でも不安要素は大だった。しかしパートナーの幸村にしろ、相手のダークサイドにしても全員アラフィフというのが救いといえば救い。若い選手の中に混じれば、かなり痛々しいかもしれない小川がこの中だと、若々しくみえる。この辺は高齢化する九州のプロレスシーンが珍しく役に立ったともいえよう。とはいえ、幸村もダークサイドも無駄に元気が良すぎて若い。とにかく次の世代がなかなか出てこられない要因になってるくらい若いんだから、油断は禁物。

で、試合はとにかく小川以外の三人が異様に元気。特に同い年の幸村の無駄にすごいコンディションには驚かされる。久々に強くてこわい幸村の試合をみたな。これみてると林田あたりが老け込むにはまだまだ早いとしかいいようがない。そして普段ラフ一辺倒のダークサイドが小川の足殺しのためにもってるレスリングテクニックの引き出しをがんがんあけてきたこともうれしかった。まあおかげで小川は関節技のサンドバッグ状態になったわけだが、やはり我慢するだけがプロレスではないのだ。死ぬまでプロレスをやりたければ、一年でも二年でもいいから休んで万全の体を作って出直すべきだと思う。いくら裏の事情があったとしてもだ。

第三試合:博多ライトヘビー級選手権試合:60分一本勝負
[王者]HANZO 対 コスモ☆ソルジャー[挑戦者]

気が付けば博多のベルトなのにずいぶん長いことあっちこっちを放浪している博多ライトヘビー級。ま、箔がつくといえば箔がつくんだろうけど。いろいろこのベルトには思い出もあって、福田雅一がなくなってリングサイドで黙とうした日に天神でこのベルトの初代王者を決めるトーナメントがあったし、それからも色んな闘い模様をこのベルトに刻み込んできたのが走馬灯のように思い起こされる。あれから幾歳月・・・・なんだかんだいって九州では最古の部類に入るベルトになってしまった。まあライトヘビーなんで厳密にいうとメジャーのジュニアクラスだと体重オーバーで挑戦できないのもミソなんだが、それでもこれほどあちこちの団体の選手が巻いているベルトもそうはないだろう。しかしもともとは団体の顔であるべきベルトが、これほど長い期間流出をしてるのは、やはり問題だろう。九州在住ではないにせよ、華☆激所属のコスモがそもそも長い流出の先鞭(対エル:サムライ戦)をきったことを考えると、コスモにはどうしてもベルトを自団体に取り戻す責務がある。アステカが巻いてもそりゃいいんだけど、今みたいにしがらみもない自由な立ち位置の方がイキイキしてみえていることを思うと、やはり今はアステカ以外の誰かが取り戻さなければ意味がないのだ。

試合は二手先、三手先が全く読めない展開。グラウンドが多い中、時折見せる軽業がとても効果的に映える。そして信じられないほどスピーディー。試合の八割はHANZOが支配していたといっていいと思う。そのくらいHANZOは強かった。いや、みちのくにいたころにはここまで盤石なチャンピオンになるとは想像もしてなかった。もともとテクニシャンではあったけど、でもやはりこの試合が重厚感をもったのは、やはり相手がコスモ☆ソルジャーだったからだろう。手の合うもの同士の試合でありながら、一切の妥協がない。やはり生真面目な二人ならではのタイトルマッチだった。

試合は大逆転のウラカンラナでコスモが大逆転勝ち。なかなか決まらなかったフットスタンプを決めた後に畳み掛けたので、あのタイミングでないと勝てなかったかもしれない。でもこの内容なら文句なし。試合後、刃駆と共に今度はタッグのベルトを狙うと宣言。今までなかなか欲のなかったコスモがはじめて「上」を目指すと宣言したことは興味深い。

第四試合:復活!!平成維震軍スペシャルタッグマッチ60分一本勝負
越中詩郎&青柳政司 対 アステカ&新泉浩司

さてお待ちかね。台風をも吹っ飛ばしたケツパワーが福岡上陸。もともと夢ファク時代からアステカとは親交があり、特に名古屋大会では準レギュラーみたいな扱いだった青柳館長と、最も縁深い越中が華☆激初登場。こういう意外性のある参戦選手がくるのも華☆激の魅力のひとつでもある。全方位に門戸を無駄に広く開けている分、結構意外な大物選手が来るのが面白いところなのだ。平成維震軍復活といううたい文句も、もちろん魅力的ではあったのだが、そもそも越中のデビューは全日本。その全日にあこがれてプロレスをはじめたという新泉が対角線にいる。メジャー経験を多く積んで選手スキルをあげるにはもってこいの相手だと思う。ここはアステカが全面にたつというより新泉浩司という存在を越中の身体にきっちり刻み込むのが、見どころのメインになると勝手に踏んで試合を待った。

で、ひとつ見誤っていたことがあった。それは越中と館長のコンディション。けがの多い館長はともかく、ここまでコンディションのよさを売りにしてきた越中がけがで長期離脱が多かったこともあって、年齢も加味すると復活したはいいけど、平成維震軍も見納めかなと思っていた。

が・・・・大きな誤算すぎた。先発した館長と新泉がバチバチやりあうとその余波を買って越中がヒート。まあ飛ばす飛ばす。そしてやはりでかい!昔の全日ではジュニアクラスだった越中がこんなにでかいとは!そのうえ、ヒップアタックもパワーも往年となんら変わらない。ここまでグッドシェープを維持するってある意味すごいこと。レジェンドクラスとは別物の「現役」のすごさをまとっていた。ぶっちゃけ二人とも50代後半なのに他の誰よりも若く見えた。あの元気印の新泉が放った大人げない蹴りにかちんときた館長は倍返しで蹴り返し、場外戦まで挑んで活き活きしてる。実は三年前に左目が不自由になられている館長なんだが、蹴りの精度は全く衰えてない。というかその事実をあとで知って鳥肌が立った。両目が見えている新泉の蹴りより館長の蹴りは正確無比だったからだ。やはりこの人たちは器が違いすぎる!越中もアステカにガツンガツンとケツをたたき込んできて、それにいちいち会場が熱狂。いや、二人とも昔の名前だけでも十分試合できるのだけれど、そこに甘んじない姿勢もまさにプロだと思った。

あまりの維震軍ペースに華☆激勢は劣勢の一途。なんとか挽回しようとしても焼石に水といった感じだった。しかしそれでいて新泉もアステカもどこか楽しげだったのも印象的だった。試合は高角度パワーボム一発で越中がアステカからピン。なんとアステカ、一週間でメインイベント2連敗!決してコンディションが悪いわけではないが、この日は正直試合みてて勝てる気がしなかった。いやあ、プロレスは奥が深い。そして越中のグッドシェープぶりには本当に舌をまいた。

救いなのは試合後、「今度はシングルマッチでやってやる」と越中にシングルを要求したアステカがとても充実した表情をしていたこと。

最後はアステカが「あの二人をこえていかないといけないんだよ。でもメジャーの選手とやると楽しいだろ?新泉?俺たちはあれを目指そうよ」と弟子ととも自身の奮起も促していたのが印象的だった。よく冗談で「アステカさんって負けた試合の方がいい試合しますよね」といってるんだが、まさに今回もそうだった。アステカの負け試合にはずれ無しという変なジンクスもきっちり更新されてしまったんだけど。

試合後打ち上げに参加させてもらって館長やアステカさんから楽しい話をいっぱい聞かせてもらった。これはやはり私だけの財産にしておきたい。本当に館長は謙虚で腰が低くてレジェンドなのに偉ぶったところがないのは感動した。端々で出てくる漢気が全く嫌味なく聞こえるのだ。これがやはり長年誠心会館で多くの弟子を指導してきた館長の仁徳なんだなあ。お話をさせてもらってすっかり館長のとりこになっていた。終電が迫っていたのでせくようにサインと写真をお願いしたけど越中選手も館長もアステカさんもみな快く了解していただいた。ありがとうございました^^楽しかったです!


北九プロレスZ「障がい者スポーツ支援チャリティー」やっちゃれEvolution2014観戦記(14.8.3 日 中間市体育文化センター)

北九プロレスZ「障がい者スポーツ支援チャリティー」やっちゃれEvolution2014観戦記(14.8.3 日 中間市体育文化センター)

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この会場はあの「世界のプロレス」が奇跡の大会(99.6.5)を開いて一躍プロレスファンの記憶にその名を刻んだ場所である。もっとも奇跡は二度起きず、12月の大会は惨憺たる内容だったのだが、それを私とアステカさんと今の玄海になる前のK選手の三人で観戦したのも、今となっては懐かしい思い出である。なんといってもあの森谷さんの試合をご生前に見た、最初で最後の場所でもあったし。そういうことでなんと中間にくるのは「それ」以来15年ぶり!昨年の中間大会はやはり北九Zらしいひどい内容だったと聞いていたのでいかなくてよかったともいえる。だいたいそもそもこの団体を私がプロレス団体として評価してないからこそ、わざと「北九Z」という風に「プロレス」の4文字を外して呼称しているのに、なんとよりによって公式アナウンスで当の本人たちが「北九Z」という省略形を使いはじめていた。どうせ深く考えもしないで使ってみたんだろうけど。

だがこの日の会場はいつもと何かが違っていた。入ってみてびっくりしたのは、リングの大きさがちゃんとした大きさになっていたことと、レフェリーがかわっていたこと!しかもレフェリーはもと華☆激→九州プロレスで活躍していた日高(中洲ヨースケ)君ではないか!いや、くんなんて大した知り合いでもないのになれなれしいんだが、新弟子から知ってるとついそう呼んでしまうのをお許しいただきたい。そして、どういうつながりなのかは知らないが、パワーストーンまで売っている!北九Zの売店にあるパワーストーンってなんか負のオーラをもらいそうな気がして買いたいとは思わなかったけど(爆)一応名誉のためいっておくと意外ときちんとしたお店ではあった。

しかし、相変わらずなところはいくつもあって、音響はブツギレ。リングアナ(H中さんでない方)は相変わらずカミカミ。なぜか選手紹介とテーマ曲が流れだす間に数秒間が空くし、かと思ったらフライングでテーマ曲が先に流れ出すし、まあ進行はいつも以上に北九Zクオリティーであったことは指摘しておきたい。大会名「やっちゃれEvolution」(やっちゃれ・えぼりゅーしょん)を何度も「やっちゃれ・れぼりゅーしょん」ってアナウンスしてるし。どうなんだよ。これ?

試合前に全選手入場式。ここで「九州の宝」と大会プロデューサー谷口がヴァンヴェール・ジャックを呼んで、この日の彼の誕生日祝いを行い、また幕間で車いすバスケを行うことについても説明をしていた。たぶん用意されていた企画ならこんなに谷口が流暢に話せるはずがないので、本人の肝いり企画なんだろう。でもこの発案は悪くないと思う。昨年よりちょっと数が多いという客席は約8割の入り。まあ健闘した方ではないだろうか?谷口が営業をしっかり回っていたのは知っていたし。だが、そもそも北九州の団体のはずなのに、わっしょい夏祭りの裏に中間で大会を開くという間の悪さは先にどうにかしろよ、と思ったが、次回大会の案内を聞いていると今度はがむしゃらの真裏。しかもイベント試合みたいなのに、大人1000円、子どもはなんと!(なんと!というのはアナウンスで強調されていたので使ってみただけ)200円とるという。いや~、さすがにこれはいかないでしょ。前売りと当日価格が同じなのかどうなのかも不明だったし。

本音をいえばFREEDAMSのデスマッチトーナメントを見に広島に行きたかったんだが、この後の予定に学院のメンバーでギラヴァンツ観戦する予定が入ってしまったがために、こっちを選択せざるを得なかったのだ。北九Zに対して「ただでも来るか!」といっていた私がよりによって有料大会に顔を出す羽目になったのは、そういう理由から。そこに久保さんの応援という名目もできたので、渡りに船ではあったんだけど。

第一試合 20分一本勝負
○久保希望 VS  ●ベンガドール13
(9分12秒 エビ固め)※GTホールド

レアルルチャで今のところ私が知る限り唯一の素顔で活躍するルード選手がベンガドール。表情がみえる分、わかりやすいというのはあるけど、実力は未知数。ただし、レアルはリンピオよりルードの方が頭角を現しやすいのか、目立ってる気がするので、今後には期待したい選手の一人ではある。で、普段は格上の選手とあたることが多い久保だが、なんだかんだいっても10年選手。ただ、年上の選手層が無駄に厚い九州のプロレスシーンでは若手扱いの域を出ないため、こうした格下の選手に胸を貸すマッチメークはなかなかみられない。ということで、ルチャ以外のムーブができない(と思われる)ベンガドール相手に、久保の引き出しがどれだけ多く開いて対応できるのかが注目のポイントだったが、さすがそこは伊達に10年のキャリアを無駄にはしていない。悪役、コミカル、ハードヒット・・・どのスタイルにも対応できる久保の柔軟さが光って今までにないベンガドールをみることができた。まさに風車の理論どおりのプロレスが展開され、見てる側も非常に楽しい気分になることができた。で、ふと二年前のみなと祭りでの谷口対ネグロ戦を思い出したのだが、格下の相手を引っ張って試合を組み立てられない当時の谷口(あくまで二年前の話)のふがいなさに比べると、この日の久保の安心感っていったらなかった。間違っても変な試合になりようがないというのは、ここまで久保がお客との間に積み重ねてきた信用の賜物である。大人の事情で前半戦の試合にしかでられないことを差し引いても、この第一試合はかなり贅沢だったと思う。

ベンガドールの試合はそれほど多くは見ていないのだが、こうして相手に引っ張ってもらったらそれなりにシングルマッチの形は整えられる選手なんだなという認識はもつことができた。久保の厳しい攻撃に半ばフラフラになりながらもよくくらいついていった。まあ、でくの坊ではこうしたファイトもできないわけだし、素顔というのは大きな売りのひとつなんだから、マスクがない分闘争心をもっとむき出しにして向かって行ってほしい。まあ、今の実力では正直久保の本気を引き出せるところまでは、とてもいってはいないと思う。が、精進のしようによっては上にあがれる可能性もっているとみた。あとは、経験値を積んでいってほしい。

第二試合 45分一本勝負
○スカルリーパーA-ji &上田馬之助VS KING &●サガン虎
(12分43秒 ギブアップ)※ヘブンズドアー

ダークサイドFTOは天空マッチで同門対決を馬之助が制し、再びタッグを再結成して挑む最初の試合になった。しかし、呼ぶのはいいんだけど、Zみたいに少人数しかいない団体に悪のユニットが2つもいるんだろうか?KAZEが率いるブラックドリームもヒールなんだろうけど、どう考えてもダークサイドの方がステイタスとしては上の悪役で、しかもステレオタイプの反則を得意とする分、お客にもわかりやすい。それでいて観客の支持率は異様に高いわけだから、クオリティの面から考えてもダークサイドに前座をやらせる意味がわからない。とはいっても各団体が主催する興業自体が減っている以上、もち回りでこうした登場の仕方をしないとなかなか大会自体が開催できない事情もあるんだろうけど、それはお客としては関係のないことなんで、こうなった以上はダークサイド以上の悪夢をブラドリ(とお客に略されてよばれてる悪役ユニットもどうかとは思うのだが・・・)にはみせてもらう必要があるのだが・・・・

さて前から気にはなっていたことだが、ダークサイドの特に上田馬之助について、この際
確認しておきたいことがあった。それは地力の強さ。いうまでもなく初代上田馬之助は道場では無敵を誇る腕っぷしの持ち主で、それを試合でもそれとなくお客にアピールするのが常だった。有名な猪木とのネールデスマッチでも前半では執拗な腕取りの攻防を展開しているぐらい、デスマッチですら基本中の基本を怠らない上田さんの律儀さと、UWF勢も舌を巻いた確かな技術がそこにはあった。で、二代目もできる選手だとは思うのだが、彼の場合、しょっぱなからラフをしかけることが多く、それもまた持ち味ではあるんだろうけど、やはり基礎力だけで「強い」とお客に思わせる攻防が少なすぎると思う。ラフや乱入ももちろんテイストとしては大事なんだけど、レスリング担当をA-jiまかせにしないでもっとアピールしてほしいのだ。そうするとただ汚い反則をするヒールとしてではなくもう一枚上手の悪役になれる余地は十分あると思う。

特に今回のような格下いじめマッチでは、そうした地力アピールがより強い馬之助像を作り上げる絶好の機会だったたけに、もったいないなあと思ってしまった。ガタイもでかいし、頭もきれるだけに、じゃそれで反則までする必然性を今のダークサイドFTOにはそれほど感じられないのだ。完成されているように見えるA-jiと馬之助のタッグもこうしてみるとまだまだ工夫できる余地はあるんだなあと思った試合だった。

一方KINGに対してはそれほどいうことはない。大きな体をもてあまし気味だった若手の頃に比べるとぐっとファイト内容がおちついてきたし、キャリアが下で年上のサガン虎を引っ張る力量もついてきたのは好材料だと思う。せっかくなんでこの九州の狭い輪の中でキャリアを消費するだけでなく、色んな団体にも打って出てほしいところである。サガン虎に関して言えば、「佐賀プロは今後活動する気があるのかどうか」を一番に聞いてみたいところだが、やはり初代タイガーの物まねだけではプロの世界では厳しいかなと思わずにはいられなかった。今回は特に何もさせてもらえなかった感が強かっただけに、余計そう思えてならなかった。

第三試合30分一本勝負
●新泉浩司 VS  ○アズールドラゴン
(16分3秒 エビ固め)※120%スクールボーイ

バチバチやりあうファイトスタイルが信条の新泉(余談だが新泉(にいずみ)はずっと「にい・いずみ」とアナウンスされていた^^;)だが、それにはうってつけの相手であるアズールが今回の対戦相手。特にダークサイドFTOが勢ぞろいということもあって、試合後すぐに馬之助とA-jiがリングサイドにセコンドとして入ると、GTRの盟友久保も新泉のセコンドにつき、にわかにGTR対FTOの対決になった。が、しかしやはりセコンドを手足のように使わせたらFTOにはかなわない。やっぱりというか1対3になってしまう。それでいて、アズールはバチバチにも真っ向から対応してくるから始末が悪い。

最近特にテクニシャンぶりを発揮しだしたアズールは要所要所にテクニックを織り交ぜてかつセコンドをうまく介入させて、試合を終始リード。真っ向勝負しか手がない新泉としては苦しい試合内容になった。でもどうかするとこの手練れの三人を吹き飛ばしかねない勢いを今の新泉には感じるので、この悪の連携もそう長続きはするまい。同じことを繰り返しているようだけど、昔なら短時間で仕留められていたところを、結構粘って試合を盛り上げたのはやはり新泉が実力をあげてきたからだと思うし、直球型のファイトを生かしつつ、こうしたイレギュラーなラフにも強い選手になりつつある証明だと思う。

まあ、FTOサイドとしては芽が出ないうちにつぶしておきたいところかもしれないが、今後まだまだ新泉はどんどん変化していくだろう。決して大きくない体に備わった打たれ強さもあなどれないものを感じたし、彼の成長いかんでは高年齢化が進む九州のプロレスシーンにひとつの光明を見いだせる可能性もあるからだ。

とここまでが前半戦。北九Z所属選手が一人もでないという内容だっただけに普通に面白かった。まあこのメンツだと華☆激でもFTOでもどこでも見られる顔ぶれではあったんで北九Zに対して満足したかというとみてない以上、ここまでは何とも言いようがない。でもこれで3000円もとがとれたといっても過言ではないかな。そして休憩中を利用して車いすバスケが行われ、体験者としてジャックも車いすバスケを経験していた。試合自体は結構ハードでびっくりしたのだが、こういうスポーツのあり方はとても素敵なことだと思う。谷口プロデューサーもこのときは裏方として一生懸命働いていた。本当はメインにでる選手にはあまりうろうろしてほしくないんだが、まあ仕方あるまい。

第四試合 ゼファーデビュー戦60分一本勝負
皇牙&磁雷矢&●ゼファー VS ○KAZE &アグー&ヴァンヴェール・ネグロ
(19分31秒 体固め)※ソロモンの悪夢

さてセミからはいよいよ北九Z勢の登場である。所属選手が出てくるだけでこんなに不安になる団体はほかにないと思うのだが、とりあえず団体の看板だったはずのKAZEが好きなことをやりはじめてヒール転向する、というよくわからないストーリーを繰り広げている以上、手薄なベビーサイドの選手層拡大は急務であった。そこで今回デビューのゼファーである。白と赤のマスクマンはいかにも正統派な感じがするが、いかんせん線が細い。まあデビューしたてのKAZEもこんな感じだったんだが、今やビール腹をタイツで隠すほどみっともない体型になってしまった。そりゃGENTAROも嘆くよね。この腹をみたら・・・元相撲取りでちゃんこ屋のおやじである皇牙はともかくアマレス→総合→プロレスと渡り歩いたKAZEがそれと同じようなシルエットの体型でいいのかどうなのか?

で、試合内容はいたって悪くなかったことを前提に、先に苦言を述べておくと、まずブラドリ。どういう方向性なのかが相変わらずわからない。ホント仲良し3人組が群れている感じのユニット。遊び感覚ということでいえば、結構ファビラスフリーバースも馬場さんから厳しい言葉をかけられていた(で、その結果がゴディのチーム離脱~殺人魚雷コンビへと流れていくわけだが)が、フリーバースの場合、単にアメリカのもと悪ガキがそのままプロレスラーになった感があって、あれはあれで悪くはなかった。同じ群れてるといっても3人のバックボーンにリアルなアメリカの(元)不良少年というものが感じられたからこそだろう。翻ってこの三人に共通するバックボーンは何もない。おまけにテーマ曲をまた気志團の「One Night Carnival」に戻しているのも意味不明。キャラで悪役やるにしてもなんかやりようがあると思うんだけど、色違いのお揃いデザインのTシャツにアグーのオーバーマスクをかぶった三人は会場で拍手をあおり、ベビーフェイス気取り・・・・
う~ん、確かにダークサイドとは違う方向性なんだけど、だからといってこれはどうなんだろう?オーバーマスクをかぶってるから、マスカラスよろしく観客に投げ入れるのかと思えば、それもしない。あげく磁雷矢がそのオーバーマスクを本当に投げ入れようとしたら全力で阻止にかかるし、試合に出る順番もダチョウ倶楽部式。試合がはじまれば「KAZE、しぼれ!」という会場の声にいちいち「しぼっとるわ」と返すなどとまあ、終始おふざけ感が漂いすぎていた。しぼるのは関節ではなくあんたの腹だよ!と心の中で何度言い返したか。まったく。こんな緊張感のないカードをセミにもってくるなんて・・・

でも、こんなふざけた試合がなぜそこそこみられる試合になったかというと、結構ゼファーが頑張ったから。思った以上にできる選手だったのだ。正直「先生」が「この」KAZEや「あの」谷口では多くを期待するのは無理だと思っていたからこれはうれしい誤算だった。正直こんな団体にいないでよそで修行つめばいいのにとすら思った。とはいってもそこは新人。ましてやゼファーはもとより、皇牙にも試合をリードするだけの力量はもちろんないので、各所で磁雷矢が必死になって試合をそれらしく組み立てていた。なんか九州のレジェンドっていいように安く使われてるなあと思わなくもないが、正直磁雷矢さんがリードしてなかったらひどい試合になっていたかもしれないんだから、北九Zは感謝はするべきだろうな。

デビュー戦がこんなのという意味でいえば、ゼファーにも試練の大一番であったことには違いない。普通に久保や新泉相手に玉砕し、ほろ苦デビューを飾るよりよっぽど大変だったと思う。でもそんなゼファーの姿勢に少しは何か感じるものがあったのか、中盤からおふざけモードを引っ込めて来て闘ったブラドリにも一縷の良心が見えた気がした。これがなかったら終始だだすべりな内容になっていただろう。

試合はもちろんゼファーが負けたんだけど、一つ苦言を呈するならばどれだけ苦しい試合だろうとマイクははっきり通る大きな声をだしてほしい。いくら音響がぶつ切れになってても、地声でアピールできるくらいの元気のよさは新人には必須。蚊の泣くような細い声で、何をいってるかわからないようなアピールでは先が思いやられる。ここは真っ先に改善してほしい。しかし教える先生がいまだにマイクカミカミだからなあ・・・

メインイベント時間無制限一本勝負
○谷口勇武 VS ●アステカ
(17分3秒 ギブアップ)※勇武式腕固め「BARIKATA 」

さて、師匠を倒して九州のプロレスシーンに風穴をあけると大言を吐いた試合前の谷口。確かに営業も今までにないくらい頑張ったし、お客も努力の分を知ってかけつけた。あとはメインがどうなるかというところだけ。この試合も素晴らしかったからこそ最初に苦言を呈しておくと、本当にアステカごえを果たしたければ、二年前の対ネグロ戦のような、格下を引っ張れない内容ではなく、また相手の土俵で戦うにしても対佐々木恭介戦のように、返り討ちにあうような試合はしてはならないだろう。格下を引っ張りあげて、相手の得意分野でも互角かそれ以上の内容を示すことがエースの絶対条件であるはずだ。いわゆる相手を生かして、自分も生かすプロレスをすること。自分だけカッコいいレスリングをするだけではお客は離れていく一方である。で、このカード。正直谷口のコンディションがどうであろうとアステカという看板がメインをしめる以上、よっぽどの事故でもない限りはメインの体をなして、大会がきちんと終わることは容易に想像ができた。そこにアステカの勝ち負けはあまり関係ないのだ。ということはメインにこの人がでてくれさえすれば安泰、という興業の一番のキモになるところを、アステカさんに丸投げした時点で、谷口がメインイベンターとしての責任を半分放棄したとも受け取られかねない対戦カードになっていたのだ。だからここで谷口が負けても「ああ、やっぱりな」となるし、勝っても「善戦したよね」とみる側の多くは受け取る可能性が高いわけであるから、世代交代を印象付けるなんてよっぽどのことをしない限りは無理だろう。そもそも総合という確かなバックボーンがありながら、蹴りや関節ではなく投げに固執する従来の谷口のファイトスタイルでは、勝ち目も薄い。スーパー稲妻キックよりは精度が高いものの、谷口の投げ技がフィニッシュになった記憶はここ数年来ない。だからこそ、カッコいいレスリングをしない、なりふり構わない必死な谷口勇武が万が一でもあらわれてくれたら、と願うようにゴングを聞いた。

ところが、谷口がいつもの谷口ではなかったのだ。こんな谷口の試合にあたる確率はたぶん宝くじの一等があたるより低いと思うんだが、やっと我々の願いが届いたのか?そこにはなりふり構わずに必死にいちずに勝利への執念をむき出しにした谷口がいたのだ。まず序盤のハイキックでいきなりアステカの後頭部を射抜くといきなりダウン。受け身をとるでなく顔からまっさかさまに崩れ落ちたアステカの姿にただごとならぬ気配を感じたシーンだった。

実はシュートボクシングの心得もあり、かつては総合の試合も経験したアステカにとっては実をいうと谷口の得意分野は自分の土俵でもある。先手をとられたとはいえ、ここしばらく封印していたレガース着用でこっちも格闘戦モードにシフトチェンジ。こっちの蹴りもまた容赦ない。しかもプロレスの懐でいえば、アステカの方がずっと深い。普段自分だけ格好良ければいいという試合スタイルの谷口に比べればそれは一目瞭然。だから先手をとられてもアステカの余裕は終始消えないままだった。実際キックでダウン取られたあと、場外に放ったトぺで谷口をKO寸前まで追い込んだあたりにプロレスラー・アステカの矜持が見えた気がした。

だからこそわかりにくかったんだが、その懐の深さと、谷口がこの試合にかけた予想外の執念がこちらの予想を大きく覆す結果になったのだ。確かに終始アステカに余裕はあったし、いままでの谷口だったら、彼の試合に付き合っても負ける要素はなかったと思う。ましてや、敵の土俵に簡単におりていってしまううかつな谷口のことだ。つけいる隙はいくらでも生まれよう。今まで通りだったら、だ。だが、この日の谷口は一味もふた味も違っていた。あれだけ固執している投げも決まり手にせず、投げを打ってから蹴り、締めと、勝負をあきらめない姿勢が見えてきたのだ。これはやはり団体を背負うものの覚悟なんだろうか?あれほどいってもなお変わらなかった谷口が、佐々木戦からわずか2か月でこのような変貌をとげていようとはだれが想像しただろう。

結局はこの覚悟の差が大きく現れて、粘るアステカがロープ際にいたにもかかわらず強引に上から、谷口がアンドレ殺しのアームロックを決めた。もう数センチで手が届く位置にいながら、完璧に決められたアステカはたまらずギブアップ。この時の衝撃はたまらないものがあった。正直谷口が勝ったとしても丸め込み程度で「僅差にして薄氷」の勝利しか予想してなかっただけにこれはすごいことがおきたと思った。なんせ自分の弟子にはよくて引き分け、負けても薄氷というのがアステカの貫いてきた姿勢だったからこそ、この結末は意外すぎた。だが、ギブアップを受け入れたということはアステカが、もう自身の勝利=自分の価値とは考えなくなってきたことの証であろう。実際ライガーもそうだけど、勝っても負けても強いイメージは変わらないし、価値は変わらない。むしろ勝った側の方が大変になるということでは、この勝利谷口にとてつもない重い宿題を背負わせたことにもなる。

それにしてもポテンシャルは誰もが認めながら、そのセンスのなさゆえに大きな遠回りをしてきた谷口勇武がこうもまあ見事に化けるとは・・・プロレスは奥が深いなと改めて思った。

試合後勝者の谷口がダウン寸前の中、悔しさをあらわにするアステカ。マイクでも「負け惜しみじゃねーぞ」といいながら「これだけ集まってくれた、お前を慕う後輩や、お前を見に来てくれるファンを裏切るな。群れるな、こびるな!孤独かもしれないけどそれがエースだ。お前が引っ張っていけ!だが、次はこんなもんじゃねーぞ!」と師匠としてのカツをいれたが、正直あと何手かだせそうな余裕すら感じていたけど、それを封じた谷口の執念は予想以上だったということなんだろう。確かに一筋の光明はみえたと思う。感動もした。だがなんせ谷口が信用にたる試合をしたのはこれがはじめてなんである。これをどうつなぎとめていくかが本当の勝負になるだろう。

全試合終了後アステカさんと久しぶりに話をした。内容はかけないけど正直感動した。15年以上つきあってはじめてこの赤いおじさんを格好いいと思った。と同時に谷口がこの位置にいて、同じことをいえるようになってはじめて世代交代をなしえたといえるんではないかと思った。実はあの年齢にして未だ成長しているアステカさんの地力を私も見くびっていた。いやあ、あの赤い頑固なおじさんがここまでいうようになったとはなあ。感慨深かった。一つだけ話すとしたら、やはり見てる側もそうだったけど、もと華☆激の日高レフェリーがこの試合を裁いたことが私もうれしいと思ったし、アステカさんもそう思っていたようだったこと。15年余の歴史を振り返ると走馬灯のようにいろいろな場面が頭をよぎっていったのもなんか感動させられた所以だったのかもしれない。

だが歴史云々は別にしても試合内容で谷口が勝ったのはまぎれもない事実。試合後もひとりひとりのお客をフラフラになりながら、でもしっかりした声を出して送り出していた谷口の姿に今度こそ本気で賭けてもいいかなという気にさせてくれた。それは事実。確かにいらっとする進行や曲だしのタイミングが遅いことやブラドリの立ち位置や、練習してないのがもろバレな皇牙など、谷口への信用がそのまま団体の信用にならないのは当たり前だとしかいいようがないのだが、少なくともまたみる機会があったら、今回ほど見るハードルをさげて観戦することはないとだけはいっておく。それだけハードルが上がったということで、もししょぼい試合をしようものなら、それこそみなと祭りの比ではない観戦記になるだろうことは予告しておく。

でも、今回は本当に谷口勇武よくやった!それだけはいっておきたい。悪口言うつもり満々で会場に来たんだけど、まさかこういう展開になるなってなあ。やはり中間では奇跡がおきるのかな?

次回は有料大会が黒崎であるらしい。もちろん私はこの勝利をふまえてなお、Zを観戦することはない。要は裏がどこと重なろうと北九Zを見に行かないと損だ、くらいに思わせてほしいのだ。そういう意味では道のりは依然険しいのである。
[ 2014/08/04 21:23 ] 観戦記.鑑賞記.見たもの記 | TB(-) | CM(-)




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