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がむしゃらプロレス『GWO TYPHOON ~時代は俺らを求めてる~』観戦記(15.2.15(日)北九州パレス)

がむしゃらプロレス『GWO TYPHOON ~時代は俺らを求めてる~』観戦記(15.2.15(日)北九州パレス)

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この日までいろいろなことがあって、個人的にも悔しい思いやジレンマもあった。やはり生きていると楽しいことばかりではない。プロレスだってアニメだって心理関係だって、好きでいられる代償は誰しもが払っている。でもそういった感情のぶつけ場所のひとつとしてプロレスがあるのであればそれは素晴らしいことだと思う。感情のみえない試合はみていても面白くない。選手が感情をみせてこそはじめて観客はカタルシスをえられるのだ。圧倒的な力となったGWOに手薄な正規軍がどう立ち向かっていくのか?力に任せたGWOがこれをいつぶしていくのか?今年最初の大会はいつもとはやや勝手が違う感じがしていた。

第一試合:
▼GWO TYPHOON おまけマッチ(30分1本勝負)
×竹ちゃんマン & ガムコツくん & セクシーロージィ vs ダイナマイト九州 & 小倉発祥パンチくん & ○タシロショウスケ
(9分30秒)

なんか聞いたようなテーマ曲(BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY=新・仁義なき戦いのテーマ)で、いきなりにらみをきかせて入ってきた前タッグ王者とタシロ。パンチくんなんか完璧に、小倉発祥の「その筋のひと」(20世紀の、だけど)の恰好になっていて、もはや「パンチさん」である。で、リング上で手書きの文字で「田代軍」と書かれた変な布を出して「これから田代軍としておまけ試合をしきっていく」と高らかに宣言。しかし武闘派宣言?をした割には試合内容はいつもどうり。相変わらず人を煙に巻くファイトスタイルではあったが、もともとは同じユニット(セクシーおまけ軍)だったこともあって、そうそう九州ペースの試合にはならない。特にロージーの手足?になったガムコツくんと竹ちゃんマンが結構お笑いマッチの中でも頑張って、色をみせていたのが面白かった。

まあでも田代軍がどこまで長続きするのか?それとも5月の大会では全くなかったことになっているのか?そのあたりが楽しみではある。

第二試合:
▼GWO TYPHOON シングルマッチ(30分1本勝負)
○MIKIHISA vs ×紅
(3分51秒)

この試合は新人同士でしかも同期対決という、今ではメジャーどころでもあまり見ない組み合わせだったこと。ライバル関係をことさら丁寧に伝える必要もなく、ただ目の前の敵に対して闘志をむき出しにしてかかっていけばいい。見せ方について頭をひねる必要もない。しかもお互いに選手として、人間としての、信頼関係もある。だったらなおのこともっとガンガンいってもよかったと思う。特に両者とも蹴りを売りにしていて、その蹴りの種類もまた異なるわけだから、序盤から探り合うよりスタミナも気にせずフルスロットルで蹴りあってもよかった。ましてや今大会で唯一入場テーマを流さず入場したのであれば、なおのこともっともっとシンプルな試合でもよかったと思う。

もうひとつ、同日デビューながらややMIKIHISAが先行しかかっている状況にあって、紅は一気にその差を埋められるまたとないチャンスだったと思う。だからこそこの試合が、先行されたそのままの結果で終わったことは残念でならない。もしこういう勝ち方をするんであれば紅がこういう結果を狙うべきだったのではないだろうか?もちろんMIKIHISAもこれで同期に勝ったとか超えたとかはこれっぽっちも思ってはいないだろう。だが、プロレスは負けてからが本当の勝負の始まりである。何もできずに負けた紅はこれを機にまず同期越えを果たすという課題ができたわけだし、こういう張り合いのあるライバルにめぐまれたということは幸せなことである。この緊張感のある関係を保ったまま成長していけばきっとがむしゃらの黄金カードにもなるだろう。その可能性はあるということ。あとは、2人がどうプロレスと向き合って、どう自分の中で落とし込んでいけるかだろう。

第三試合:
▼GWO TYPHOON シングルマッチ(30分1本勝負)
×ジェロニモ vs ○久保 希望(フリー)
(9分41秒)

物事の習い始めは、誰しもただ教わった通りにしかできなかったり、覚えが悪くて教わったことがなかなか会得できなくてあがきもがいた経験があることだろう。そうこうしていくうちに、だんだん色んなことを覚えていって、それがやがて人にも説明して教えられるようになってはじめて、やっと受け身だけだったところから、次のレベルに行ける。人にものを伝えるということは、当然自分が自分の身体に落とし込むことをしてないとできないんだけど、その自信がなかなかもてなかったり、最初は先生やコーチと呼ばれることへの葛藤がおこったりもする。そうこうしながらだんだん一人前になっていく。

この大会はどの試合も好勝負連発だったけど、あえていうならこの試合がべストだったと思いたい。一見すると久保にジェロニモがチャレンジするような試合形式だが、実はそれだけではない。久保は10年をこえるキャリアの中で、さまざまな苦汁をなめてきた。そしてそれを糧として成長してきた。で、人に自身がこれまで得てきた経験を伝え始めている。ニコラス戦然り、今回のジェロニモ戦しかり。しかもそれぞれ全く異なる形でメッセージを残していっている。何を得たかは人それぞれだろうけど、伝える側として久保希望が確実に成長し次のステップに向かって進化しているさまをみられたことは大変貴重だったと思う。悔しさをばねにして課題を克服してきちんとキャリアを重ねていっているあたりには、頼もしさすら感じる。

一方正規軍に復帰して心機一転のジェロニモは待望の久保戦ということもあって、気合も十分。ヒール時代から続けているたまご飲みも行い、久保戦へはやる気持ちをおさえられない感じ。序盤のタックルの取り合いはがむしゃら内ならジェロニモの一本勝ちだろうけど、その低空飛行するジェロニモを上から的確につぶしていく久保の優位は動かない。ともするとここら辺で攻め急ぐきらいがあったジェロニモだけど、気合が入り過ぎということもなく、この辺はとられても冷静。場外に戦場をうつすと、エプロンサイドでまさかのジェロバスター。これはさすがにプロ相手でないと出せない技だろう。だがこれも久保に決定的なダメージを与えられない。

正直、次の手次の手をつぶされてジェロニモは悔しいのではないかとみている側は勝手に想像していた。実際久保の攻撃も防御も「本当はジェロニモが久保をこのように攻略したいのではないだろうか」というような展開だったからだ。まあ、それを許すほど甘い相手ではもちろんないのだけど、久保は同時にプロの領域をお客にも実にわかりやすく伝えていた。といっても相手を見下した態度をとるわけではない。対戦相手として尊敬したうえでつぶすという高度な試合内容だった。そこにくらいつこうとジェロニモが必死にあがいたところがこの試合を名勝負にした。だからあとでジェロニモが試合後に流した涙は「うれし涙」だったと聞いた時は背中がぞくっとした。リング上で人目もはばからず悔し泣きをするというのは実をいうとプロでもないわけではない。だが、ここまで差をみせつけられたことが逆にうれしいというジェロニモの気持ちは、プロレスを愛するものとしては痛いほどわかった。だから感動もしたのだ。今考えるとあれが悔し涙だったならここまで感動は残らなかったと思う。

で、話が第二試合に戻るのだけど、新人2人にはこの領域を目指して精進してほしいのだ、試合順とダメージの関係もあってこの試合はみられていないと思うので、あえてこれは書いておきたかった。この試合は久保が己の成長を伝えた試合であるのと同時にジェロニモも己のプロレス愛を満天下に伝えきった試合だったのだ。

第四試合:
▼GWO TYPHOON タッグマッチ(30分1本勝負)
④YASU & ×TA-KI vs ○豪右衛門 & 林祥弘
(12分25秒)

ただのヒールユニットではないというGWOの中にあって、一番ヒール経験がないのが林と豪右衛門の2人。付け入るとしたらそこだとは思っていたが、YASUの機動力をうまく使った上で、TA-KIの極悪殺法で正規軍はいきなり先手を取った。その後も要所要所でクレージージャスティスの本領を発揮。以前も組んではいたけど、今のTA-KIとYASUの頭脳とスピードの連携はこれからの闘いを面白くしてくれそうな予感。

しかし一発でそれを返せるのが今のGWOの勢いである。特に請われてGWO入りした林のYASUに対する攻めは全く容赦がない。豪右衛門も昨年GAM1決勝まで勝ち抜いた勢いは衰えておらず、やはりあっという間に攻守逆転してしまう。その勢いはTA-KIの狡猾な攻撃が付け焼刃にみえるほど圧倒的だった。それゆえか試合後のTA-KIの悔しがり方は半端なかった。やはりクレージークレバーでやってきたことが通用しない現実をつきつけられては心中穏やかではいられまい。ただ、狙いどころは間違ってはいないので、どこかに隙あらばそこを抉り出すいやらしさは失わないでほしいと思っている。たぶんそこはTA-KIにしかできないところだからだ。

第五試合:
▼GWO TYPHOON 6人タッグマッチ(30分1本勝負)
⑤×ジャンボ原 & 陽樹 & ハチミツ二郎(東京ダイナマイト) vs マスクド・PT & SMITH & ○藤田ミノル(フリー)
(19分49秒)
※0分04秒でハチミツ二郎選手が藤田ミノル選手に敗れたため再戦

試合内容をざっと振り返ると、正規軍の助っ人で入ったハチミツ二郎がGWO打倒を宣言し、藤田の勧誘にも応じず、試合開始後4秒でフォール負けし、泣きの再戦を申し込んで今度は激しい試合になるも途中で二郎が寝返って、GWO入り。そのまま4対2でGWOが圧勝という展開だったのだが、正直、このカードが一番アナウンス聴いてピンとこなかった試合だった。正直言うとプロの2人に闘う理由があまりないことと、彼らが入ったことで本来正規軍対GWOというユニット対抗戦でもあり、次期タッグ王座を狙える位置にもいるはずの陽樹とジャンボの2人とスミス・PTの絡みがぼやけてしまった。そのうえ、本来面白い方に行きそうなハチミツ二郎が漢気をみせたのも不自然だったし、過去このパターンは割とやりつくしているので、意外性もなかった。どこかでメンバー拡張はするだろうとは思っていたけど、原も陽樹も能動的にGWO入りする理由がない。まあ今正規軍に残っているメンバーは全員そうなんだけど、GWOに移籍しても明確なビジョンがない。そこへいくとプロ枠でゲスト参戦しているハチミツ二郎しか「裏切り者」がいないという結論になってしまう。

かといって藤田対二郎という対戦でも「?」なんで、結果的には仕方ないのかもしれないけど、欲を言えばPT・スミスに次回陽樹・原でタッグ挑戦みたいな流れができてほしかったなというのが正直なところ。実際ジャンボも往年の一番いい時期の必死さみたいなものをこの試合で出していたし、陽樹にしてみたら望んで闘いたい相手が3人まとめて対角線にいるわけだからモチベーションも高かったはずなのだが、ちょっとこの展開では正規軍を貶めすぎたような気がした。やはり敵対する陣営あってのGWOなんでその辺のさじ加減はやはり今後調整が必要だと思う。

第7試合:
▼GWO TYPHOON GWA Jrヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
⑥【挑戦者】×L.O.C.キッド vs ○TOSSHI【王者】
(15分20秒)

大会開始前に唯一発表になったカードがこの試合。ここにも問題があって実はGWOのジュニアのチャレンジャーがキッドしかいないというところなのだ。もとヒールとしてのTOSSHIのクオリティーも結構高いので強いて言うなら彼がGWO移籍という手もないわけでないだろうけど、それではただですら戦力が偏っているGWOのピントがぼけかねない。それでなくても「おもしろそう」という意味合い意外これといって理由がなさそうなハチミツ二郎加入という場面を前の試合でみていることもあって、ここでTOSSHIが寝返ることはまず考え難かった。

そこらへんの軍団事情はさておいて、実をいうとYASUには勝率のいいTOSSHIも実はキッドを苦手としている。復帰後、闘って勝ち星なし。一昨年の3WAYも結果王者になったのはキッドだったし、やはり相性という点を考えても一番苦手なタイプなんだろうと思われる。しかしもてる術を惜しまず投入したことで試合は白熱した。やはり今のジュニアの中心人物同士の試合がおもしろくならないわけがない。乱入とか裏切りとかは今のジュニアの闘い模様にはふさわしくないし、やってもらいたくもない。

試合が進むとキッドが優位に立つ場面が多々でてきて、ちょっと押されてるのかなと思ったけど、キッドの守護神であるラダーを使わせなかったあたりがTOSSHIの成長した部分だったのかなと思う。それだけ試合に集中してないといけない状況と、正規軍の砦としての責任感みたいなものがTOSSHIを強くしていた感があった。

この2人にYASUとKAGをいれた4人がおそらく今後のジュニアの中心人物になっていくのだろうけど、昨年あれだけ組まれたジュニアの王座戦も対GWOということになるとこの顔合わせを連発してもなあというところがあるけれど、今後どうなっていくのか?楽しみな反面、若干不安もあったりするのだが。

第七試合:
▼GWO TYPHOON スペシャルタッグマッチ(30分1本勝負)
⑦×七海健大 & 阿蘇山(九州プロレス) vs 鉄生 & ○KENSO(全日本プロレス)
(18分37秒)

このカードも本当を言うとKENSO対阿蘇山、七海対鉄生という方向性でみたかったのだが、意外な化学反応がおきた試合だった。やはり試合は生ものだなあというのを痛感させられた。まずどうも阿蘇山のコンディションが今一つな感じがした。鉄生に関してはまさしくそびえたつ山の如しで、あの勢いにのる鉄生を一発でふっとばす破壊力をもついつもの阿蘇山らしさがこの日は影をひそめていた。鉄生ももちろん成長しているからこそ、師匠をおいこめたのはいうまでもないが、その山になりきれてない阿蘇山とは対照的に、悠然と七海健大の前に立ちふさがったのが、KENSOだった。立ち振る舞いから一撃一撃の破壊力までこれでもかというくらい本気の攻めを七海に浴びせ続けた。だてに日本、アメリカ、メキシコという世界をみて、そのトップに立ってきたわけではない。

しかし、このKENSOの攻撃を七海はなんと受け切ったのだ。どこで終わってもおかしくないほど完璧に決まっていたのに、それでも立ち上がっていく七海。鉄生相手にこれだったら正直がっかりしただろうけど、相手はあのKENSOなのだ。それを考えると大健闘ではすまされない。正直ベストバウトにしなかったのは、最終的に七海が流した涙が「悔し涙」だったからだ。プロでないけれど、プロに負けじとやってきたのに、やっぱりプロに負け悔しいというのはもちろんわかるし、七海自身のコンディションも決してよくなかったので、泣きたい理由もわかるのだ。だからこそ、それでもどうせ泣くんなら、先を越された鉄生に挑戦という形にするよりも、いつかはKENSOを倒して全日にのり込んでやるくらいの気概があったら、この日流した涙も無駄にはなるまい。

結果は無残に終わったけど、可能性が少しでもみえたのはよかったと思う。ジェロニモの涙がうれし涙でよかったと思えたのと同様、七海がこの試合で悔し涙を流してくれたことは個人的にはうれしかった。そしてその悔しさを正規軍全員がわかちあっていたのも印象的だった。これから流れをかえるのは大変かもしれないけれど、やはり対抗勢力がいないと一党独裁はつまらないから、この日流した2人の涙にあえて今年のがむしゃらプロレスをかけてみたいと今は割と本気でそう思っている。
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[ 2015/02/17 12:17 ] 観戦記.鑑賞記.見たもの記 | TB(-) | CM(-)

DRAGON GATE~TRUTH GATE 2015(2015.2.1日・福岡・博多スターレーン)観戦記

DRAGON GATE~TRUTH GATE 2015(2015.2.1日・福岡・博多スターレーン)観戦記

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年末にドラゲーで締めて、年初の観戦もドラゲーだった記憶はたぶんはじめてのことだと思う。今までは下関に年二回も来る団体だし、と思ってあまり積極的には観には行かなかったけど、年末の鷹木対ハルクにはいろいろ思うところがあって、今回久々にスターレーン大会に足を運んでみた。まあテレビがついている強みもあって、新日以外では毎回全面使用で満員にしている団体は今のところドラゲーだけである。とはいっても、テレビカメラが届かないところに、うまい具合に隙間を作って椅子を並べているので、本当に会場をぎっしり使っているのはやはり新日だけだろう。テレビ優先の作りがあちこちに施してあって、機材があるところには絶対選手は乱闘に行かなかった。それはいいんだけど、開場時から場内のライトをきって、ライトアップしているせいで、中が暗い。入る時にすごく入りにくかったし、出入口を一か所にしているせいで、休憩中人が押し寄せて結構大変なことになっていた(終了時も当然出づらかったし・・・・)。その上、フロアに売店を作っていたこともあって、余計狭くなっていたし、あれだけ隙間があるんであれば、別に会場内に売店作ってもよかったように思う。15年もやっているのであれば、やはりこの辺は観客ありきで一工夫をしてもらいたいんだけど。まあ絵作りのために人を入れてるんだから、その辺はどうでもいいのかな?

ちなみに他団体だと北側にカメラをすえて、北側正面で試合をすることが多い。だがドラゲーは入退場口がある南側にカメラがあって、これも出入りに邪魔。このあたりにドラゲーの博多大会から足が遠のいた原因があったように思う。しばらく来てなかったんで忘れていたけど。

【第1試合】
T—Hawk&U—T&×Kotoka
vs
堀口元気H.A.Gee.Mee!!&○ジミー・ススム&斎藤“ジミー”了
(13分34秒 ジャンボの勝ち!→体固め)

事前にフラミータの帰国にともなってKotokaのミレ二アルズ入りが発表されていたが、正直これには違和感があった。やはりインパクトのあるユニットは可能な限りオリジナルメンバーでやるか、ベテランを補充したMAD BLANKEYのように違和感を前面に出して売っていくかかしかないと思う。それをやらないでいくと、中途半端なユニットになりかねない。メキシコからの逆輸入ファイター同士が組んだところにミレ二アルズの意義があったと思うので、やはり安直なメンバー補強に走ったのは残念な感じがした。まあ、戦力的にMAD BLANKEYと対抗するには人数も必要だったろうけど、そこはやはりMONSTER EXPLESSのように人数減っても頑張ってるユニットをみてると、もう少しなんとかやりようがあったような気がするんだが…新規加入したKotokaから「ミスターハイテンション」を引いてしまうといたって普通の選手だよなあという感じもしたし。

対するジミーズが定番を忠実に守って(まあゴムが途中で切れたのはマジで誤算だったと思うが)いただけに、対極的だったというか、メンバー補強が裏目に出てるような感じしかしなかった。なんとなくだけど、序盤からジミーズはKotoka狙いでいっていたようにも見えたし、それがわかっていながら手が出せなかったミレ二アルズの経験の浅さも浮き彫りになってみえた。わかっていながらジャンボの勝ちという一手をもっていたススムが勝つのもいたって当然の結果というか。つまり新鮮味があるはずの新戦力が全然新鮮味にかけていた時点でミレ二アルズに勝ち目はなかったように思うのだ。

【第2試合】
ヨースケ・サンタマリア&×エル・リンダマン
vs
ジミー・カゲトラ&○Mr.キューキュー“谷嵜なおき”豊中ドルフィン
(12分3秒 車懸り)

せっかく林悠河という名前が定着しはじめた時点でのユニット参加→リングネーム変更(エル・リンダマン)というのは林(あえてそういうけど)にとってどんなメリットがあったのだろう?どうせならマスクマンにでも変身してインパクトを出すとかした方がよかったのではないか?年齢的にはKotokaよりミレ二アルズに入った意義らしきものはまだ見いだせたけど、やっぱり対戦相手が安定しているジミーズだとどうしても急造タッグという感じしかしない。

ましてや林のパートナーがマリアというのも気の毒だった。正直マリアにとって後輩を引っ張って試合を作った経験がそんなにないのだろう。ジミーズのおぜん立てで連携らしきものは多少みせられたけど、マリア自身が林のよさまではひきだせていなかった感じがした。そういう先輩と組んでいくことが多くなるミレ二アルズというユニットで果たして林が清水のような大化けをしていくかどうかというと、ちょっと不安なのだ。この辺がもったいないよなあ。まあドラゲーの場合ユニットの離合集散は日常茶飯事なんでいずれ林にも大化けするチャンスは巡ってこようけど。

【第3試合】
◎オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合◎
《王者》○Kzy vs 《挑戦者》×問題龍
(11分37秒 KZ time)

Kzyの場合、移ったユニットがベテラン・若手が混在しているDia. HEARTSというのがよかったと思う。人数も増えてベテランヒール軍化したMAD BLANKEYにいるよりは、移籍してベビー転向していくというのはタイミング的にもいい感じだったと思うし、フラミータ不在の中、ブレイブゲートの新しい顔としてKzyはうってつけの逸材だと思う。まあ問題龍とかパンチ富永とかいう連中を光らせるには彼くらいの実力がないとちょっと王座戦としては物足りなくなっただろう。

Kzyがトペ・スイシーダを放つと、問題龍はイスを持ち出してブチ当てる暴挙にでていたし、さらには金具ムキ出しのコーナーに叩きつけ、飛びつきDDT、コーナーに首を固定してのドロップキックも放つなど、随所で問題龍にブーイングが飛ぶようにやられていくKzyを見ているとベビー転向は正解だったなと思わずにはいられなかった。問題龍もヒールとしてはいきいきしていたし、塩攻撃であれだけ反感買った経験はそうないんではないだろうか?

試合後、サイバーが「おい裏切り者のKzy、俺らを裏切った罪は重いぞ。俺たちMAD BLANKEYを敵に回したらどないなるかわかったか。Dia. HEARTS、お前たちはなんとかブレイブ、守ったかもしらんけどな、今日のメインイベンツ、トライアングルゲート、俺たちのもんや。今日のメイン、覚悟はできてるか。」となぜか英語訛りの日本語でアピール。
しかしモッチーのマイクを無視したサイバーは清水にマイク攻撃。「オッサンに興味は無い。ビッグR、お前に興味がある。なんや、ドラゴンゲートでいちばんの力持ち名乗ってるみたいやけどな、俺を差し置いてよくも言えたもんやな。おい、今日のメインでたっぷり力の違いっちゅうもんを見せたろか。」と挑発。やはりメインに向けて何をしたらいいのか、よくわかっているというか、ここで売り出し中の清水と、キャラがかぶるサイバーが対角線にいることをアピールしておくあたりは、長年やってきた経験の積み重ねだろう。ただ、タイトルマッチをメインのフリに使ったのはちょっとどうかな?と思ったけど。内容も悪くなかったんでマイクで余韻を消された感じがした。

【第4試合】
戸澤陽&○しゃちほこBOY
vs
K—ness&×パンチ富永
(12分53秒 オリオン)

パンチ富永って今の位置が果たしてベストなのかなと思う。年末のタイトルマッチしかり、この試合しかり、彼こそ移籍が必要な気もするのだが、パートナーがなんでもそつなくこなしてしまうがゆえにどこにいってもなじんでしまうK-ness.というのがまた問題で、富永のよさを引き出すでもなし、かといって分裂するほどちぐはぐなものにもなっていないという、ちょっと「どうなんだろう?」という感じのタッグワークになっていた。まあYAMATOやサイバーあたりはこの辺の違和感を売りにできる力があるけど、それを富永クラスに求めるのも気の毒な気がするし。そこへいくと戸澤あたりは実にいい感じでやられていくので試合自体は非常に盛り上がった。富永が戸澤を踏みつけにすると、K-ness.は木槌を使って痛めつける。さらにダブルのニークラッシャーから富永は監獄固めと責め立てる。このあたりは戸澤のやられ役としては真骨頂のシーンだっただろう。もちろんそのあときっちりお返しをしていくのだが、そこが盛り上がるために必要な「タメ」だったのはいうまでもない。

だが、この日の主役はしゃちほこだった。普段は声をいじられて終わりのキャラが最後をとってなんとマイクでアピール!「勝ったぞ! 博多の皆さんの声援のおかげで勝つことができました。今日勝ったということは、俺にもやりたいことがある! おいMAD BLANKEY、お前ら、サイバー・コングとYAMATOがツインゲート持ってるよな。俺に挑戦させろ!
っていうことで、アキラくん、俺と2人でツインゲートに挑戦しよう!」となんとツインゲート挑戦をアピール。だが、「すいません、お断りさせていただきます」と戸澤はまさかの「ごめんなさい」!しかし「いまMONSTER EXPRESSとして危機的状況なんですよ。ユニット抗争にも入ることさえできない。本当にピンチです。この状況を打破するためにもMONSTER EXPRESSの元気印のこの俺がひとりでちょっとやりたいことやらせてもらっていいですか」というと、そこに富永がわって入って「ちょっと待て。お前ツインゲート挑戦表明したよな。いまさら戸澤が断ったところで取り下げることはできねえからな。この俺が責任を持ってサイバーとYAMATOくんに伝えとくからな。覚えとけよ」となぜか挑戦を既成事実化。というかこれどうやって締める気なんだろう?

【セミファイナル】
スペシャル・タッグマッチ
B×Bハルク&×鷹木信悟
vs
○YAMATO&ドン・フジイ
(19分25秒 全知全能のフランケンシュタイナー)

ドラゲーの作り込まれたストーリーラインの中で異彩を放つのが鷹木とハルクの10年である。本当の感情とリアルな人生が織りなす物語は昨年末ひとつの形として昇華した。その余韻を経てのタッグ結成。長く見ている人ほどこの二人が同じコーナーにたつというのは感慨深いものがあったことだろう。このスペシャルな空間というのはなかなか最近ではお目にかかれない。しかしそのいい雰囲気もYAMATO&フジイが奇襲攻撃を仕掛けて開始のゴングが打ち鳴らされたため、ぶち壊し。前にも書いたけど、違和感を全面に押し出していく芸風は、やはりこのクラスの選手ではないとできない芸当でもある。まあそのおかげで、「いつ分裂するか」という危うさは、MAD BLANKEYにもっていかれてしまったわけだが、序盤は鷹木もハルクも同士うちが目立ち、観客をハラハラさせる。 ベビー人気としては今が頂点の鷹木には幟もあがり、女性ファンの大歓声があったけど、王者ハルクにはそこまでの声援はない。正直内心微妙だろうなあとは思っていたけど、そこをMAD BLANKEYは上手についてくる。フジイがハルクに凶器攻撃。流れを一気に掴むと、YAMATOも続いてフットスタンプを決める。

しかし中盤以降は鷹木の「オイ、オイ!」の叫びから、雄叫び串刺しパンピング。ハルクも続いて串刺し攻撃を見舞うなど、次第に連携が取れてくる。途中鷹木がYAMATOのスリーパーにつかまるものの、フジイのラリアット連発がYAMATOに誤爆し、そこからハルクがファーストフラッシュを決め、鷹木がMADE IN JAPAN。流れが一気に同期生タッグに傾きかけたが、YAMATOはフランケンシュタイナーで鷹木から逆転勝利。

「おい博多、見たか。元ベテラン軍のゾンビたちを加えた新生MAD BLANKEYの実力を
ハルク、そして鷹木信悟。お前らは俺が思うに、世界で10本の指に入るプロレスラーだ。
だがしかしお前ら犬猿の仲の2人は所詮急増タッグ。俺とフジイとは訳が違う。メインでは必ずトライアングルのベルトを取ってくれることだろう。この先もドラゴンゲートマットの中心はMAD BLANKEYだ!」と不敵にアピールするYAMATOはそう言い残すと悠々と去っていった。一方負けた鷹木にはハルクが「貸しでも借りでもなんでもいいよ。もしお前に力が必要な時は今度は俺が力を貸すよ。ここまで来たら俺も逃げも隠れもしない。何かあったらいつでも言ってくれ。今回はタッグ組んでくれてありがとう。それからこの犬猿の仲の俺と鷹木をつないでくれた同期の戸澤くん、ありがとう」とアピール。ということで、正式にタッグチームということでもなく、組む機会があったら組むよというまあ当たり障りない所に落ち着いたけど、正直この2人のタッグは、ドラゲーの中では「聖域」にしてほしいと思っているので、むやみやたらと引っ張りださないで欲しいし、やはり機会があったら闘っても欲しい。鷹木とハルクの2人しかわからない部分も含めて、リアルな人間関係が反映された数少ないケースなんでそこは大事にしてほしいのだ。

ところで、結局戸澤がいっていた「やりたいこと」は明らかにならなかったのだが、このタッグを実現させた今後何か考えていることがあるのだろうか?いずれ明らかになるのかもしれないが、できたら予告程度でもみせておいてほしかった。

【メインイベント】
オープン・ザ・トライアングルゲート選手権試合
《王者組》
望月成晃&ドラゴン・キッド&○ビッグR清水
vs
《挑戦者組》
サイバー・コング&CIMA&×Gamma
(23分23秒 砲丸投げスラム)

昨年末のタイトル戦で死闘を演じた鷹木とハルクのタッグをセミに押しやってメインにきたタイトル戦。今年のドラゲーは清水にかけているという意思表示でもあろう。マイクで煽ったサイバーと清水のぶつかり合いは迫力満点。タックル合戦では共に引かなかったが、数で上回った清水がダウンを奪うあたりにも、期待をかけられた清水自身の気持ちが、勝った瞬間が垣間見えた。やはりいろもので終わらせるには惜しい人材だったのだなあとつくづく思う。まあ、YAMATOにしろ清水にしろ元ネタをNXTから引っ張り過ぎだとは思うけど、本人たちがものにしていれば問題はない。

途中、数にものをいわせるMAD BLANKEYが攻勢に転じて、サイバーも息を吹き返し、パワー対決では一歩も引かない構えを見せる。悪役殺法に絡めて真っ向勝負でも打ち負けないところを見せ付けられたので、まだまだ主役を譲る気はないようだ。こうしてみるとベテランがサポートをしてくれるDia. HEARTSにいる清水は運にも恵まれていると思う。ミレ二アルズのT-Hawkあたりもいい素材なのだが、たぶん清水とは差がついてくる可能性は大だろう。まあユニットの成り立ちを考えるとミレ二アルズにベテランを混ぜるわけにもいかないんだろうけど、逆にいうと今のところサイバーやYAMATOをサポートしている大阪06ら、もとベテラン軍の「ゾンビ」たちが有効に機能しているうちは、MAD BLANKEYも安泰といっていいのかもしれない。まあでもミレ二アルズに必要なのは経験値なんでほかにお客の目が移っている間にレベルアップもしておいてほしい。そうすると来る将来、サイバーと清水とT-Hawkというタイプの違うパワーファイター対決がドラゲーの新しい売りになるだろう。

試合はMAD BLANKEY が押し気味に試合をすすめ、望月やキッドが抵抗する図式になっていったが、このあたりラストを清水に託す信頼感というのが、「ビッグ・R」の存在感を押し上げている要因のひとつにもなっている木がした。ラスト、リングに残ったGammaはガンマスペシャルを狙うが、清水はこれを回避し、ラリアットの打ち合いから首根っこをつかんで、一気に砲丸投げスラムを決め、勝利を飾った。格からいったら清水がGammaに勝つというのはちょっとありえないんだろうけど、それを前に押し出してでも新しいものを提供しようというドラゲーの意気込みは買いたい。

最後のマイクでくたびれた感が漂う中、やはりその輪の中心に清水がいるという図式は新鮮ではある。まだビッグ・Rという名前がしっくりきてないのか、ところどころ噛んだりしていたけど、砲丸投げスラムは説得力のある技だし、ぜひパワーを全面に出してドラゲーの新しい風景を作って言って欲しい。

隙間があるとはいってもフルスペース使って満員にできるドラゲーはやはりすごいし、ところどころおかしなところがあっても勢いで乗り切れるものをもっている強みはやっぱり大切だなあと思う。一方で全員が全員、転向してもうまくいってないところもあったりして、必ずしも盤石とは言い難いのだが、そこらへんがもう少しうまく転がっていくと、さらにドラゲーは面白くなるだろうなとは思う。まあでもやっぱ二カ月に一回見に行くのは正直しんどいし、小倉・博多を含めて全部観に行ったら、今のままだとたぶん飽きがくるとは思う。そこらへんをどう解決していくかが、今後の課題になってくるだろう。一時期なかなか新人が伸びなかった中、やっと待望の若きスターが生まれ始めているので、今年はドラゲーとしても大きな勝負の年になるような気がしてならない。そういう意味では新日に続くメジャー団体の一つとして期待をこめてみてみようとは思っている。
[ 2015/02/04 18:52 ] 観戦記.鑑賞記.見たもの記 | TB(-) | CM(-)




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