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DDTRoad to Ryogoku in KOKURA~ドラマティック・ドリーム・鶏かしわめし~観戦記 (14.4.19土・於:北九州パレス)

DDTRoad to Ryogoku in KOKURA~ドラマティック・ドリーム・鶏かしわめし~観戦記
(14.4.19土・於:北九州パレス)





実はDDT小倉大会と自分の講師オーディション試験の日にちが決まったのが本当に同時期。下手すれば日曜開催ということにもなった可能性も否定できなかったが、運命の神様はうまい具合に振り分けてくださった。こうなれば二日ともいくしかない!という決断は早い時期にしていた。以前の私なら試験が気になってプロレスにも集中できず、両方ともに不満足な結果を残して「やっぱり大事な試験前に遊ぶ自分はダメなんだ」という無力感にさいなまれていたが、過酷な勉強を経て変わった今の自分なら両方の日程をひたすら楽しむことができると信じて小倉入り。で授業終わりで、大会開始までだいぶ間があったのであるあるCityに時間つぶしに行ったらなんと陽樹さんとばったり遭遇。仕事中なのに私の暇つぶしにつきあってもらってしばしプロレスの与太話につきあってもらった。これですっかりエンジンがかかった私は意気揚々と北九パレス入り。

小倉の場合、北体育館が土日にとれないという事情を考慮するとややキャパの狭いこの会場以外使えるところがないというのが難点。しかし、他団体ではこの北九パレスを埋めるのも苦戦するのが実情だと考えるとDDTのやり方は徹底的に現実的、かつ無駄がない。
実は団体によってはアリーナのみ座席を設定して、ステージ上に観客席を作らないことも多かったりするのだが、DDTは各方向にまんべんなく席を作ってほぼ満員(312人フルハウス!)。前売り段階でほとんど完売に近い状態になったというのは素晴らしいことである。
見る側からすれば、こんな間近で選手がみられる環境にあることはとても喜ばしいことだし、できたらこの距離感を保ったままDDTをみていきたいんだけど、いずれはでかいキャパに移ってくのかもしれないなあ。

鶴見亜門GMの前説では熊本大会とと同様に入江茂弘が呼び込まれ、「いつでもどこでも挑戦権をいつ使うの?」と聞かれる。これに対し同じ質問をされた入江は不満顔、なだめすかすGMは「そりゃ昨日もそういう会話したけど、小倉のみなさんには伝わっていないから、初めて聞いた“てい”で昨日と同じこと言ってくれればいいんだよ」と説得にかかって、結局入江はしぶしぶ熊本と同様に「去年、これで佐々木大輔にいじめられたので、今度は逆にこれを使っていじめたいと思います。だからしばらく持ち続けようと思っています」と答えた。亜門GMからオープニングコールを促されると「何言えばいいんですか?」。亜門GMから「昨日と同じことだよ!」と言われた入江は「DDT熊本大会スタート!」とコールしてしまう。流れ出した「Into The Light』を慌てて止めさせた亜門GMは「地名の部分は変えてもらわないと!そして音響さんも何OP流してるんですか!」と少しキレ気味。「あなたが同じでいいって言ったんじゃないですか」と怒る入江に亜門GMが「わかったよ。俺が悪かったよ」と謝罪。入江が「小倉大会スタート」と言い直して無事オープニングアクトは終了。このあたりの展開を形を変えてやっていくのはDDTらしいところでもある。もう映像がつかえないハンデもすっかり自分たちの好機に変えてしまえる力量が各選手についたということの証明だと思う。

▼オープニングマッチ 30分一本勝負
◯アントーニオ本多 vs 中澤マイケル●
6分51秒 卍固め

いつでもどこでも挑戦権を2つもつアントン。それに対してなぜか入場テーマ曲を早送りされているマイケルはマイクをもつなり「お前がこの試合に負けて俺にその挑戦権のひとつを譲ってくれたら、お前は一回分負けることなく、楽してKO―Dのベルトを手にする確率があがる。俺も一回はベルトに挑戦できる。どうだ?」といっていつでもどこでも挑戦権の片方を無条件で譲れという。一旦は乗りかかったアントンだったが、いざ試合がはじまると「俺のプロレスラーとしてのキャリアが俺に肩を上げさせた!」とマイケルの提案を拒否^^かくしてまともなプロレスになりかかった・・・と思ったらマイケルがほてりはじめた。「たぎる」方は今かなりの声援が集まるのにそれより長くやってるマイケルの「ほてってる」はなかなか定着しない^^いっそ今のDDTと新日の関係からすると中邑対マイケルとかでもカード組めそうな気がするんだが・・・まあ誰も得しないか。
しかしここでアントンはコールドスプレーでまさかの逆襲。寒くなってきたぜ~とマイケルが脱ぎ掛けたタイツをはき直すが、そこはフリで結局コールドスプレーも手中にしたマイケルがべノワメーカー狙いできたところを、アントンが卍で捕獲してギブアップ勝ち。やはりGMいうところの「はずれなしの攻防」はいろんな意味で見応えがあった。

▼第二試合 30分一本勝負
◯大石真翔 vs 松永智充●
6分39秒 直伝トルネードクラッチ

これはもう往年のアメリカンクラシックな香りがするレスリングマッチ。個人的にはこの日のベストバウト。松ちゃんの左リスト一点集中攻撃は師匠ディック東郷譲りの渋い攻め。
今はルチャ的ムーブが流行りでもある(特に九州のプロレスシーンはルチャベースで成り立っているところが多い)ので、ヘッドロックにしてもリストロックにしてもすぐに放して次の攻防にいこうとするレスラーが山ほどいる。そんな中でしつこいくらいリストを固めていく松ちゃんのねちっこい攻撃は、光るものがあった。レスリングに対してはとことん実直な姿勢がどんな立ち位置に回っても声援を受ける所以なんだと思う。またまこりんもグラウンドが得意なのでいわゆるU系が得意な「決めっこ」的な流れに移行することもできたはずなんだけど、この試合ではひたすら松ちゃんの厳しい攻めを受け続けた。かつてNWAやAWAでベビーフェイスが必ずやっていた、ヒールレスラーのこってりとした攻撃を、ぎりぎりでしのぎ切るという図式にもっていったあたりはクレバーだなと感じた。技術のない選手がただ黙って耐えていると我慢大会になってしまうんだけど、この辺のさじ加減ひとつとってみても二人が本物の「職人」であるということに疑いはないだろう。試合は9割9分を松ちゃんがリストの攻撃に集中し、支配しながら最後は、まこりんが出した直伝トルネードクラッチで、本当に松っちゃんがぎりぎり返したか返さないかあたりのタイミングで3つ入るというこれ以上ないタイミングで大逆転勝ちという結果に。昔はこういう攻防は腐るほど見ていたんだけど、失われた今となっては貴重な展開。本当いいもんみせてもらったなあという感じがした。

▼第三試合 30分一本勝負
高木三四郎&●ダイナマイト九州&TOSSHI vs MIKAMI&パンチくん◯&鉄生
11分47秒 片エビ固め
※ダイビング・セントーン

昨年から始まったがむしゃら×DDTのコラボマッチは、基本MIKAMI軍と高木軍にわかれてユニット関係なく試合が組まれる。実際ここにお声がかかるとがむしゃらの中でも急激に頭角を現す場合が多い。そういう意味では大社長の目利きはかなり確かなのだ。今回は新顔として今ノリにのっているパンチくんと敗れはしたが、GWA王者を先月大いに苦しめたTOSSHIが初参加。この中でヒールはTOSSHIと鉄生なんだけど、二人とも他のメンバーに飲まれまいとして必死になっているのがうかがえた。でもまあこのメンツにはいると目立つのはどうしてもパンチくんと九州。この2人が自由すぎて頭一つ上に行ってしまう。これは仕方ないかなあ。
そして見えないところでしっかりMIKAMIと大社長がきっちりサポートする。こういう仕事もできるあたりが、DDTのにくいところである。ゲストを、三顧の礼で呼んでおいて、リングに上がると観衆の前で何もさせずにつぶすとかいうことをやりがちなプロレス界(だから軋轢が絶えない一因でもあるのだが)にあっては、DDTの「おもてなし」能力というのは特筆すべきこと。そして誰よりこの位置を譲りたくないという無邪気さもこのDDT旗揚げメンバーの2人は持っている。だから、気遣いするだけでなく、がむしゃらの世界にMIKAMIと大社長が入って楽しそうに闘っている姿というのは、やはり小倉大会でしかみられない名物なのだ。今回は特に大社長がダイナマイト九州ムーブを盗んだり、パンチくんがドラゴンリングインを盗んだり、結構やりたい放題だった。いや~楽しかったなあ。今年もたっぷり堪能させてもらいました^^

▼第四試合 30分一本勝負
石井慧介&◯入江茂弘&高尾蒼馬 vs 藤田ミノル&美月凛音&谷口勇武●
10分38秒 片エビ固め
※フライング・ソーセージ

諸事情でずっと休んでいた美月の復帰戦になったこの試合。すっかり北九州人が板についた、実はもと山口県民の藤田がいきなり「お前らDDT、誰の許可を得て北九州で興業やってるんだ?俺たち北九州軍がお前らがここで興業する力があるのかどうか?本物の戦争ってやつを教えてやる」とマイクでアジるやいなや、いきなりドリフを奇襲。その後もなぜかペースを握った北九州軍はなぜか口々に「これが戦争だ!」「戦争」「戦争」となぜかやたら戦争を口にする。エンタメ路線のDDTにあって、決してマイクが得意でないドリフの三人はしばし藤田ワールドに呑まれかかったが、そこは勢いと結束力にものをいわせて、なんとか北九州軍を分断にかかる。美月に狙いをつけて、もともと急造トリオの谷口と藤田をわけてしまうと、意外とあっさり流れはドリフに傾いて、気が付いたら谷口が捕獲される展開に。美月は長期欠場あけのせいか、もう一つ試合勘みたいなものが戻ってない感じがしたし、やはり藤田の口と頭だけで全部を回すのは少し無理だったのかもしれない。最後はドリフの連携の前に谷口が力尽きたが、北九Zで見せるようなボロは今回は見せなかった。前回はシングル戦(対マサ高梨)だったせいもあって、微妙な評価になったけど、こうしていろんな選手にもまれる方が谷口的にはいいかもしれない。試合後「お前らは認めるよ」といった藤田がどさくさに紛れて「いつでもどこでも挑戦権」を奪いにかかり、あやうく入江がだまされそうになるが、それはドリフの他のメンバーが阻止。ではと、藤田が「じゃ、勝ったお前らが休憩前のこの試合をしめろ」といいだすと今度は入江が「藤田さんやってください」となぜか懇願。「負けた俺が試合締めろってこんなの聞いたことないぞ」と渋っていた藤田はマイケルに「お前が締めろ」と強要。マイケルも関係ないのにリングに上がると仕方なく即席のコール&レスポンスでなんとかその場を乗り切った。いや~藤田ワールドは見慣れてるけど、こうしてDDTでもちゃんと通用するのがキャリア17年のなせる業というか。お見事でした。

▼セミファイナル 30分一本勝負
飯伏幸太&ケニー・オメガ&◯佐々木大輔 vs HARASHIMA&ヤス・ウラノ&遠藤哲哉●
16分17秒 エビ固め
※Now or Never

セミファイナルは飯伏幸太&ケニー・オメガ&佐々木大輔vsHARASHIMA&ヤス・ウラノ&遠藤哲哉の6人タッグマッチ。現6人タッグ王者にしてケニーとはタッグを保持し、かつ現役IWGP王者の飯伏を擁したゴールデンラヴァーズに、エンテツこと遠藤がどこまで粘れるかが勝負所になりそうな感じ。竹下が若干頭一つ飛び出している現状を遠藤も決して快くは思ってないだろう。HARASHIMAもヤスも今回は遠藤の後方支援に回る感じで試合スタート。しかし6人タッグ王者の連係で早くも遠藤が捕まってしまう展開に。コーナーからヤスが檄を飛ばすも、遠藤はなかなか味方にタッチできない。腰を重点的に攻められ、ケブラドーラ・コンヒーロ3連打に苦しむ遠藤だったがケニーにフランケンシュタイナーを決めてピンチを脱出。実は佐々木の加入でラヴァーズは空中戦+曲者感まで手にしてしまい、これを崩すには容易でないと判断したヤスも必死だった。そのヤスに替わると、今度は飯伏はヤスにジャーマン狙いで果敢に攻め込んでいく。が、ヤスは松井レフェリーのバックを取ってあわや眉山という危険な場面を作ってしまった。使えるものはなんでも使うヤスの本領発揮だったが、松井さんにしてみたらたまったもんじゃない。ましてや飯伏にはこういう洒落は通用しないし。
一方HARASHIMAが一気呵成の攻めをみせ、なんとか流れを変えようと懸命。ウラシマクドウの時は飄々と試合していたヤスが久々に動き回っていた。そしてキーマン遠藤も場外のヤスにトルニージョを浴びせて援護。リング内ではラヴァーズがHARASHIMAに波動拳→ジャーマンの連係を決めるが、これはヤスがカット。タッチを受けた遠藤が再び攻め込まれるも佐々木のクロス・フェースロックをカットに救われると、佐々木のダイビング・エルボードロップを回避してその場跳びシューティングスター。さらにトーチャーラックボムを決めるとラヴァーズにはまとめてエスペランサDDTで蹴散らす。このあたりの流れはさすがラヴァーズ。というか佐々木の特徴を組み込んだうえで新しいラヴァーズになっていたのが印象的だった。遠藤は善戦むなしく佐々木のNow or Neverでフォール負けという結果にはなったけど、今後飯伏が全面にたつより、今以上に遠藤や竹下が次世代の顔にならないとやっぱDDTの未来はない。そういう点では遠藤はもう少しかな?次回を楽しみにしよう。

▼メインイベント 30分一本勝負
◯KUDO&坂口征夫 vs 男色ディーノ●&彰人
16分22秒 片エビ固め
※ダイビング・ダブルニードロップ

メインイベントはKUDO&坂口征夫(チーム酒呑童子)vs男色ディーノ&彰人のタッグマッチ。当然後楽園でKUDOのKO-Dベルトに挑戦する彰人もまた新時代の担い手でもある。男色先生とまこりんはその後方支援に回っていることが多くなっていたのだが、なぜか男色先生は坂口に照準を絞って離さない。一連の男色殺法に悲鳴をあげ、彰人には関節技で手玉に取られてしまう。彰人にヒザ蹴りを決めても、スイッチしたディーノの男色殺法で動きが止まってしまう。こんなにグラウンドで坂口が苦戦するとは意外すぎる展開。しかしこれがある意味DDTにあがったものの宿命でもある。彰人にコブラツイストを決められると同時に下からディーノに凝視され、さらにナイトメア→バーミヤンスタンプも食らってしまった。ファイト一発!でコーナーに頭をぶつけてフラつく坂口だが漢タイツには入らず、ここはKUDOとのタッチに成功。中盤でようやく実現したKUDOvs彰人の場面になると、一気に緊張感が走った。彰人のキン肉大移動の体勢を回避したKUDOは坂口を呼び込んでサンドイッチPK狙い。しかしここで男色先生はまたしても坂口捕獲に成功。流れを取り戻せない酒呑童子は一転大ピンチに。ここで開き直った坂口はディーノで腹パンと股間タッチの応酬。さらに腹パンとキスの応酬に移る展開に。なんとか坂口が打ち勝って、かわったKUDOがディーノをコーナーに送り込んで8×4狙い。ディーノは待ってましたとばかりに、これをリップロックで切り返し、ファイト一発!からKUDOの頭部を漢タイツに差し込むが、坂口が間一髪のところでカット。今度こそのサンドイッチPKを決めると、坂口の腹パンのアシストからKUDOがダイビング・ダブルニードロップを投下して勝利した。試合後、KUDOは「また近い将来、ここで闘いたいと思います」と誓うと、撤収中も酒盛りを繰り広げた。 が、本当に撤収が迫ってきて城内アナウンスも担当していたマイケルと井上リングアナに「そこの二人、とっとと売店にでてそっちで飲んでください」といわれる始末。

この時点で20時過ぎくらいだったのだが、驚いたことに打ち上げはこの40分後に開始。聞けば翌日の鹿児島行になってる撤収メンバーは先にリングと共に熊本まで戻ってそこから新幹線で鹿児島へ。一方の打ち上げ参加組は小倉にとどまって朝一で新幹線移動という段取りになっていたらしい。ホントどこまでもそつがない。昔みたいに多くの選手のサインをもらえないのは残念だけど、その分多くの試合をみせてくれるならそれでもいいか。小倉大会もそうだけど、その土地でしかみられないカードを必ず用意してるのがDDT。だから連戦して観戦しても(実際熊本~小倉~鹿児島までいったファンもいたらしい)常に新鮮。某団体みたいに地方ロードは全部同じカードとかいう手抜きはしない。DDTとファンが作り上げた信頼関係がとても心地よかった一夜でもあった。自分自身も完全燃焼したし、この翌日の試験も今のできる範囲を精いっぱいやったので悔いも残っていない。やっぱプロレスは最高!DDT最高!

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